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DAZN観戦 2020年J2リーグ第35節 ヴァンフォーレ甲府vsジュビロ磐田

2020-11-23 18:20:49 | サッカー視聴記(2020年以前)

※前回の甲府の記事はこちら(28節・群馬戦)
※前回の磐田の記事はこちら(30節・福岡戦)

前節が中止となった甲府(愛媛戦)、インターバルこそ長くなったものの、これで以降9連戦を経てリーグ戦を終える事となりました。
それまで3連勝で上位を必死に追いかけていただけに、水を差された格好となりましたが、仕切り直して尚も勝ち続けるしかない。
この日の相手は、昇格の可能性が今節にも完全消滅という危機に苛まれる磐田。

どちらも一定以上のポゼッション能力を見せている今季ですが、磐田の方がその姿勢が強く。
そして後方でパスを繋ぎつつ、ポジションもその都度流動的にして攻撃を仕掛けていきます。
その原動力が、中盤でパスを散らす大ベテラン・遠藤と、FW登録ながら様々な場所に降りて来てボールを引き出さんとする大森。
3バックの最終ラインも、左センターバックの伊藤が積極的にオーバーラップする、サイドバックのような振る舞いを見せていきます。
この攻撃を下地にしたうえで、相手がボールを握ろうとする時は積極的なプレッシングで奪いにいく。
前への意識に全振りというサッカーを魅せるその姿は、まさに後が無い立場。

甲府を押し込んでいくもシュートは撃てずという磐田。
一方の甲府は、1トップにドゥドゥを置く、裏抜け重視のようなフォーメーション。
ロングボールのターゲットはシャドーの松田が担うも、中々磐田のプレスの前に攻撃の形を作れません。

しかし前半14分、磐田の最終ラインでのパスを泉澤が遮断し、そのままエリア内に入ってシュート。
これをGK八田がセーブするも、尚も左サイドで泉澤が拾い中央へ送ると、武田がシュート。
しかしゴール右へ外れてしまいモノに出来ず。
その後は再び磐田がボールを握る時間が続くも、結局シュートはこの時の甲府の2本のみのまま飲水タイムへ。

そして明けた直後にアクシデントが。
25分、ドゥドゥが磐田のパスワークにプレスを掛けた所、足を取られて痛んでしまいます。
一旦ピッチ外へ出、その後復帰するも、続行不能を訴えて29分に交代となってしまいました。
代わって1トップに入るのは金園(古巣対決となる)で、ターゲット役へと変わった事で攻め方も一変せざるを得なくなった甲府。

その間の28分(ドゥドゥが限界を訴えた直後)に初シュートを放った磐田。(伊藤左から低いクロス→ニアで中野擦らすヘディングシュート・GK岡西キャッチ)
その後は金園を温めるという狙いもあったのか、甲府がロングパス主体に攻撃を仕掛けます。
35分には敵陣左サイドで泉澤がパスカットし、そのままカットインしてシュート。(GK八田キャッチ)

しかし再び磐田のペースとなり、押し込まれる甲府。
38分には遠藤の左サイドへの展開から、パスワークで左→中央→右へと回り小川大貴がドリブルで前進、彼のクロスがクリアされたボールをエリア内で大森がシュート。
ジャストミートしたもののGK岡西がキャッチします。
続く40分にも決定機、左サイド⇔中央のパスワークから遠藤が縦パス、これを松本がフリックして左の伊藤へと送ります。
そして伊藤の低いクロスに、大森が足で跳び込んで合わせてシュート、ゴールネットを揺らしたもののオフサイドの判定。
大森のシュートが度々甲府ゴールを脅かしていきます。

ドゥドゥの負傷交代で長めのアディショナルタイムとなり、その中で甲府は荒木が右からカットインしてシュートするもGK八田がキャッチ。
左右からのカットイン→シュートという流れが目立った前半の甲府ですが、ゴールが生まれる事は無く。
前半はスコアレスで折り返す事となります。

少し前の話になりますが、小川航基・舩木と、2人のウィルス感染者が出てしまった磐田。
安静期間を経て復帰を迎える状況となりましたが、そんな折公式から「規律違反による謹慎処分・罰金」が2人に課せられたというニュースが流れました。
違反の内容は明らかになっていないものの、2つの事象を結び合わせると「2人が勝手にとある場所へと出向き、そこで感染してしまった」なんて事を想像してしまいます。

監督交代や遠藤の獲得などといった「劇薬」をチームに与えたものの、こうした既存の若手選手の緩みを生んでしまったのでは無いでしょうか。
新監督である鈴木政一氏が栄光を掴んだのは遥か昔(2002年)の事で、当時のサッカーの再現を図っても、時代がそれを許さない。
確かにこの日前半のサッカーの内容は良かったものの、流動的な攻撃に厳しいプレッシングと、同時に消耗の激しさも懸念するようなものでした。
現状故障者が膨れ上がっているのも、そんなサッカーにシーズン途中から切り替わった事が原因として考えられます。
現在の磐田は何としてもJ1復帰を目指すという立場なのでしょうが、日に日に厳しくなってきており、精神的にも追い込まれるような状況。
そんな要素が、2選手の処分となって表面化した……というのは仮定の域を出ませんが、果たしてこの苦境は打開可能なのか。

後半が始まり、キックオフから甲府はいきなりチャンス。
新井の右へのロングパスが繋がり、長いパスワークを経て荒木のスルーパスから野澤が奥からクロスを上げるも、シュートまではいけず。

しかしこれでペースを掴んだ甲府。
後半4分、敵陣で武田とワンツーで切り込む内田に対し磐田・大森が反則。
これで得た左サイドからのフリーキック、キッカー内田のクロスが上がると、ゴール前へとボールがこぼれ混戦に。
その中で松田がシュートすると、ピンボールのようにボールが磐田選手の足に当たり続け、ゴールラインを割ってゴール。
執念が後押ししたかのような甲府の先制点となりました。

リードされた磐田ですが、その後は甲府同様にセットプレー攻勢。
7分、遠藤のミドルシュートがDFに当たりゴールラインを割りコーナーキックに。
そのCKの二次攻撃で、左サイドで山田大記がキープする所甲府・荒木に引っ張られて反則、今度はFKへと移行します。
このFKも遠藤のクロスが跳ね返されますが、再び二次攻撃。
4度目のクロスが左の大森から上がると、ファーサイドへ松本が走り込んでヘディングシュート。
綺麗にゴールに突き刺さり、同点に追い付いた磐田。
直後に大森・中野→ルリーニャ・三木へと交代し、逆転を狙います。

その意気込みとは裏腹に、12分に甲府が決定機。
敵陣での野澤のボール奪取から、松田がエリア内へ叩いたボールに金園が走り込みシュート。
これが右ゴールポストを直撃し、磐田サイドは冷や汗。

冷水を浴びせられた磐田ですが、その後も甲府を押し込みCK攻勢を仕掛けます。
キッカー役の遠藤も忙しく働き、クロスを何度も入れますが中々実らず。
21分CKからのクロスがクリアされ、こぼれ球を伊藤がシュートするもブロックに阻まれ、好機を逸した所で飲水タイムへ突入。
明ける際に両ベンチが動き、磐田は山田大→上原へと交代。
甲府は荒木→山本英臣へ交代、さらに松田が右ウイングバックに、野澤がシャドーへと配置転換も絡めます。

これ以降も磐田がボールを握って攻勢を掛けますが、得点を奪えずという同じような展開。
しかしこの時間は、甲府が攻めようとしてもすぐに攻撃終了となってしまい、ハーフコートマッチにも似た状態に。
その副作用か磐田サイドも良い事だらけでは無く、これまで以上に中盤からショートパス主体で崩すようになってしまい、守備を固める甲府に対しシュートを放てず。
29分のシーンでは、クリアボールをルリーニャが拾ってからのショートパス攻勢、一旦右サイド奥に小川大が入るも戻されて遠藤が中央でキープ。
ここからダイレクトパスの連続で山本康裕→三木→松本と繋いでエリア内へ進入しますが、松本は収められず。
良い形で崩しても、フィニッシュまで行けない展開に変化は表れず。

最後の場面までいかせない守備を見せる甲府、押されっぱなしの状況を良しとするはずも無く、33分に2枚替え。(松田・野澤→太田・ラファエル)
その後は両者疲労を隠せなくなってきたか、陣形の間延びが目立つようになってきます。
俗に言うオープンな展開という状況で、双方勝ち越しゴールを狙い攻撃。
磐田は37分に左サイドから伊藤がクロスを上げるも合わず、こぼれ球を拾った小川大がエリア手前右からシュート。(ゴール上へと外れ)
39分には甲府が前線でボールカット、山本英→武田→ラファエルと渡り、ラファエルがミドルシュート。(GK八田キャッチ)
42分は磐田、右サイドから縦パス攻勢で前進し、右から小川大が松本とのワンツーで中央へ向かったのちシュート。(GK岡西セーブ)
特にバイタルエリアの守備が甘くなっていたのか、エリア手前でのシュートが目立ちました。

それでも2点目が生まれる事無くATに突入、刻一刻と試合終了が迫ります。
甲府が太田の右サイドのドリブルでCKを得ると、キッカー内田のクロスが中央の小柳の足元へ。
しかし小柳は撃てず、こぼれたボールを金園が追い掛け、反転シュートを放ちますがブロックに遭いゴールならず。
以降は磐田サイドの、FKを交えた放り込みが目立ちましたが、結局そのまま1-1で試合終了。
直後に甲府・小柳が警告を貰うなど、後味の悪い痛み分けという印象を残しました。

これで磐田はほぼ昇格の芽を断たれた状況(福岡が1でも勝ち点を積み上げれば終了)となりましたが、甲府サイドも逆転に向けては痛すぎる引き分け。
今後休む間も無い連戦に突入する中、是非とも勝利が欲しかった所でしたが、切り替えて挑むしかないでしょう。

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DAZN観戦 2020年J1リーグ第28節 大分トリニータvs川崎フロンターレ

2020-11-22 18:34:37 | サッカー視聴記(2020年以前)

変則日程に加えて柏戦の順延もあり、中17日と大きく間が開いてしまった大分。
そして当たる相手は独走を続け優勝目前まで迫った川崎という、泣きっ面に蜂のような状況ですが、物怖じする事無くゲームに挑む辺り流石はプロの集団だと思います。

その川崎ですが、今季は圧倒的な強さでJ1首位を突き進み、ここまでたった2敗。おかげで自分も取り上げるのに物怖じしてここまで来ました(どうでもいい)
描いているサッカーの完成度もさる事ながら、選手層の厚さで過密日程も物ともせず。ACLに出ていないという要素もあるけど
ここまで1000分以上出場している選手が15人と、レギュラークラスの選手を巧に操りつつ、強さを維持しているのは並大抵の事では果たせません。

そんな川崎というクラブに対し、素人ながら考察を巡らせると、物凄く人を大切にしているというのが第一の感想。
かつてJ1初昇格を果たしたのは2000年ですが、その時は1年で降格という憂き目に遭い、実に「昇格→即降格」の走りとなってしまいました。
その時はJ1昇格の功労者といえる選手達や監督(松本育夫氏)をぞんざいに扱い、「J1仕様」の編成を求めた結果シーズン中に空中分解してしまい、あんな結果になってしまった。(当時は観ていないのであくまで伝聞ですが)

そこから教訓を得たのか、Jリーグ内でもトップを狙える位置にまでクラブが成長する中でも、生え抜き選手を非常に大事に扱っているのが編成に表れています。
J2時代の2003年から在籍している中村(今季限りで引退の事)は言うに及ばず、10年以上在籍の小林悠・登里をはじめ、大島・谷口・車屋など現状ワン・クラブ・マンの主力選手が目白押し。(小林悠は学生時代特別指定で水戸でプレーしているがこの際置いておく)
今季は三苫・旗手の新人も加わり、その中に仲間入りを果たすべく足跡を付けています。
補強選手にしても家長・山根のようにすぐ主力に収まる事もあれば、そうで無い時でも今季は齊藤・山村といった人材を簡単には切らずという辛抱も見せている。
ビッグクラブないしはそれを目指さんとするクラブとは一味違った、家庭的とも言うでしょうか、温かさ溢れる陣容に思えてきます。

そんな懐の深さが脅威となっている川崎と相対する大分。
立ち上がりは主導権の握り合いの中、川崎に攻撃機会を与えず(前半4分、GK高木のパスを直接登里がシュートというシーンは危なかったが)、自身がペースを掴みます。
この日は知念が(川崎からレンタルという立場上)出場出来ないため、1トップには伊佐。
それでも彼のポストワークを絡めつつ、パスワークで攻撃の糸口を掴みます。
6分長谷川雄志が町田とのワンツーで前進、こぼれ球を高澤がポストプレイで繋いで町田がエリア内へ入ったのちヒールパス、後方で野村がシュート。(GKチョンソンリョンセーブ)
8分には鈴木からパスを受けた小出がすかさずエリア内へスルーパス、走り込んだ伊佐がシュート(GKチョンソンリョンセーブ)と、長短交えた攻撃で相手GKを働かせる場面を作っていきます。

10分過ぎから川崎が攻撃権を握り、3トップのウイング(右・齊藤、左・長谷川竜也)にボールが出る場面が頻発。
16分山根の縦パスを齊藤がフリック、大島に繋いでから長くパスワークで左右を揺さぶり、中村の右へのミドルパスを受けた山根がクロス。
そして小林悠のヘディングシュートが放たれるも、ゴール左へと外れ。

しかし再び大分が主導権を取り返し、今度は敵陣でのボール奪取から好機を作ります。
そして1トップの伊佐にボールを集め、その伊佐は19分にエリア内からシュート(GKソンリョンキャッチ)、20分には三竿のクロスからヘディングシュート(枠外)とフィニッシュに持ち込み。
24分には右サイドで島川のロングパス、こぼれ球を伊佐が落としてからチャンス。
走り込んだ小出からのマイナスのクロスをニアサイドで受けた町田が横パス、中央から野村がシュートを放ちますがこれもGKチョンソンリョンがセーブ。
川崎を押し込みつつ、飲水タイムへ。

試合勘が危ぶまれる休養日の長さを経て、首位・川崎と渡り合えるのか。
それでも間が空いた時の相手への対策は、25節・浦和戦(0-0)での「三竿左ウイングバック起用」の成功という具合に、片野坂知宏監督の手腕は証明済み。
見事にその危惧を振り払う前半の大分の出来。

試合消化が進まぬ状況の中、神戸の停滞もあり、現状(12位)からさらに上の順位を窺う立場。
それには今後訪れる過酷な日程を乗り越える事が絶対条件ですが、これまでの戦いで成長したであろう選手達を信じて進むしかない。
こう書くと川崎と同等のように感じますが、財政規模の小ささから来る選手の入れ替えの激しさは隠しようが無く、異なる両クラブのアプローチ。
1年で新戦力を自身のサッカーに組み込み、それが果たされてもオフには再編成が待っており、最低限の不可欠な選手を残しつつ(鈴木・岩田・松本・伊佐・三平が長期在籍の域)そのサイクルを繰り返して凌ぐ。
そんな難しいやり繰りを重ねる片野坂監督が、既に来季への契約更新が決定的なのが一筋の光明ともいえる大分、何とかJ1定着を果たして欲しいものです。

飲水タイムが明け、川崎がペースを掴みかけるもシュートまではいけず。
すると34分の大分の攻撃、島川のボール奪取から町田がディフェンスライン裏へとロングパスを送ると、野村がトラップで川崎・谷口を抜き去りエリア内左へ進入。
完全に裏を取られた格好となった谷口、あろう事か腕で野村を倒してしまい、審判の笛が鳴り響き反則・PKに。
さらに決定機阻止で一発レッドというおまけまで付いてしまい、野村がフリーでシュート体勢に入ろうとする状況だったため、割引きも行われなかったという主審の判断なのでしょう。
このPKを野村がゴール左へ蹴り込み、GKチョンソンリョンは反応するも届かず、大分が先制。
そのうえ数的優位の戦いへと持ち込みました。

10人となった川崎、守田をセンターバックに下げた4-3-2というフォーメーションを取りますが、長谷川竜と小林悠の2トップは縦関係。
中盤は中村ボランチでその両脇に大島・齊藤という布陣になりましたが、大分の跳梁を凌ぐ事を強いられます。
38分に田中達也が左からカットインののちシュート(ブロック)、39分に野村がペナルティアークに入ってシュート(ブロック)、40分に田中達のクロスを伊佐が中央で収めて反転シュート(GKチョンソンリョンセーブ)と立て続けにシュートを浴びる展開。
川崎の攻撃も44分にフリーキックから、クリアボールを拾った大島がミドルシュート(ブロック)と一矢報いたものの、結局は1-0のまま前半終了。

立て直しを図る川崎は、後半開始の前に中村・長谷川竜→田中碧・三苫へと2枚替え。
大分ボールでのキックオフ、いきなり好機に持ち込み、田中達がドリブルでエリア内左へと切り込んでクロス。(小出ファーでトラップも撃てず)
数的優位もあり、後半も押し気味に進めるのかと思われましたが、川崎は懐の深さを発揮。
大分を押し返し反撃体制を整え、同点ないしは逆転を狙いに行きました。
この辺は前試合(30節・マリノス戦)で、逆に自分達が数的優位ながらも、終盤まで接戦に持ち込まれた展開を教訓としていた節があり。

ボランチには大島がシフト、田中碧が中盤に入り、三苫がシャドー的な位置のFW。
後半6分にはコーナーキックから、ニアサイドで小林悠のヘディングシュートが放たれるもサイドネット。
ボールを支配しパスワークで崩しを狙いますが、それでも流れの中からはシュートには持ち込めない時間が続きます。
ジェジエウの出場停止、家長の欠場(2試合連続ベンチ外、何かあったか)といった負の要素が重なり、車屋CBなどの苦しいスタメン攻勢の影響でしょうか。
さらに試合中にも不利な要素が加わっては、流石に王者(まだそう呼ぶのは早いか?)と言えども苦しさは隠せず。

攻撃機会が減った大分に対しても、GKチョンソンリョンが脅かされるシーンが何度か見られるなど、前掛かり故の危機を招く川崎。
ようやく後半22分、CKからの二次攻撃で山根がミドルシュート(ゴール上へ外れる)とフィニッシュに持ち込むと、堰を切ったかのように好機を作っていきます。
23分にはクロスが流れた後の左サイド奥での攻撃、登里がエリア内へと進入してシュートしましたがGK高木がキャッチ。

そんな試合展開に伴い、早めに動く川崎(14分には小林悠→旗手に交代)に対し、大分もそれに対抗すべくベンチワーク。
17分に小出・伊佐→高山・高澤へと2枚替え、28分にも町田・長谷川雄→小塚・小林裕紀へと2枚替え。
しかし川崎の怒涛の攻撃の前に、交代後はペースを失っていき、30分過ぎからは完全に川崎がボールを握る展開となります。

普段は中盤の底を務める田中碧ですが、イレギュラーを強いられたこの日は主に右サイドで働きます。
5枚の交代枠を使い切った(31分に齊藤→脇坂、34分に山根→レアンドロ・ダミアン)後は旗手が右サイドバックに入ったものの、後に田中碧とポジションチェンジしたのも影響したでしょうか。
35分には敵陣でパスミスをカットしてからドリブルで前進する田中碧、エリア内に進入してシュートしますがブロックに阻まれます。

左サイドでも登里・三苫を中心に、そこに旗手・脇坂が加わるようになり何度も突破。
こうして完全に押し込む事に成功し、10人である事を感じさせない内容を描きますが、後は結果だけという段階で付いて来ず。
41分にはCKから、クロスをGK高木にはじき返された所を守田がシュートしますが、ゴール上へと外れ。
最後の場面ではやらせない大分。
アディショナルタイムに、エリア内での川崎のパスワークを岩田がクリアしたボールが、危うくオウンゴールという軌道になったのは皆肝を冷やしたでしょうが。

結局後半ゴールが生まれる事は無く、1-0で大分が勝利。
目の前で優勝を決められる事無く、勝ち点3を得て11位へと浮上しました。

一方翌日の試合でガンバが勝利したため、優勝は次以降へと持ち越しとなった川崎。
「試合の無い日に優勝が決まってしまう」事態はとりあえず回避したものの、既に優勝が確定的という状況で、そうした思惑から油断を生むという事は避けたい所でしょう。

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DAZN観戦 2020年J3リーグ第28節 AC長野パルセイロvsガイナーレ鳥取

2020-11-19 16:38:48 | サッカー視聴記(2020年以前)

J2は丁度5連戦の合間なので、J3に目を転じてみると、今節が大きな節目となるカードとなっていました。
無敗で首位を走る秋田が、J2昇格はたまたJ3優勝が決定となる可能性を秘めた今節。
勝てば無条件で昇格決定し、なおかつ長野の敗戦で優勝も決まる、という事です。

今節含めて残り7戦もあるので秋田の優勝は決まったようなものではありますが、2位争いは未だ混迷。
秋田の優勝阻止だけで無く、2位の座を守るためにも長野は落としたくない試合で、相手は5位に着けている鳥取。
長野のホームである長野Uスタジアムの、J1にあっても可笑しくない程のサッカー専用スタジアムの雄大さに見とれつつ視聴しました。

オール日本人という編成で今季を戦っている長野、立ち上がりは攻勢に出ます。
ボールの蹴り合いとも思いたくなるような入りを経た後、前半5分に右サイドから吉村のグラウンダーのクロスを、佐相が合わせシュート。(GK田尻キャッチ)
その後はスローインから好機を作る場面を量産し、8分には右サイドからのスローインからパスワークを経て、エリア内右で受けた東からグラウンダーのクロス。
これに水谷が走り込んでシュートしますが、DFに当たってゴール左へと逸れてしまいました。
4-3-3(4-1-2-3)というフォーメーションで、上記の佐相(左ウイング)や水谷(左サイドバック)のように、逆サイドの選手が中央でフィニッシュに絡んでくるシーンが目立ちました。
また13分には、センターバック・浦上がドリブルで持ち上がり、ロングパスが跳ね返された後敵陣で組み立てに参加。
長くパスを繋いだのち1アンカーの岩沼がエリア手前からシュート、ブロックされてエリア内にこぼれたボールを、センターフォワードの吉田が詰めにいきますがこれはオフサイドに。
人数を掛けて敵陣に押し込んで組み立てるという狙いが垣間見えた長野のサッカー。

そんな長野に押し込まれ続け、攻撃の形すらままならない鳥取の序盤の戦い。
落ち着きを取り戻さんと、19分には最終ラインからのビルドアップで攻撃を組み立てにいきます。
3-4-2-1のフォーメーションと紹介されていましたが、攻撃時にはボランチ・可児が1アンカーの3-1-5-1のような形に見え、新井泰貴と坂井のどちらが降りて来るかはその時次第というビルドアップ。
それでも長野の守備を崩せず、シュートは皆無・クロスは手前からという攻撃に終始し、頼みはロングボールをFW・大久保(どうでもいいが、大久保という姓は例外なくFWのような気がする……)に当てるという感じ。

飲水タイム(26分・一度主審が間違えて18分頃に採ろうとしたのが微笑ましかった)を挟み、ようやく鳥取が初シュート。
それでもスローインを直接大久保に当て、繋いだのちに大久保が遠目からシュート(GK小澤キャッチ・30分)という大久保頼みのような感じでしたが。
案の定再び長野のペースになり、押し込まれる時間帯が長くなる鳥取でしたが、ここでは相手にシュートを許さず。

何とか40分過ぎまで長野の攻撃を凌ぐ鳥取。
41分ついに好機を得、相手のミスを敵陣で拾った三沢がそのままシュート、ブロックされたボールを右ウイングバック・安藤が拾いドリブル。
エリア内右へと切り込み、切り返しからシュートを放ちましたがGK小澤がキャッチ。
カウンター一閃とはならず、以降は双方シュートは無く前半を終えます。

鳥取がかつてJ2を経験したクラブ、というのも遠い記憶になってきたような近年。
2010年にJリーグ参入を果たし、J2入りを果たしたものの、上昇機運に乗る事無く低迷。
そして2013年に降格が決定し、翌年新たに作られたJ3リーグに初年度から参加する事となって以降、一度も昇格出来ずに現在に至ります。

選手生活の晩年を鳥取で過ごした岡野雅行氏が、引退後もフロント入りし(現職は代表取締役GMとの事)、その悪戦苦闘ぶりが目を惹くクラブ。
今も在籍する助っ人・フェルナンジーニョ(今季限りで引退との事)の存在しかり、義理人情による人事が横柄しているのも、クラブの地盤の不安定さ故仕方が無いでしょう。
最も惜しかったのは2018年シーズンで、昇格まで後一歩という3位。
しかしそのシーズンも監督交代があったり(森岡隆三氏→須藤大輔氏)、レオナルド(現浦和)の得点王に輝く活躍があったりと安定性には疑問符が付くようでした。
現在の監督はユースで監督を務めていた高木理己氏との事で、継続性ある人事でクラブの基礎を固めようとしている節が窺えます。
前年の成績(7位)を経て、今季はその成果の結集である昇格を掴む事はなるでしょうか。

前半攻めながらも得点出来なかった長野、ハーフタイムに東→藤森へと交代。
フォーメーションもオーソドックスな4-4-2へと移行したようで、後半に勝負を挑みます。
その意気込みを示したのか、開始のキックオフではいきなり藤山がドリブルで前進して攻撃という、現代ではレア物のようなシーンが。
しかもその攻撃(おまけにドリブルの最中に味方の三田と交錯)が、右サイドから吉村クロス→ファーで吉田折り返す→藤森ポストプレイ→藤山シュート(ブロック)とフィニッシュまで繋がりました。

意表を突くのに成功したかと思えば、敵陣深めでスローインを得ると、投入された藤森によるロングスローを加えての攻撃。
しかも藤森のスローはエリア内中央まで伸びる力量で、4分には誰も触れず中央でバウンドしたボールを浦上が合わせにいく(触れず)という場面も見られました。

いきなり度肝を抜かされるような入りとなった鳥取ですが、6分に敵陣で新井泰がボール奪取してショートカウンター。
吉村から受けた大久保が持ち上がり、エリアライン上辺りからシュートしましたが、ゴール上へと外れ。
以前として戦局が長野有利な中、このショートカウンターに活路を見出している節がありました。(11分にも敵陣で吉村カットから攻撃もシュートまではいけず)

9分の長野、コーナーキックからの二次攻撃で右サイドから喜岡がグラウンダーでクロス、ニアサイドで三田が合わせてシュートしますがGK田尻がセーブ。
依然として好機は作るも点は生まれない流れで、それを打開せんとベンチも相手より早めに動きます。
16分には佐相→遠藤に交代すると、遠藤は左SBなので、水谷左SB→左サイドハーフ・藤森左SH→FWと配置転換。
以降はイーブンの戦局となり、双方チャンスを作る展開に。
そのまま飲水タイムへと入り(23分)、明ける際の25分に鳥取は大久保→田口へと交代。
その後長野も再度交代し、今度は三田・吉村→岡・妹尾と2枚替え。(28分)
再び配置も大きく変わり、遠藤左SB→右SB・水谷左SH→左SB・藤森FW→右SHとシフトし、岡がFW・妹尾が左SHとなります。

双方交代を経て、妹尾が積極的に仕掛けるシーンが目立った、長野にペースの針が振れます。
33分には妹尾の左からのクロスからCKを得ると、キッカー岩沼のニアサイドへのクロスを吉田が頭で合わせますが枠外に。
34分には吉田が左サイドを抜け出し、エリア内左からマイナスのクロス。
クリアされたボールが繋がり、妹尾がミドルシュートを放ちますがブロックに阻まれます。

そして35分、長野が最後のカードを切り喜岡→広瀬へ交代。
すると堰を切った鳥取サイドは36分に3枚替えを敢行します。
小牧・坂井・新井泰→上松・フェルナンジーニョ・新井光へと交代。

試合も終盤に突入し、最後は精神力、という感じで双方好機を作ります。
40分の長野は藤山のパスカットから、左サイド手前から上がった遠藤のクロスがクリアされたのち、妹尾がシュートしますがゴール右へと外れ。
42分の鳥取は相手のロングボールを跳ね返したのち敵陣でパスワーク、新井光の左サイドへ流れてからのパスを受けた魚里からクロス、これを田口がヘディングシュートしますがゴール上へと外れ。

そしてスコアレスのままアディショナルタイムへ入り、再び藤森のロングスローで攻める長野。
エリア内へと投げられたボールに吉田が跳ぶもクリアされ、藤山が右へと繋いで再び藤森がクロスを入れます。
そしてファーサイドで広瀬が倒れながらも足で折り返し、岡が体勢を崩しながらシュート。
ボールはゴールへ転がるものの力無く、寸前で鳥取・石井がクリアしてゴールならず。

そして最後は決定機を間一髪防いだ鳥取に運気が。
魚里が左サイドを突破したのちもパスを繋ぎ、最初のクロスこそクリアされますが可児が繋ぎ、再び左で魚里が受け今度は奥まで切り込んでからクロス。
これを中央で新井光がヘディングシュート、長野・妹尾がブロックしたものの、跳ね返りを新井光が拾って再びシュート。
ドラマティックなゴールとなり、鳥取にとっては苦しかった試合をモノにする先制点。

ラストワンプレーで長野はロングボールを前線へ送るも、クリアされて試合終了の笛が。
鳥取が大きな勝利を得ると共に、他会場(吹田スタジアム)で勝利を挙げた秋田のJ2昇格・J3優勝も確定する事となりました。

そして尚も混沌とする残る一枠の昇格争い。
長野の2位は変わらずも、勝ち点は49のまま。
勝ち点47に鳥取と相模原、46に岐阜・熊本・今治が位置するというカオスな状況となりました。
残り6試合で何処が滑り込むのか、行方は誰にも分らなくなってきました。

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DAZN観戦 2020年J2リーグ第34節 アルビレックス新潟vsジェフユナイテッド千葉

2020-11-18 16:42:57 | サッカー視聴記(2020年以前)

※前回の新潟の記事はこちら(31節・山形戦)
※前回の千葉の記事はこちら(28節・金沢戦)

堅守がベースの戦い、とは程遠い内容を強いられている最近の千葉。
前々節・山形戦では再びの大惨敗(1-5、25節・水戸戦と同じスコア)を演じてしまい、何が正解なのか混迷を極めているようなチーム状況に見えてきます。
スタメンを7人入れ替えて挑んだ前節(松本戦)は、撃ち合いに持ち込まれつつも何とか3-2で勝利。
とりあえず結果が出たという事で、この日は入れ替えは1人のみ(工藤→船山)に落ち着いたスタメン。

今季の低迷故に序列が入れ替わるのは何度目かという感じですが、32節時点で最も出場が多かった(GK新井章太を除く)チャンミンギュがベンチへと降格したのが目立った動きでしょうか。(この日で出場時間は安田が逆転)
堅守を構築したとは言い難い成績・内容を描いている今季の千葉、それでも出続けているのは監督・尹晶煥(ユンジョンファン)氏の同胞だからかと疑ったりもしましたが、ここに来て両断。
新井一耀と鳥海のセンターバックコンビでこの日も挑みました。

試合が始まり、千葉がロングボール攻勢で好機を作る入りを描きますが、すぐに形勢逆転。
ポゼッションの新潟と、じっくり守る千葉という構図に落ち着きます。

ただこの日の前半は、ボランチが降りてのビルドアップは殆ど見られず。
ボックス型での組み立てを主に置きましたが、2トップの千葉相手には悪手だったかと思います。
10分頃から主導権を握り攻勢に出た新潟ですが、好機は中盤~敵陣でのボール奪取・こぼれ球を拾ってからだったり、セットプレーが主。
シュートは前半20分、左コーナーキックからキッカー高木ファーサイドへクロス→マウロ折り返し→田上シュート(ブロック)の場面のみに終わり、ボールは握るも消化不良のまま飲水タイムへ。

ブレイク間に修正を図りたい所ですが、明けた後の新潟はさらに組み立てられなくなり、攻撃機会が激減してしまいます。
攻撃的サッカーの名倒れという内容でしたが、現在の新潟は昇格に向けてまさに崖っぷちの状況。
夏場の精力的な補強を経て、負けないサッカーへと舵を切るなど、結果に拘るような振る舞いを見せてきました。
過去3試合は相手に支配率で上回られる中で2勝1分と結果を出しましたが、いずれも相手はボールを握るサッカーを展開するチーム(山形・北九州・磐田)。
その影響か、この日久々に「ボール支配に拘らないチーム」と当たった事で、持ち味を忘れてしまったかのように映った前半の新潟のサッカー。
特にサイド攻撃が冴えず、最近の特徴であるサイドバックの「偽SB」的な動きも打開には至りません。

行き詰まる新潟を尻目に先制点を奪いたい千葉。
32分、ゲリアのドリブルから右サイドでパスワークを経て、堀米勇輝が左へサイドチェンジの後安田から低いクロス。
エリア内でアラン・ピニェイロとクレーベが合わせにいくも、両者とも触れずモノに出来ません。
その後新潟にセットプレー攻勢を許すもシュートは許さず。
しかし千葉側の攻撃も良い流れとは言えず、結局スコアが動かないまま前半終了となります。

後半開始を迎え、新潟はようやく手当て。
2列目の右と左のサイドハーフを入れ替え、本間が右・堀米悠斗が左に。
それに呼応させるかのように、以降はボランチ(島田)が最終ラインに降りる「丁の字型」でのビルドアップが主となります。

しかし好機が目立ったのは千葉の方。
後半2分、高目での田口のパスカットから、堀米勇のエリア内へのパスに走り込んだクレーベがシュート。(GK藤田セーブ)
直後のCKでもクロスがクリアされたボールを、ダイレクトで高橋がミドルシュート(ゴール上へ外れる)と、もう少しでゴールという場面を作っていきます。

流れを変えたい新潟、8分の左CKでは本間のショートコーナーを受けた中島が、カットインから直接ミドルシュートを狙う(ゴール左へ外れる)という変化を見せます。
しかしその奮闘も実らず、直後の9分に船山のドリブルからのこぼれ球を再度拾った船山に対し、舞行龍ジェームズが倒してしまい反則・警告。
これでフリーキックを得た千葉、左ハーフレーン・エリアからやや手前という位置からキッカー堀米勇のクロスが入り、上空へこぼれたボールをゲリアがヘッドで落として混戦に。
そして新井一のポストプレイから、アランが後方からシュートを放つと、狙いすましたようにゴール右上に突き刺さります。

新潟が乗り切れないうちに先制に成功した千葉。
以降もカウンター気味に好機を作っていき、15分にはクレーベがパスカットから直ぐさまスルーパス、これにアランが抜け出してエリア内右へ進入。
GKと一対一の状態でシュートを放ちますが、ここはGK藤田が左足でビッグセーブ。

反撃したい新潟、14分に堀米悠→矢村へと交代し2トップへとシフトします。
それでも依然としてサイド突破はままならず、逆にターゲットとなるべき鄭大世(チョンテセ)がサイドに開いて受けないとクロスまで辿り着けない、というチグハグぶり。
そんな中でもとにかく勝利が欲しい状況、強引にチャンスを作っていきます。
23分、中盤でのパスワークから中島が左サイドへスルーパス、これに鄭が走り込んで受けます。
そしてエリア内左からマイナスのクロス、本間が受けたのちシュートを放つも、ブロックされて実らず。

リズムが生まれなければ、必然としてミスも多くなるもので25分に再び大ピンチ。
舞行龍の後ろ向きでのトラップが大きくなると、クレーベにボールを奪われて再びGKとの一対一に持ち込まれます。
しかし前に出たGK藤田が、シュートされる前にブロックして何とか凌ぎました。

飲水タイムを挟み、依然として厳しい状況の新潟。
32分にベンチも動き、高木・早川→大本・荻原へと2枚替えを敢行。
そして右ウイングバックに大本・左WBに荻原という3バック(3-4-1-2)へとシフトします。(田上が左CBにシフトし、マウロ右CB・舞行龍中央CB)
掴む事が出来ない好循環に、フォーメーション変更で辿り着かんと試みます。

しかしその直後(33分)、再び裏抜けで千葉に好機が。
クレーベのスルーパスに抜け出した船山、エリア内右からシュートを放つも枠外に。
ホッとしたのも束の間で、36分にもカウンターを仕掛ける千葉。
米倉のスルーパスにクレーベが抜け出して受け、エリア外へと飛び出すGK藤田をかわし、悠々と無人のゴールにシュートを蹴り込み。
新潟のダメージ的にも大きすぎる追加点となりました。

その後も、鄭がクロスを上げるという構造的欠陥を中々変えられない新潟。(40分に、後半だけで5本目の鄭のクロスが入る)
千葉サイドは37分の3枚替え(船山・アラン・高橋→川又・見木・熊谷アンドリュー)を経て、41分にクレーベ→チャンミンギュへと交代。
3バック(実質5バック)へのシフトという、解り易い逃げ切り体制へと移行し、座して死を……という状態を突きつけられる新潟。

それを打ち破らんとしたのが、左サイドの荻原。
投入後殆ど目立つ場面が無かった彼が、以降突如としてチャンスに絡み出します。
42分中島が右サイド奥へとロングパスを出し、受けた本間からクロスが上がると、ファーサイドで捉えたのは荻原。
強烈なヘディングシュートがゴールを襲いますが、惜しくもゴールポストを直撃して得点はなりません。
しかしこれで遅まきながら反撃の狼煙が上がり、シュートまで繋げる攻撃に持っていく新潟。

44分、FKからのクロスが跳ね返され、荻原がヘッドで繋いだのち左サイドから田中(中島と交代で出場・43分)がクロス。
これもクリアされますが、跳ね返りを本間がボレーシュート。(ジャストミートせず枠外)
アディショナルタイムに入り、本間のパスを受けた荻原が左からカットイン、そしてエリア手前からシュート。(GK新井章キャッチ)
可能性ある攻撃を仕掛けていくものの、時間が決定的に足りず。
以降はロングボール攻勢で必死にゴールを狙うものの、最後まで得点を奪う事はありませんでした。
0-2のまま試合終了の笛が鳴り、千葉にとっては6試合ぶりの完封勝利というベストの結果。

これで今季7敗目となった新潟、敗戦数こそ3番目に少ない数字ですが、逆に引き分けの多さが仇となる状況に追い込まれました。
昇格圏とは勝ち点15の差と非現実的となってきた中で、当初の理念とズレが生じつつある現状のサッカーとどう向き合うのか、という問題も襲い掛かるでしょう。
グラウンド外での問題にも襲われた今季ですが、落とし所は何処になるか。

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DAZN観戦 2020年J2リーグ第34節 V・ファーレン長崎vsFC琉球

2020-11-17 19:45:33 | サッカー視聴記(2020年以前)

※前回の長崎の記事はこちら(29節・大宮戦)
※前回の琉球の記事はこちら(29節・京都戦)

3チームに絞られつつある昇格争い。
その中の1クラブである長崎ですが、立ち位置は徳島・福岡の後塵を拝する3位。
何としても順位を上げなければ、という思いがパンドラの扉を開けてしまったのか。

第3の移籍期間も最終盤にして、マリノスに在籍するエジガル・ジュニオをレンタルながら獲得に踏み切ります。
とは言っても、前年にもJ1の鳥栖からビクトル・イバルボを獲得した「前科」があるので、昇格に向けた当然の動きではあるのですが。
完全移籍で今季も籍を置くイバルボですが故障がちでスーパーサブの域を出ず、稼働率も低目。
反対にエジガルは、イバルボ同様に故障が目立つ選手なのですが、万全の状態ならばしっかりスタメンで働ける選手。
しかし今季のマリノスは、それ以上にジュニオール・サントスが点取り屋として大活躍を見せており、立ち位置も微妙になりつつあった所でJ2へとやって来ました。

早速30節・水戸戦から戦力に加わったエジガル、J1でも上位を狙えるチームに在籍していた選手、J2でその力は圧倒的。
4試合で4ゴールと、あっという間にイバルボの得点数(3点)を上回り、それに合わせるようにチームも得点力が爆上げとなり4連勝を果たします。
まさに悪魔に手を染めたという感じの長崎ですが、果たしてこの日も勝って5連戦5連勝とはなるか。

エジガル獲得で得点力は上がったものの、それと入れ替わるかのようにサイドバックの亀川が故障離脱。(前回自分は軽症かも、と言ったもののそんな事は無かったようで)
その影響は甚大なのか、SBを絡めたサイド突破はあまり見られなくなり、2列目のMF3人のコンビネーションで攻め上がる場面がこの日は目立ちました。
5試合目という事で流石にエジガルへの警戒も厳しくなり、後方からロングパス・縦パスをエジガルに入れても、琉球のセンターバックである李栄直(リヨンジ)・福井の厳しいチェックで思うように繋げられず。

そんな長崎を尻目に、攻撃の形を作っていく琉球。
ポゼッションスタイルが基盤の琉球ですが、この日は序盤から縦に速い攻撃を見せていきます。
ハーフレーンを使った縦パス攻勢は前回良く観た光景ですが、それに加えてロングパスを多用したり、サイドにボールを送るとアーリークロスを何度も入れるなどといった振る舞い。

前半12分、李のパスを受けた右SB・田中(9番・11番が最終ラインに居る琉球の布陣も、最近は違和感無く)は手前から低いクロス。
これがエリア手前を突くボールとなり、阿部のポストプレイから河合の戻しを経て上里がミドルシュート。(ゴール上へと外れる)
この場面のような、いつものサッカーからの変化を付けつつ、ペースを握っていきます。

20分、下がり目で受けた小泉が裏へスルーパス、走り込んだ河合が受けてエリア内に入ってシュート。
これをGK高木和がセーブ、その後左サイドで阿部が拾って組み立て直し、小泉からの縦パスを受けた阿部がシュート。
しかしまたもGK高木和のセーブに阻まれます。
ここからコーナーキック攻勢となり長崎を押し込むものの、ゴールは割れず。
またCKでも、キッカーは上里・小泉・風間宏矢と一定させず(ショートコーナーで阿部が蹴った時もあった)、これも一種の変化に。

琉球ペースで進行したものの、飲水タイムを挟んだ28分の長崎の攻撃。
左サイドから秋野が中央へ縦パスを送り、エジガルのポストプレイを受けた氣田がエリア内に進入。
ディフェンスに遭ったこぼれ球をエジガルがシュートしゴールを襲いますが、GK田口がナイスセーブ。
これで目が覚めたのか、32分・35分にもシュートを狙う場面を見せたエジガル。(いずれもジャストミートせず)
37分にはフレイレの裏へのミドルパスを受けた江川が左サイド奥からクロスと、SBによるサイド攻撃がようやく見られ、ファーサイドで名倉がワントラップからシュート。(ブロック)

しかし終盤の42分、琉球は福井縦パス→阿部ポストプレイ→風間宏矢エリア内へスルーパス→河合走り込みと流れる攻撃を仕掛け、河合がエリア手前で長崎・鹿山に倒されて反則。(鹿山に警告)
これで得た直接フリーキック、絶好の位置で上里が直接狙うも、ゴール中央上部を襲ったボールはGK高木和がセーブ。
CKとなったのを切欠に、尚もセットプレー攻勢を仕掛ける琉球でしたが、結局0-0のまま折り返します。

負けられない長崎は、ハーフタイムで玉田→大竹へと交代。(名倉が右サイドハーフ→トップ下へ)
後半立ち上がり、ロングボールによる主導権争いののち、ペースを握ったのは長崎。
前半の終わり際から2列目の選手がエリア内に進入する攻撃を仕掛けるも、そこで対応されて結局シュートを撃てない場面が目立ちます。
そんな展開に痺れを切らしたのか、後半6分にはCBのフレイレが自らドリブルでエリア内まで進入します。
しかしここも李のディフェンスで倒され笛は吹かれずと、消化不良に終わり。
16分にようやく、大竹縦パス→エジガルポストプレイ→氣田ドリブルという良い形から、氣田がエリアライン上辺りでシュートを放つもGK田口のセーブに阻まれます。

上位相手に勝利する事で存在感を示すという思いでこの試合に臨んだ、琉球・樋口靖洋監督。
その通りに勝利のためならば、というような変化を自分達のサッカーに与えてきた前半。
相手の長崎も勝たなければならない状況で、勝利に向けての意地のぶつかり合い、両者一歩も譲らない展開を描いてきました。

しかし後半に入り明らかに押され気味となった琉球。
13分に風間宏矢のミドルシュートが生まれる(GK高木和セーブ)も、依然として苦しい状況の中でベンチが動き、更なる変化を与えていく事となります。

18分、3試合ぶりのスタメン(欠場の原因は不明)であった阿部を諦め、池田と交代。
ここからプレスが嵌るようになり、中盤でのボールカットから好機を作っていきます。
20分には田中のパスカットからボールを繋ぎ、河合がペナルティアーク内からシュート。(ブロック)
さらに直後のCKでは、この日初めて市丸がキッカーを務める変化も。
ここでは市丸のファーサイドへのクロスに沼田が合わせるも、ジャストミートせず。

急速にペースを失った長崎、溜まらず21分に2枚替え。
エジガルと名倉に代え、イバルボと澤田を交代。
試合後の手倉森誠監督の談で、「名倉は疲労を考慮して変えた」とあった通り、連戦の最終戦故疲労度もピークに。
最近の自慢となっていた得点力という要素もあり、ここまでで1点も取れなかったのは誤算だったのでは無いでしょうか。

琉球のターンが続く中、迎えた24分。
上里の縦パスから、左サイドへ展開された後もパスを繋ぎ、上里がクロス。
クリアされるも田中が拾って繋ぎ、小泉がエリア右角の位置で、池田とパス交換ののち池田を走らせるスルーパス。
池田がゴールライン際からマイナスのクロスを入れると、待ち受けていた河合がシュート。
見事にネットを揺らし、ついに均衡が破れたと同時に飲水タイムへ。

残り時間は20分弱と、守りに入るにはまだ早い段階で、尚も攻勢を続ける琉球。
2点目を狙わんと、ロングパス主体に長崎陣内を脅かしに行きます。
しかし得点が奪えずにいると、クールダウンに入ったのか、33分にはポゼッション重視のパスワークに落ち着きます。(一旦敵陣左サイドでボールを持つも、最終ラインまで戻す)

それに付け込み、ペースを奪い返し反撃の狼煙を上げる長崎。(34分に氣田→富樫へと交代・2トップにシフト?)
38分、カイオの縦パスから大竹がポストプレイで前へ送ると、イバルボを経て澤田がエリア内に突撃。
ここでも2列目の選手がエリア内に進入という形となりましたが、琉球・福井のディフェンスで倒されてシュートは撃てず、笛も鳴らず。
この場面で3度目という、エリア内で倒れるシーンとなった事で長崎サイドはヒートアップ、主審に抗議する選手達。

直後の40分、その怒りにも似た気持ちがプレーに表れる事に。
左右からクロスの応酬も中央には合わず、右サイドで鹿山から3度目のクロスが低く入ると、イバルボがトラップの後リフティング気味に収めます。
そして乱戦を経て、GKの目の前でイバルボがシュートを放つもGK田口がセーブ。
尚も詰めにいった結果、イバルボの振った足が田口の顔面に入ってしまい反則、好機を逃す結果となりました。
プレー後もイバルボは興奮気味(それ以上にフレイレもだったか?)で、冷静さを欠いていたのは明らかでしょう。(カードを貰わなかっただけマシか)

田口の治療の時を経て試合は再開、そのままアディショナルタイムへと突入すると、長崎は流れを失ったかのように琉球の攻撃ターンに。
そして風間宏希(上里と交代で出場・43分)の縦パスが池田に入ると、トラップしたボールがスライディングした長崎・フレイレの手に当たりハンド。
エリアすぐ手前でのFKとなってしまい、失点危機のみならず、時間も大幅に使われてしまう事となりました。
このFKは風間宏希が直接シュート、壁に当たって左CKとなり、琉球サイドは着実に時計の針を進めていきます。

その後、自陣でのカットから風間宏希が超ロングシュートを狙う場面もあったりと、踏んだり蹴ったりの長崎を尻目に悠々と逃げ切り。
試合終了の笛が鳴り響き、琉球がウノゼロで勝利を果たしました。

5連勝はならなかった長崎。
それでも4勝1敗は上々の成績といえるでしょうが、それもライバルと相対的に見れば物足りず。
福岡は3勝2敗(その前の5連戦は4勝1分)、徳島に至っては長崎が為しえなかった5戦全勝と、たとえ好調でも差を詰められなければ昇格は果たせないのは明白。
追う者と追われる者、今後辛さが現れるのは果たしてどちらになるでしょうか。

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