ジュノ・ミッション、エウロパで酸素の生産を測定
<前書き>: 木星探査衛星ジュノからの記事を続けて掲載しています。
氷で覆われたこの木星の衛星エウロパは、24時間ごとに 1,000 トンの酸素を生成しており、これは 100 万人の人間が1日呼吸するのに十分な量である。
NASAの木星探査機「ジュノ」の科学者達は、木星の衛星エウロパで生成される酸素の割合は、これまでの研究よりも大幅に少ないと計算した。3月4日付けで Nature Astronomy 誌に掲載されたこの研究の成果は、探査機の JADE (木星オーロラ分布実験)装置で収集したデータを使って、この氷の月の表面から放出される水素を測定することによって得られた。
論文の著者達は、毎秒約12キログラムの酸素が生成されると推定している。以前の推定値は、毎秒 1,000 キログラム以上であった。科学者達は、この方法で生成された酸素の一部が、代謝エネルギー源として月の地下の海に流れ込む可能性があると考えている。
赤道の直径が 3,100 キロメートルのエウロパは、木星の95個の既知の衛星の中で4番目に大きく、四つのガリレオ衛星の中で最も小さい。科学者達は、その氷の地殻の下には塩分を含んだ水の広大な内部の海が潜んでいると考えており、水面下に存在する生命維持条件の可能性に関心を持っている。
この図は、木星からの荷電粒子がエウロパの表面に衝突し、凍った水分子を酸素分子と水素分子に分裂させている様子を示している。科学者達は、これらの新しく生成された酸素ガスの一部が、挿入図に描かれているように、月の地下の海に向かって移動する可能性があると考えている。
<ひとこと>: 大判はイメージのリンクから。
ガリレオ衛星(1989年打上)による木星に関する探査の概要は 「ガリレオ記念記録」 から。
<出典>: NASA Science Editorial Team
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