水の月、水の星 ―水から宇宙を考える(国立天文台)
星間空間にありふれている水は、太陽系形成の過程で地球にもたらされました。45億年前、成長していく原始地球は、微惑星(星間ダストが集積した、惑星の“種”となる数キロメートルサイズの天体)や周囲に残っていた星間ガスを集めて、その中の水も取り込んでいきました。さらに、その後も数多く地球に降り注いだ小天体が、水の運び手になったと考えられます。水を多く含んでいる太陽系の天体として思い浮かぶのは、太陽系外縁の冷たい領域からやって来る彗星(すいせい)でしょう。水や二酸化炭素などの揮発性ガスの氷をふんだんに含み「汚れた雪玉」と表現されることもある天体です。他方、小惑星は主に岩石が集積した天体ですが、その鉱物には水と反応した形跡があり、化合物(水和物)として若干の水を今もとどめていることが、例えば小惑星リュウグウの試料でも分析されています。余談ですが、小惑星探査機「はやぶさ2」の搭載機器開発に、実は国立天文台も参加していました。
どのような天体が、どれだけ、地球を潤している水を運んだのでしょうか。太陽系の初期に天体が作られた場所によって、温度や化学的環境に差異があったことから、もたらされる水の性質に相違がある可能性があります。具体的には、水素の同位体(重水素)を含む比率を調べることで、それぞれの天体がもたらす水が、地球の水に似ているかどうかを判別することができます。太陽系の始原的な物質を保存している小惑星や彗星への関心は高まっており、直接探査が近年大きく進展しています。
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<ひとこと>: 大判イメージを含む続きは以下のリンクから。イメージは、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が、太陽系外惑星「WASP-96 b」の大気中にとらえた水蒸気の徴。
<出典>: 国立天文台
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<お知らせ>: 僅か31年前の1992年に初めて発見された太陽系外惑星の数が、その後の発見手法の開発や、それに専念する宇宙船の打上などによって急速に伸び、最近遂に5500を超えました。下表「宇宙科学の話題」から。
なお、系外惑星には木星型の巨大なものや、数は少ないが地球型の岩石惑星など、様々な形のものが含まれています。
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