雨の中を歩いて、少しひと休みしたい気持ちになった時、時雨亭という所に出てきた。
カッパを脱ぎ、案内される。
青い毛氈の上に座ると
お菓子が出てくる。
桃のお菓子であろう。
目で味わい口で味わうのであろうが、この部分を切りに行くのは勇気がいる。
が、いたしかたない。
庭園内を歩いてきたので、一口で食べられるが3回に分けて上品に味わった。
抹茶である。
我が地方ではめったに飲めない物である。
甘くも無く、熱くも冷たくも無く、渋くも無い。
早い話が美味しい物ではなかった。
飲み終えてから、部屋から庭を眺めしばし休憩をする。
大粒の雨が落ちているのが分かるであろうか。
天井が低く、建具も6尺は無い。
時雨亭を出て出口に向かう。
途中の池の中の小島にサギがいた。動かないようではあるが少しずつは動いていて置物ではなく本物であることを確認した。
大粒の雨は降り続く。