聖痕 筒井 康隆

朝日新聞に連載された小説。
主人公 葉月貴夫は、五歳の時、その美しさゆえ暴漢から性器を奪われてしまう。
祖父、祖母、父、母ら家族は彼の欠落を世間から隠そうと転宅するなど苦慮する。
欲望や美を感じない体質となり、唯一興味を持った食と料理を学ぶため東大農学部で、食品化学を学ぶ。
ある事情で男嫌いになった、夏子と結婚。母佐和子の生んだ娘を瑠璃と名づけ育てる。銀座にレストランを開業する。
あまりの酷い話の展開に、驚きながら読み進める。
彼の家が裕福でなかったら、世間の目にさらされ、噂されこんなに順調に育たなかったと思う。
食に興味を持ったのも、祖父が一流レストランや、料亭に度々連れて行き舌を肥えさせてくれたから。 本人のセンスもあったと思うが、、、。
文中、普段使わない言葉や言い回し、枕言葉、漢字、が出てくる。
だいたいの意味は、前後の文章と、漢字で意味が推測できたが後ろに注釈が書いてある。
筒井さんの本は初めてだが、読みやすかった。