ウエスティに猫な日々

日々の料理と外食、趣味の熱帯魚と読んだ本の感想と我が家の犬と猫の話。
ほか、日々のちよっとした独り言。

「 ウツボカズラの甘い息 」 柚木裕子

2020-10-24 19:07:20 | 
          「 ウツボカズラの甘い息 」  柚木 裕子

              

「 こんな私にしたのは誰――? 平凡な主婦が堕ちていく狂気の罠。戦慄の犯罪小説。10万部突破!」こんな新聞広告の見出しに惹かれ、図書館で借りてきました。
461頁。 久し振りの長編で、読めるかな?と手に取りましたが、読みやすく、刑事ものが好きなので、一気に読みました。
~~~~~ネタバレ
主婦の高村文絵の日常から始り、鎌倉で起きた殺人事件を追う秦刑事と女性の中川刑事の捜査状況が交互に描かれ、途中で話がつながっていく。

文絵は結婚して、気づいたら夫は束縛が強く、子供は聞き分けがなく、食べることに逃げて昔の面影はなし。
そこに現れた中学時代の同級生に誘われ、化粧品の販売促進の仕事に携わり高給と美貌を取り戻す。
カッコいい男性がフォローしてくれ、仕事は順調に進んでいたが、ある時、同級生と男性は姿をくらます。

残された文絵は、代表者として詐欺事件の矢面に。そして男性の死体が見つかり、すべて文絵に不利な条件が揃い、アリバイのない文絵は逮捕される。
一貫して無実を訴える文絵が、頼まれたと言う逃げた謎のサングラスの女を追って捜査は進むが、犯人はいったい誰なのか? 最後は意外な結末が待っている。
~~~~~
文絵が同級生を名乗る女から仕事を斡旋されるが、普通なら、どう見ても怪しいと思うのに、当事者には分からないものなのか。
私の年になると中学の同級生でもわからないだろうが、30代でいくら整形したと言っても声や仕草で分からないはずはないだろうにと疑問。

詐欺もマルチも宗教も出てきて、人々はみな騙される。とかく、騙すほうは頭がよく、人の情に訴え、欲に訴え、手をかえ品をかえ甘い言葉で迫るので、狙われると逃げられない。
文絵は解離性障害を持っていたが、どう関係するのかと思っていたら、子供の事ではすっかり騙され、なので、夫の言動も理解できました。
最後は犯人が分かりましたが、あまりの急展開で、駆け足での説明で終わった感じ。
彼女が、人を騙し、お金を巻き上げ、何人も手にかけ、また自殺に追いやり「 この世は弱肉強食。人を騙し、殺すことに罪悪感を覚えず、世の中すべて金だ 」と言い切り、恐ろしさと哀れを感じました。
文絵のこれからと、秦刑事の奥さんの件がどうなるのか気がかりです。

表紙の絵の顔がないのが不思議でしたが、犯人の顔が最後まで分からなかったからだと納得しました。

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       ありがとうございます。 
コメント
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