ウエスティに猫な日々

日々の料理と外食、趣味の熱帯魚と読んだ本の感想と我が家の犬と猫の話。
ほか、日々のちよっとした独り言。

「 ことばの宝物 」  市原 悦子

2020-10-28 15:00:12 | 
          「 ことばの宝物 」  櫟原 悦子

               

図書館のお薦めコーナーで見かけ借りてきました。「 白髪のうた 」が新聞に載っていたので読んでみたいなと探していましたが、先ににこちらから読むことに。
雑誌「 ゆうゆう 」「 婦人公論 」「 主婦の友 」ほかで、書かれたエッセイをまとめた市原悦子語録です。
市原さんと言えば、特別美人でもなく不美人でもなく、おっとりとした普通のおばさんって感じでした。
子供が小さい頃は「 まんが日本昔話 」を、子供と一緒に楽しみに観ていました。 独特のあの話し方がいまだに耳に残っています。

本を読み終えて、幸せな一生を送られたんだなと感じました。
本の内容は普通の言葉で普通の日常を語っています。
いろいろ苦労もおありだっただろうけれど、女優として仕事に恵まれ、一番は、俳優養成所の同期でのちの演出家・塩見哲さんとの出会いと結婚だったと思います。
子供さんには恵まれなかったけれど、優しくて理解のある御主人と共に、幸せな夫婦生活を送られたご様子。
舞台は拝見したことがないので分かりませんが、テレビの彼女はおっとりした普通の気のいいおばさんでした。

若い頃、顔にコンプレックスを持っていたそうです。
ある監督から「 美人はつまらないよ。美人の女優は顔が変わらないから。でも、普通の顔はすごく変わり得る。
あなたがある瞬間、すごくきれいに見えたり、可愛く見えたりすることが、監督として喜びなんだ 」と言われ、
作家の佐藤愛子さんに「 美人にあらず、不美人にあらず 」と書かれて嬉しかったと書かれていました。
他の女優さんにない個性があって、唯一無二の存在でした。

第7章ー老いるということで、「 若い頃は傲慢でそれ自体罪悪で若さを失って知った。」とか「 自然も人のやさしさもいろんな事がしみてくる」と書かれています。
まさにその通りです。 私も、若い頃は時間的にも経済的にも精神的にも自分のことで精いっぱいで、自分本位で他人を気づかう余裕がありませんでした。
自分が老いて、人生を振り返って、悔やむ事ばかりです。 今は余裕ができ、自然を愛でて、人を思いやることが少しはできているかな。
最後に死について書いていましたが、「 生きているんだから、楽しいことを考えて、のびのび進んでいきたい」『 はい、そうします。』

女優の樹木希林さんの本が出ています。彼女は市原さんと違う意味の、唯一無二の女優さでした。 
存在感があり、私生活も波瀾万丈で、面白い役もシリアスな役も出来、いい女優さんでした。
次は、彼女の本を読んでみようと思います。まだまだ読みたい本がいっぱいで、最近は老いた方の本を読んで共感しています。

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       ありがとうございます。
コメント
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