セルフ・カヴァー・アルバムというと
そのアーティストのファン以外は聴かないとは思いますが
内容が良いのであえてレヴューしてみました。
このアルバムで聴けるのは
初心に帰ったようなシンプルなアコースティック・サウンドで
少しロック寄りに、実験的なサウンドになった
90年以降のSuzanne Vegaの作品の中では
一番耳にフィットしました。
オープニングの「Small Blue Thing」は
1stアルバム当時と雰囲気はあまり変わりませんが
25年を経たSuzanneのヴォーカルは
基本的には変わらないながらも
深みとまろやかさが出て説得力が増しました。
2曲目の「Caramel」(オリジナル)は
96年の5枚目のアルバム『Nine Objects of Desire』に収録。
映画『The Truth About Cats & Dogs』に使われ
最近では映画『Closer』の予告編にも起用されたので
今回のアルバム収録曲の中では
一番ポピュラーな曲ではないかと思います。
ギター一本で歌われるアコースティック・ヴァージョンが
このボサノヴァ・タッチの曲に合わないわけがありません。
ベスト・トラックはこの曲でした。
フォーク調の初期の代表曲「Gypsy」は
うれしいくらい当時と変わらないヴォーカルが聴け
同じく初期の代表曲「Marlene on the Wall」は
オリジナルに比べると少しスローになっていますが
緊張感は保たれています。
01年の7作目『Songs In Red and Gray』は
聴いていなかったのですが
今作に収められている3曲が良かったので
遅ればせながらぜひ聴いてみたいと思います。
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