最近なぜか若いカップルの男性のほうが髪にピン止めをしているという光景によく出会います。なんとなく変な感じなのですが、それでも不思議と似合っているのでまあよいのですが。
ピン止めで反射神経的に思い出したのが、HeavenlyのAmelia Fletcherのお花のピン止めです(やや強引)。
80年代後半の英国のアノラック・バンドTalulah Goshがメンバーの音楽性の不一致が原因で解散し、その少し後になぜかほとんど同じメンバーで結成したのがHeavenlyです。Talulah GoshとHeavenlyはキューティー・ポップの元祖として多くのフォロワーを生んだインディーズ・バンドです。
91年のファースト・アルバム「Heavenly Vs. Satan」では、Talulah Gosh時代のパンキッシュなサウンドとは一転してネオアコでした。「Cool Guitar Boy」というタイトルも素敵な名曲が収録されています。
続く92年のセカンド「Le Jardin De Heavenly」は演奏が少しガチャガチャしているのが気になりますが、泣きメロのオンパレードで個人的には一番好きなアルバムです。「Different Day」などはHeavenlyの曲のうちでも1か2を争う曲だと思いますし、米国のKレコーズ主宰者であるCalvin Johnsonとの異色デュエット「C Is The Heavenly Option」というのも聴けます。
転機になったのは93年のシングル「P.U.N.K. Girl」です。ジャケットもポップですが(このブログのずっと左下にあるプロフィールに使っています)、曲の方も元気でポップです。
その路線をさらに進めたのが95年のサード・アルバム「The Decline And Fall Of Heavenly」です。Heavenlyのアルバムの中では一番地味な感じがしますが、ポップで明るい曲が並んでいて演奏も含めてバンドとして安定してきた時期ではないかと思います。
前置きが長くなりましたがその後の4枚目のアルバムが96年の「Operation Heavenly」です。このアルバム発表の前にAmeliaの弟でドラマーのMatthew Fletcherが自殺してしまいます。スリーヴのデザインを手掛けていたのも彼でした。残念ながらこれがHeavenlyとしてのラスト・アルバムとなってしまいます。
この作品は前作までの流れ以上にパワフルなサウンドになっていて、「Trophy Girlfriend」「K-Klass Kisschase」というオープニングの2曲などはファーストの頃とは全く別バンドのような感があります。「Space Manatee」や「By The Way」のようなポップで元気な曲もあれば、Calvin Johnsonとの2度目の美女と野獣のようなデュエット曲「Pet Monkey」もあります。
収録曲のうち一番の異色曲がSerge Gainsbourg作でFrance Gallのカヴァー「Nous Ne Sommes Pas Des Anges」(天使のためいき)で、Ameliaがフランス語のヴォーカルを披露しています。
この曲は、長い髪をした男の子とパンタロンをはいた女の子という、60年代のユニセックス化を歌ったものです。なんとなく髪にピン止めをした男の子とつながってしまいました。
AmeliaはHeavenlyの後にMarine Researchでアルバムを1枚出して、現在はTender Trapというバンドで活動しています。この2つのバンドの作品は確実にHeavenlyのラスト・アルバムである「Operation Heavenly」の延長線上にあります。
ところでAmelia Fletcherがオックスフォードの経済学士だったというのはTalulah Goshのライナーで読んでいたのですが、OFT(Office of Fair Trading)のチーフ・エコノミストという肩書きもあるようです。少し驚きました。
Trophy Girlfriend ↓
http://www.youtube.com/watch?v=B6SJS7OOZi8
Space Manatee ↓
http://www.youtube.com/watch?v=zwY-BwGMkIY
HeavenlyのMySpace ↓
(2曲目がNous Ne Sommes Pas Des Anges)
http://www.myspace.com/heavenlytheband
France Gall「Nous Ne Sommes Pas Des Anges」 ↓
http://jp.youtube.com/watch?v=7z5YCau6zgo
Tender TrapのMySpace ↓
http://www.myspace.com/tendertrap
Pet MonkeyはCalvin Johnsonの
うめくような低音が印象的ですね。
意外な組み合わせですが
慣れてみると結構好きです。
Nous Ne Sommes Pas Des Angesのカヴァーは
サウンドがパワフルですね。
France Gallのと聴き比べてみて
改めてそう思いました。
このアルバムはカセットを持ってました(^^;)
Pet Monkeyでの美女と野獣っぷりは
美女の方のとまどいが、
歌から感じ取れるようでしたよね(笑)
Nous Ne Sommes Pas Des Angesのカヴァーは
ギターがノリノリで好きでした!
コメントありがとうございます。
HNに見覚えがありました!!
UKインディーズの中でもTalulah GoshとHeavenlyは特別の存在です。
上手ではないのですがインディーズ魂がありますね。
Gregory Websterのソロ作品ではコンピレイションに入っていた
「Winter」という曲が気に入ったのでアルバムを探しましたが
オークションで2度競り負けて、結局そのままになっています。
また答えられそうな質問がありましたら回答します!!
よろしくお願いします。
今回初めてコメントさせていただきます。
UKIndiesを聴かなくなって久しいですが、
「Beatnik Boy」「Bringing Up Baby」
「Cool Guitar Boy」「Shallow」なんて曲名を
思い出すだけで年甲斐もなくドキドキしちゃいます。
Ameliaがコーラス入れてたGregory Websterのソロも大好きでよく聴いたなぁ。