MUSIC IS THE SCENERY

いつも背景には音楽がある。
インディー・ポップ中心の洋楽ブログ。

Anna Domino / This Time

2009-07-05 00:10:04 | この1枚


Anna Dominoの久々の新曲が聴けたところで
まだ書いていなかった過去の作品です。

Anna DominoというとレーベルがCrepusculeだったせいか
当時はオシャレ系アーティストの扱いでしたが
実際は先進的で幅広い音楽性を持ち
歌詞は人間の内面の暗さや深い部分まで描いた
とてもインテリジェントでアーティスティックなアーティストです。

前作「Anna Domino」は初期のシングルが収録されたり
プロデューサーが2人になってしまうなど
全体通して聴くとやや散漫な感じを受けます。

「This Time」は彼女にとって2枚目のフル・アルバムで
ミニ・アルバムを含めると3枚目。87年作品です。
プロデューサーにはFloodを起用。
そのせいか随分とU2と比較されたりしました。

このアルバムでまず最初に驚いたのがジャケット。
それまでのどちらかというと夜を感じさせるダークなイメージから一転して
陽射しを受ける顔、エンゼルフィッシュのイヤリング、左側の花と
どれもが昼の黄色い眩しさで統一されています。
それもどこか妖しさがあります。

サウンドもこれまでになくポップで明るい1曲目「Own Kind」。
歌詞は印象的で、世の中に背を向けながらも伝統や礼儀を大事にし
道徳的な教えを詰め込まれたせいで戸惑っている
自分たち世代のことを歌っています。
We know we can't afford
To lose the past
So full of Moral lessons
We thought would always last
But now so many years
Without a war
We have a generation
A generation rotten to the core
これまでに築いてきたものは
捨てられない
道徳的な教えをいっぱい詰め込まれて
それがいつまでも通用するものと思っていたんだもの
でもそんなにも長く
戦争のない時代が続くと
根まで腐った世代ができてしまうのよね

一般的に人気があるのは、2曲目「Just Once」、
シングル・カットされた「Tempting」(YouTubeはシングルver.)、
ラストのじっくりと歌ってくれる「Lake」。
ジャジーでニューウェイヴで少し神秘的だった
これまでのAnna Dominoに比べると
淡いながらもポップでアコースティックな面が強調されています。

04年にLTMから再発された時は驚きましたが
ジャケットは変えないでほしかった。

このアルバムを聴いた後に
88年のミニ・アルバム「Colouring in the Edge and the Outline」を聴くと
90年のサード・アルバム「Mysteries of America」で
よりアコースティックな方向へ行った流れが何となくうなずけます。

「Own Kind」(30秒だけ)↓
http://www.lastfm.jp/music/Anna+Domino/_/Own+Kind?autostart
「Just Once」↓
http://www.youtube.com/watch?v=xA9alaKYL_o
「Tempting」↓
http://www.youtube.com/watch?v=EX0lxRFqIPI
「Lake」↓
http://www.youtube.com/watch?v=Zd1K_7KObsE


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