本日は舞台「クロードと一緒に」Blancチームが初日を迎えました。
おめでとうございます。
後半数十分の独白は観ている者全てを驚愕させ、心を乱します。
それは初演でイーヴを演じた相馬圭祐さん、稲葉友さんの時も同じでした。
相馬さんの何をしでかすか分からない、危うい瞳の中で揺らめく愛を知った時の喜びと戸惑い。
稲葉友さんの若くて恋人だけが愛おしく、それ故に体中から噴き出す苛烈な感情に自分さえも切り裂かれてしまう姿。
人を殺めると言うのは正気の沙汰ではない。
そう言う所の心情を、イーヴを演じる方々は皆ご自分の中で葛藤し格闘しながら理解し観客の前に立ってくれて来たと思います。
イーヴを演じるのは三度目の松田凌さんは毎回イーヴと真っ向から向き合い、挑んでくれています。
このブログでは途中までとなってしまった(アタシが倒れてしまったため)「クロードと一緒に」の朗読劇の時も、ただ立って本を読んでいるなどと言うのとはまったく違うアプローチで、観客の胸に深く焼き付いて離れない”彼”を演じてくれました。
本を読んでいるのですが、本をギュッと胸に抱いて涙を流しながら「あの人を愛している」と言うんです。
松田さんがどんな役作りをされているのかは分かりませんが、アタシはあの時の姿が忘れられず「ああ、またこの人はこの役をやるかもしれない。」と思ったのです。
横浜赤レンガ倉庫で上演されている今回のクロードでも、松田さんはかなりコアに役に入っています。
あんなに細くて華奢な体のどこに、あれだけの熱を抱え持ってそれを放出出来るパワーがあるのかと驚愕します。
きっとかなり終演後は疲労されていると思うのですが、松田イーヴが連れて行ってくれる所はアタシ達が今まで行った事のない場所です。
今までのどの「クロードと一緒に」でも行けなかった所です。
とても新しい事をしていると感じます。
とても”彼”と接近します。身体的にも精神的にも。
イーヴと共にイーヴが渡って来た夜を迷い、あの夜までを追体験するようです。
そうするうちに、イーヴがどれ程大切な物を失ったのかが分かるのです。
「観客は芝居の物語を旅する仲間。時には一緒に辛い思いもする。」
いつか演出家の方がそう仰っていました。まさに今、こんな感じなのかなぁと思います。
「絶望の果てに行ってしまった彼を引き戻したくて、彼の勇気をたたえたくて、毎回袖中で彼を抱きしめた。二人して泣いた。」
初演でギイ役を演じた役者さん、井上裕朗さんが当時ご自身のブログに書いた言葉です。
きっと松田さんの事もそうしてくれる方が居るとアタシは思っています。
イギリスのオアシスと言うバンドの「Wonderwall」と言う曲は、メンバーのギャラガー兄弟が小さな頃父親の暴力から逃げるため、母親が自分たちを連れて家を出た夜の事を歌っているんだそうです。
母親の事が自分達を守るwonderwall、不思議な壁の様に思えた、と。
”僕らが行く道は常に険しくて
僕らを照らす明かりはいつも光を失っていて
言いたい事は山ほどあるけれど
あなたに伝えたい事はたくさんあるけれど
どうやって伝えたらいいのか分からないんだ
だって、多分さ
あなたは僕を救うただ一人の大切な人なんだよ
結局のところ
あなたは僕のワンダーウォールだったんだ”
イーヴの気持ちが何となく見えて来る様な気がして。
イーヴと彼の最愛のクロードのことが。
Oasis Wonderwall Lyrics
おめでとうございます。
後半数十分の独白は観ている者全てを驚愕させ、心を乱します。
それは初演でイーヴを演じた相馬圭祐さん、稲葉友さんの時も同じでした。
相馬さんの何をしでかすか分からない、危うい瞳の中で揺らめく愛を知った時の喜びと戸惑い。
稲葉友さんの若くて恋人だけが愛おしく、それ故に体中から噴き出す苛烈な感情に自分さえも切り裂かれてしまう姿。
人を殺めると言うのは正気の沙汰ではない。
そう言う所の心情を、イーヴを演じる方々は皆ご自分の中で葛藤し格闘しながら理解し観客の前に立ってくれて来たと思います。
イーヴを演じるのは三度目の松田凌さんは毎回イーヴと真っ向から向き合い、挑んでくれています。
このブログでは途中までとなってしまった(アタシが倒れてしまったため)「クロードと一緒に」の朗読劇の時も、ただ立って本を読んでいるなどと言うのとはまったく違うアプローチで、観客の胸に深く焼き付いて離れない”彼”を演じてくれました。
本を読んでいるのですが、本をギュッと胸に抱いて涙を流しながら「あの人を愛している」と言うんです。
松田さんがどんな役作りをされているのかは分かりませんが、アタシはあの時の姿が忘れられず「ああ、またこの人はこの役をやるかもしれない。」と思ったのです。
横浜赤レンガ倉庫で上演されている今回のクロードでも、松田さんはかなりコアに役に入っています。
あんなに細くて華奢な体のどこに、あれだけの熱を抱え持ってそれを放出出来るパワーがあるのかと驚愕します。
きっとかなり終演後は疲労されていると思うのですが、松田イーヴが連れて行ってくれる所はアタシ達が今まで行った事のない場所です。
今までのどの「クロードと一緒に」でも行けなかった所です。
とても新しい事をしていると感じます。
とても”彼”と接近します。身体的にも精神的にも。
イーヴと共にイーヴが渡って来た夜を迷い、あの夜までを追体験するようです。
そうするうちに、イーヴがどれ程大切な物を失ったのかが分かるのです。
「観客は芝居の物語を旅する仲間。時には一緒に辛い思いもする。」
いつか演出家の方がそう仰っていました。まさに今、こんな感じなのかなぁと思います。
「絶望の果てに行ってしまった彼を引き戻したくて、彼の勇気をたたえたくて、毎回袖中で彼を抱きしめた。二人して泣いた。」
初演でギイ役を演じた役者さん、井上裕朗さんが当時ご自身のブログに書いた言葉です。
きっと松田さんの事もそうしてくれる方が居るとアタシは思っています。
イギリスのオアシスと言うバンドの「Wonderwall」と言う曲は、メンバーのギャラガー兄弟が小さな頃父親の暴力から逃げるため、母親が自分たちを連れて家を出た夜の事を歌っているんだそうです。
母親の事が自分達を守るwonderwall、不思議な壁の様に思えた、と。
”僕らが行く道は常に険しくて
僕らを照らす明かりはいつも光を失っていて
言いたい事は山ほどあるけれど
あなたに伝えたい事はたくさんあるけれど
どうやって伝えたらいいのか分からないんだ
だって、多分さ
あなたは僕を救うただ一人の大切な人なんだよ
結局のところ
あなたは僕のワンダーウォールだったんだ”
イーヴの気持ちが何となく見えて来る様な気がして。
イーヴと彼の最愛のクロードのことが。