Chef's Note

『シェフの落書きノート』

上賀茂 京野菜

2009-11-29 | 美味しいお話
有機農法、無農薬の京野菜を使い始めたというお話を以前に書きました。

出来れば野菜の産地直送は京都から…
これは、ず~~~っと以前からの僕の願いというか希望で…
確かな伝手もなく、今になってしまいました。

確かな伝手がないと折角ご紹介して頂いても…
もし、うまくいかなかった場合。
紹介者にも迷惑をかけたり、嫌な思いをさせてしまったりしていけません。

その夢にも似た希望が叶いました。

「苗を植えたばかりで11月中旬くらいから本格的なシーズンになるそうです。ちゃんとお話をしておいたので、ここにお電話して頂ければ、届くような手配になっています」
…と、ご紹介していただいた方から聞いていました。

10月の中旬、まだ1カ月も間があるのか…
あまり間が開きすぎるのもなんだから、お電話で「宜しくお願いします」とだけご挨拶しておこう。

「あのう○○さんから、ご紹介を頂いた。東京の西新宿のアウラと申しますが…」
…と、ご紹介者から渡された名刺にお電話を…

「おぉ~!西新宿の…。聞いとるでぇ~!わかっとる。今シーズンが終わってな。あんまりないけど…何がほしいの???」

元気な声だ!
ハスキーボイスで威勢が良い。

「あの~ …。大変申し訳ないのですが…。まだそちらの状況がわかっていないのですが、何か送って頂けるものはありますか?」

「サラダものだったら大丈夫や!ルッコラとかな辛子水菜とかな…。赤も青もあるで~!根菜とかは植えたばっかりでまだや!あのなアイスプラントとかもあるで~!」

なに!?
ルッコラとかもあるの?
マジか…
アイスプラントも?

すげぇ~!
畑は、どんなになってるん?

ほしくなるものばっかり…。

なにしろ…わからん…。
全くイメージと違うやん。


関東人の京野菜は、京水菜や壬生菜、そして根菜のイメージが強いのですが…
どうやら、そんな枠を遥かに超えているようです。

わからん~。

お電話でご挨拶だけ…と思っておりましたが…
どうやら、早速、送ってもらえる ら・し・い♪

やったぁ~!
明日から使えるぞぉ~!
…と、心の中は、ルンルン・スキップ状態なった次第でございます。

「ちょっと…。なにぶんにもそちらの状況がわからないもので…。おまかせいたします。色々と見繕って入れて頂けると助かります!」
…と、言うと…。

「せやなぁ~。何がいいかな?? せや! 小蕪(こかぶ)とか赤蕪とかならあるでぇ~。金時人参とかはまだやね。せや!サラダものとかのを色々と入れとくか! レモンとかもあるけど…どうする~~??」

は?

れ?も?ん?


えっえっ~!?

レモンのこと??

京都でレモン?

すっげぇ~!

間髪入れずに…

「小蕪とかは、どうするぅ???」

「レモンも小蕪も入れてください!」

「よっしゃぁ~~~! なら、小蕪もな…それなら、3個ばかり入れとこか…。アイスプラントとかもな。せやせや…隼人瓜なんかも入れとこな。色々と入れとくから使ってみてや~!」

なんとも小気味が良い!
リズム感のあるテンポの良い話し方だ。
この最初のお電話で達人であることは間違いないと確信したのです。

「宜しくお願いします」
…と、ご挨拶もそこそこに電話を切り…。

そして、翌朝、宅急便の到着。

大きな箱の中には、輝いている野菜達がキチンと整理されて入っていました。

すべてが瑞々しく…
『京都・賀茂野菜』と書かれたビニール袋に入り、その袋に品名が書かれた小さな紙が貼られていました。

「えっ~!小蕪って…」

「小蕪…」

 … …


「で、で、デカ~!!!」

『3個ばかり入れとこな…』
…と、仰っておりましたので、サンプルくらいの感じだと思いきや!


小蕪 赤蕪


これが小蕪。
携帯電話より大きいです!

その横が赤カブ。

関東の普通の蕪は、束になっていて…
3個とか5個とか7個とか…
小蕪というと…7個玉くらいのが小蕪(^^ゞ

関東のと比べると…


でかカブじゃんね(^・^)

…といっても…

もしかしたら ^^;
聖護院とかが京都では普通なのかも…

だとしたら…
小蕪だよね…これ ^^;

京野菜について、自分が無知だということに初めて気がついた。







左上から…

辛子水菜(わさび菜)、はやと瓜、ルッコラ、トマト、赤じくほうれん草、赤大根と青大根、京水菜

そして、レモン!
左の緑色のもライムではなくレモンです。
右の黄色のもレモン。
もう時期も終わるとのことで黄色くなってきました。

ビックリするくらい大きく、そして皮が薄く、中は凄くジューシーです。
レモンに感動したのは、初めてです!

これなら、ピール(皮)も安全に使えて最高です!


そして、アイスプラント
最近スーパーなどでも見かけますが…
もっとソフトな感じでふくよかさがあります。

先週から入り始めたカリフラワー

「大きいのがあるわ!これ入れとこな…!」
…と、言っていましたが…。

マジにデカイ!
こんなデッカイサイズのカリフラワーも初めてです。

ブロッコリーもあります。
(ごめんなさい。写真を撮るのを忘れてしまいましたm(__)m)

そして、海老芋
これは、まだ時期も早いので小さいです。

そして京人参(金時人参)
葉付きです!
葉もついたまま送ってくれるということは…
「無農薬だから、葉っぱも食べなさい」
…ということですね。

京人参もやっと収穫が始まったばかりなので小さめです。

そして…
これらの野菜をまとめると…。







こんな感じになります。

まとめて撮ると野菜の大きさが少しわかると思います。
でかいカリフラワーの大きさの比較が少しわかり辛かったですね(^^ゞ

蕪の茎や葉もとても美味しいです。

「葉っぱも付けとくか?」
…と聞かれて…

「葉っぱも付けといてください!」
…と言うと…。

「せやな!無農やからな!美味しいでぇ~」
…と即答で帰ってくる池西さん。

この人は、大地から生まれてきたんだな!
…と、思います。

こんな野菜を作るのは、本当に大変だろうな…。
…と野菜を見て、つくづく思います。

とにかく色々なものを作っています。

今、アウラで使っている野菜は、これらの京都から送って頂いている京野菜を中心に90%が無農薬や有機農法で作られた野菜たちです。

もちろん、パーティーやランチでも使っています。

この次に送られてくる箱の中が楽しみです(^_-)-☆

なんとか今年中に京都、大阪へ行こうと思っていましたが…
11月30日の月曜の定休日が今年の営業中の最後のお休みになるので、残念ながら難しいです。


野菜を使えば使うほど・・・
凄さが伝わってくるのです。

パワーが違う!
素材本来が持っている力そのものが違うのです。

それは、時間や日にちが経っても野菜の劣化がもの凄く少ないのです。
少し、しんなりしたなぁ~と思っても水に入れておくと元に戻る。

作ってる人のパワー自体が普通の人の数倍から数十倍も違うような気がします。
エネルギーが違う。

大地どころか、マグマを感じさせるようなエネルギーなのです。

電話で話しているだけで…
もの凄く元気をもらえる人。

早くお会いしてみたいです。


信頼できる人と人との繋がりで…
また、凄い人に出会うことができました。

未だ拙いアウラや僕を支えてくださる皆様にいつも感謝しております。

ご来店くださるお客さまも心温かく…。
いつも本当にありがとうございます。


これからも何卒、宜しくお願いいたします。







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