Chef's Note

『シェフの落書きノート』

あさひ蟹

2011-06-01 | 美味しいお話
書き忘れていた特選素材がありました ^^;

残念ながら今年の旬の時期が終わってしまいましたが…
ぜひ、皆さんにご紹介しておきたいので書いておきますね。

豊後水道産の『あさひ蟹』です。
旬は、4月中旬から5月中旬くらいまでです。
美味しい時期が約1ヶ月間の蟹です。

変わった形をしているでしょう?
築地市場でも見かけたことがなかったのですが、初めて見ました。

4月20日頃のある日。
高知県の魚屋さんに電話で注文をした時に…。

「あさひ蟹がありますよ~~~! 身がびっしり入っていて美味いです!」

「えっ?なんですかそれ?あさひ蟹?聞いたことがありませんけど…。関東ではなんと呼ばれていますか?」

「関東でなんと呼ばれているかはわかりませんが…。あさひ蟹です!美味いですよ~!まだ活きています」

「あさひがに…。わかりません…。どんな形をしているんですか?」

「かたち?え~~っと形は…。んん~~ インベーダーゲームのピコピコしているやつに似てます!」

「えェっ?インベーダーゲームっすか?」

インベーダーゲームのピコピコしている奴って…!?

あぁ~~ ますますわからん!
…と、思いつつ…。

「わからないけど…。わかりました。どんなのか見てみたいので送ってみてください!」
…って、ことで aura に到着!

実は、四国の地元で食べられているもので、あまり全国的に有名ではない海の幸の注文は、いつもこんな会話でなりたっているんです ^^;

送られてきた発砲スチロールを開けてみると…。

「これなんだぁ~!へぇ~~~!オレンジ色のうちわ海老みたいというか…なんと言うか…。これ蟹なのぉ??」

確かに言われてみれば…
インベーダーゲームのピコピコしている奴だわ。

海老の尻尾みたいなのが付いてるし… ^^;

「どうすんべ…。蒸してみるか焼いてみるか…。ローストしてみるか…」

とりあえず、まるごと1匹を蒸してみることに…。

蒸しあがって、真半分にカット!

なるほど~~~~!

これ、蟹だわ!

おおかた、蟹というのは、手足を食べることになりますが…。
これは、胴体を食べるタイプ。

オマケみたいに付いている海老の尻尾みたいなのには、身は全く入っていませんでした。
こいつ海老から蟹に進化しきってない奴なんだろうか…?
…って感じです。

四国や九州では、ポピュラーな素材なのかな…。

毛蟹の胴体を食べたことありますよね?
あんな感じです。

食べた感じは、毛蟹よりも更に身は繊細な感じ。
甘みも香りもあって美味しいです。

海老の味は全くなく、上質の蟹そのものといった味わいです。

お客様にお出しするときには、ニンニクとオリーブオイル、少しの香草を加えて低温で余熱を残して仕上げるローストに…。

幾分、食べづらさはあるものの…
蟹フォークを使えば、ぎっしり詰まった身は繊細そのものといった感じでした。

ソースは、ブールノワゼット(焦がしバターのソース)に松の実を加えて、仕上げにイタリアンパセリのみじん切りとレモン果汁を加えてもの。
アクセントにバルサミコのソース

うん!大好評でした。

本来、旬の時期が過ぎてから、こんな記事を書いても仕方がないのですが…。
今年は、ほしい時に海が荒れていて、なかなか獲れなかったようでアウラでも残念ながら、あまり使うことは出来ませんでした。

来年、また是非に仕入れたいと思いますので…
この記事は、記録として残しておくことにしたいと思います。

口の中に唾液がでてきた人もいるのでは?







最新の画像もっと見る