栗田工務店 スタッフ ここだけの話

快適な空間づくりをめざす―(株)栗田工務店 この空間では,『歩き遍路日記』『介護日記』『etc・・・な話』を展開します♪

介護日記 ~ 年令不詳 ~

2011-09-16 14:13:59 | 社長の介護日記
ここでは、社長 (寺川 勲雄) の介護日記を掲載しております。

現在進行中の介護です。はじまりは2007年ですが、当初のものより順次載せております。この介護日記は、みのりホームの 「ティータイム通信」 にて掲載し続けているものですが、ぜひこちらでも紹介したく、掲載の運びとなりました。
※今回は、2010年、4月号に掲載の内容です。



 うちのおばぁちゃんは90歳になるのだが、自分の年令を正確に云う事が無い。

「私しゃぁなんぼになったんかいねぇ?」

「なんぼになったと思う?」

「~ン、95歳かいねぇ」 といった調子。

さすがに100歳と云う事は無いが、大体自分の年令より多い目を云う。

 女性はサバを読んで自分の年令を若く云うものだが、彼女はもう女性を超えてしまったのか。認知症に任せて大サバを読んで30代40代の年令を云ってもいいと思うのだが、それは聞いたことが無く、10歳程度の誤差範囲である。

 おばぁちゃんは認知症のせいで、もう計算も出来んようになっとんじゃなかろうか、と思ってテストをする事にした。

 朝食も済んで調子良さそうなのを見て

「おばぁちゃん、100+100はいくら?」

「200」

「100+10は?」

「110」

「50+50は?」

「100」 とよどみ無く答える。

「うわぁ~おばぁちゃんスゴイがね。しっかりしたもんじゃ」

彼女は少し笑いながら

「もう、しっかりしてないわね」 とこともなげに云う。

正解を予想していなかった私は想定外の事で大いに感激。さすがうちのおばぁちゃん。



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社長の介護日記 ~ 親孝行 ~

2011-09-09 22:24:47 | 社長の介護日記


ここでは、社長 (寺川 勲雄) の介護日記を掲載しております。

現在進行中の介護です。はじまりは2007年ですが、当初のものより順次載せております。この介護日記は、みのりホームの 「ティータイム通信」 にて掲載し続けているものですが、ぜひこちらでも紹介したく、掲載の運びとなりました。
※今回は、2010年、3月号に掲載の内容です。


 絵に画いた様な孝行息子なら足しげく病院へ見舞いあれこれと世話をやくのだろうが、病院にいればこれほど安全、安心は無いとばかりに殆んど病院を訪ねる事もなく、もっぱら女房に任せきりである。

 私ときたら夜明けと共に愛犬を連れて近くの山に登り、朝日を拝み草花を摘み、木にも登ってアケビを採り、昼はほどほどに仕事をし、夜はおばぁちゃんの事を気にすることも無く、時々一杯ひっかけて帰るという毎日である。

 朝の山歩きは高めの血糖値の為にはいいのだが、それ以後の生活が不規則で、一見健康に見える生活も帳消しである。

 医者からお酒を止めなさいと言われて、1週間ほどは断酒したが、等質ゼロならいいだろうと飲んでみたが味はイマイチである。そこで70%オフにしようと飲んでみるがこれももうひとつである。いつの間にか今は気にすることなく100%を飲んでいる始末である。

 山で採ったアケビをおばぁちゃんにことづけると花瓶にさしたアケビの実をすぐちぎってしまったとの事。以前は花瓶にさしたままその風情を楽しんでいたのだが認知症が進んでいるのかと気になるが、おばぁちゃんと違ってこの不摂生の息子はどんな老後を迎える事やら・・・・。





 
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介護日記 ~ 手術 ~

2011-08-25 12:35:38 | 社長の介護日記
ここでは、社長 (寺川 勲雄) の介護日記を掲載しております。

現在進行中の介護です。はじまりは2007年ですが、当初のものより順次載せております。この介護日記は、みのりホームの 「ティータイム通信」 にて掲載し続けているものですが、ぜひこちらでも紹介したく、掲載の運びとなりました。
※今回は、2010年、2月号に掲載の内容です。


 転院した病院での再度の検査で、他に胆嚢にも数個の石があるが、胆嚢摘出手術も考えられるが年齢から考えて、それは見送り今回は胆管に詰まっている石だけを取り除くとの事である。

 実は私も10数年前、胆嚢摘出手術を行い現在、胆嚢は無い。人間が固いもんで、親子共々石が出来るか・・・・などとダジャレを思い乍ら、昔聞きかじった話をもとに先生に質問してみた。

「先生、石を衝撃波で砕いて出すちゅうのはいかんですか?」

「昔はそんな治療もありましたが、今はそんな治療はしません」

と、言下に言われた。そうか、時代は進歩しているんや、と思うと自分がエラく古臭い人間に思えて来た。

 そして、おばぁちゃんを乗せた移乗ベッドに付き添い手術室に行って驚いた。手術室といっても廊下から覗ける普通の部屋で、想像した無菌室の様な部屋ではない。女房と二人で廊下のイスに座って、ドアの窓越しに覗くとモニター画面があって、口から入ったスコープの線が写っている。

 1時間程して「はい、終わりました」と医者の声。病室へ帰って目が覚めたおばぁちゃんに「おばぁちゃん、お腹にあった石がとれたヨ、もう大丈夫やけんね。」というとしきりに首をかしげながら「私しゃあ。石なんぞ食べた覚えは無いヨ」と真剣な表情で言う。


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介護日記 ~ 緊急手術 ~

2011-08-16 10:52:24 | 社長の介護日記
ここでは、社長 (寺川 勲雄) の介護日記を掲載しております。

現在進行中の介護です。はじまりは2007年ですが、近年のものより順次載せております。この介護日記は、みのりホームの 「ティータイム通信」 にて掲載し続けているものですが、ぜひこちらでも紹介したく、掲載の運びとなりました。
※今回は、2009年、12月号に掲載の内容です。


 8月の終わり、いつもの様に 「行ってくるヨ」 「あぁ、いってらっしゃい、気いつけてね」 のやりとりの後家を出る。

 午後、女房より電話。昼ごろに訪問したヘルパーさんが 「熱もあり、下痢もしている」 との連絡で、とりあえず病院へ来て点滴中との事。

 朝食は一緒に食べ、何も変わった事は無かったのだがと思い乍ら、夕方病院を訪問。

 本人は眠っているが、少し口を開けた寝顔はいかにも精気なくやつれた表情である。そっと額に手をやってみると熱は下がっている。

 このまま2~3日入院して様子を見ることにした。

 翌日、担当医からの電話で 「おばぁちゃんは当初、嘔吐下痢症と診断したのですが、一旦下がった熱も又上がっており、エコー検査の結果、胆管に石がつまっていて、今日の症状はそれが原因と思われます。ついては手術の必要があります」 と言う。この手術には現在の病院では対応できないので、紹介する病院に転院して手術を受けてほしいとの事である。丁寧でしっかりした説明に安心すると同時に、大した病気では無くいてホッとした。

 しかし90歳になって又手術とは・・・・。
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介護日記 ~ 講演会 ~

2011-07-22 16:08:13 | 社長の介護日記
ここでは、社長 (寺川 勲雄) の介護日記を掲載しております。

現在進行中の介護です。はじまりは2007年ですが、近年のものより順次載せております。この介護日記は、みのりホームの 「ティータイム通信」 にて掲載し続けているものですが、ぜひこちらでも紹介したく、掲載の運びとなりました。
※今回は、2009年、11月号に掲載の内容です。


 先日、グループリビングパレット(元気なお年寄りが共同生活している建物)で、「認知症の方の尊厳を支えるケアについて」と題して講演会がありました。

 講師の先生は、ある市の職員で、自分も父親の介護をした経験を踏まえ、現在のポジションも福祉部に勤務していて、目からウロコのお話で、私の母親に対する介護も大いに考えさせられました。

 心に残った言葉を箇条書きにすると、

 ・介護とは快(心地良さ)をいかに継続さすか、介護は快護でなければならない。

 ・認知症の人は何もできない人、わからない人ではない。看る側の理屈でかかわって
  はいけない。認知症でも感情は残っている(感情は正常)。

 ・介護はプロに、家族は愛を。肉親を看るとどうしても感情が入ってしまう、肉親の
  介護は難しい。適度にプロの力を借りる知恵も必要。
 
 ・いい介護は看ている側の心と体が健康である事が必要。

 ・五つの 「あ」
  あせらず、あわてず、あきらめず、あかるく、あたかかく

 ・三つの 「さ」
  さわやか、さらりと、さりげなく

 ・汗は 「ひたいにかけ」
  ひ 一人でかかえるな
  た 他人に任すな
  い いいかっこうするな
  に にこにこ励め
  か 型にはまるな
  け 決してあきらめるな

 そして地域の人や行政も含めて 

 「となりの田も追うてやりたい雀かな」
 「となりの田へ追うてやりたい雀かな」

 のように、「も」を決して「へ」にしない様に支え合う事が必要とのこと。ユーモアを交えた楽しい心に残る一刻でした。

 とかく事務的になりがちな行政の中に、この様な温かい熱意に燃える人がいるのかと思うと嬉しくなりました。おばぁちゃんの介護も自分の心と体の健康を第一に、考えながらやるとしよう・・・。これが皆目予想がつかない。
  



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