> 国会の原発事故調査委員会が最終報告書を提出した様なのですが、その結論
> が巷間の話題になっていますね。
福島の原発事故を「天災」ではなく、はっきりと「人災である」と結論づけた
点が物議を呼んでいる訳ですね。
> 千年に一度とも言われる様な、あれだけの激甚災害がもたらした事故ですか
> らねぇ…これは少し厳しすぎる結論の様にも感じられるのですが…。
「国会が設置した」事故調査委員会の結論ですからね、この結論は最大限に尊重
されなければなりません!
それだけに、正直、私も少し意外な結論であった印象は否めません。
国会事故調での調査のプロセスは、これまでも完全に公開されてきましたから、
菅元総理や枝野元官房長官、海江田元経産大臣、勝俣元東電会長等々、主要な
参考人の証言内容については、ネットを通じて逐一確認しました。
▼ 国会 東京電力福島原子力発電所事故調査委員会
http://www.naiic.jp/
> 証言の際には、「全面撤退」の問題を巡って、政府側の証言と東電側の証言と
> が食い違っていましたよね…?
今回の報告書の限りでは、東電側が「全員撤退」を意図した事実は確認できな
かったとの事で、結局、政府側と東電側の意思疎通に誤解が生じていた訳でし
ょうね。
これは、あくまでも私の推測に過ぎないのですが、清水元東電社長をはじめ、
東電の役員側の立場に立てば、従業員の生命の安全についても考慮しなければ
なりませんから、少なくとも一時的には「選択肢の一つ」として考えたと想う。
結局、政府側の態度を見て、最終的に決定した事の裏返しなのでしょう。
唯一つ、明らかな事実は、この時点で明確な「退避ルール」が存在していなか
った点だと感じています。
> 事故発生当初の「初動」の問題については、菅元総理が現地視察入りした事
> で、現場の対応を遅らせた点も話題になりましたよね?
官邸側に「十分な現地情報」が入って来なかった以上、菅元総理自身が直接現
場視察に行った心情は理解できるし、この事で政府の意思を現場に直接伝える、
プラスの面もあったのではないかと、私個人的には考えるのですが…。
残念ながら、それ以上にマイナス面の方が大きかった様ですね。
> 結局、官邸側に「正確な現地情報」が伝達されない、危機管理体制自体が、
> 大問題なのですね!
今回の原発事故に関してはね、誰一人「懸命に対処する」事をしなかった人は
いないと想うのですよ。
あらゆる立場の人々が、それぞれに懸命だった訳です。
しかし、事故原因の調査は、そんな「心情」が問題なのではありません。
「二度と原発事故が起こらない」ためにどう在るべきか、どう為すべきか、が
問われているのです。
> でも、津波の規模が「想定外」である以上は、事前に対策を講ずる事はでき
> ないでしょ?
結局、そこが核心なのですよ。
本当に「想定が不可能」だったのか、「適切な対応が不可能」だったのか否か?
もし、「人智による想定が不可能な災害が現実に起こった」ならば、原子力発電
は絶望的に危険なものであると考える以外にないし、「危機対応が不可能」なら
ば、即刻「全面廃止」するべきものなのです!
> なるほど、今回の調査報告は、今後の原子力政策に直結する超重要課題なの
> でした!
もし、今回の結論が「厳しすぎる」ならば、「福島の事故は再び起こり得る」と
考えなければなりません。
原子力発電を今後も使い続けるためには、「二度と原発事故が起こらない」ため
の処方を、我々が創り出さなければならないのですから。
> う~ん…やはり、従来の様な玉虫色の報告書では「役に立たない」ですね。
> 納得しました、私も。