ブロブロガー@くつログ

Proと呼ばれたい...そして日々悪戦苦闘する
Brofessional な職業人の安息の日誌

◇世界金融市場「メルトダウン」。。。バブルの根源は日本発か?

2008-10-13 | リーマンショック
> あっ!Bro !...お久しぶりです!
> 何やってたんですか!この世界金融危機の最中に!


すみません...このところ,本業が少し忙しくて...


> 本業が忙しい?...それは,まぁ「良い事」ですね,この不景気に!
> とにかく,NYダウが下げ止まらないんですよ!
> 先週末までにダウ平均は8日続落して,一時8000ドルを割り込みまし
> たし,NY株に連動して世界同時株安の嵐です...ロンドンも,フラン
> クフルトも,上海も,香港も...軒並み下げてますよ!
> 特に日経平均は7日続落して,この間の下げ幅は3000円を超えまし
> た...先週末時点の日経平均終値は8276円です!
> 直近の最高値である07年7月9日(1万8261円)から,たった1年3カ月
> で半値以下になった計算です。。。もう,03年4月に付けたバブル後の
> 最安値(7607円)も目前です,週明けの明日,割り込むかもしれませ
> ん!。。。


ええ...株価の動きは毎日帰宅後にチェックしてましたので知ってます。
典型的なパニックに落ち込んでいる様子ですよね,世界金融市場が...
でも,パニックは「パニック」なのですから,少し冷静になる事が大切です。
集団心理に巻き込まれていては,何も見えてきませんよ...


> もう市場が「発狂」したとしか思えません!異常ですよ!
> 単なる「暴落」ではなく,世界市場が「崩壊」するのではないでしょうか?
> 世界中,全ての株価がゼロになるのかと思います??...


そう思えるのが「パニック」の証拠なんですよ。。。
でも,世界中の個人投資家が「売り」に回っても,こんな事態にはならな
いでしょうね...これは,世界中の金融機関が金融商品を「投げ売り」
して「現金化」を急いでいるのだと思います。
おかしくなっているのは,機関投資家ですよね。

> ...と,言うと?


世界中の金融機関相互間で行われる信用決済の資金に「金づまり」
が生じているのだと思います。。。まあ,「脳血栓」状態でしょうか...
誰もが相手の「破綻」を警戒して,資金を提供しなくなっている...
さらには,自分自身の決済資金の確保にも困窮している。。。
結果的に世界金融が「機能不全」に陥っているのだと思います。

> では,「金づまり」を解消すれば,金融機能を回復できる??

あと,これだけ資産価値が下がってしまっては,どの金融機関も自己資
本不足に陥っているでしょうから,自己資本の増強が必要です。
市場は自力では「脳血栓」状態を克服できていませんから,今まさしく,
「最後の貸し手」として,政府の出番が到来しています。

> リーマンショック発生後,各国は協調して,まず短期金融市場への資
> 金供給を拡大してきましたよね...
> 日銀は先週末の10日,18営業日連続で最大の4兆5000億円を即
> 日供給しています。
> 欧州各国では銀行への「取り付け」騒ぎが発生するのを警戒して,銀
> 行預金の全額保護を打ち出していましたし,一部では国有化する動
> きもありました。。。

ええ,これらは全て本格的な「パニック」の発生を抑止する上で,効果的
だったと思います...実際,市場は乱高下を続けていました...

> では,現在の「パニック」発生の契機は何でしょうか?

やはり,先月29日に米下院で金融安定化法案が否決された事の影響
は大きかったと思いますよ。
このショックで,NYダウは一気に777ドル下げて,史上最大の下落幅を
記録しましたし,その後は下げ止まらなくなりました...


> 米国の金融安定化法案は,その後修正採決されたにもかかわらず,
> NYダウが下げ止まらないのは何故でしょうか?


米国の金融機関が,政府の救済を当てにできないと感じた結果だと思
います...最悪のケースに備えて,決済資金を自己調達しておく必要
性を痛感したのではないでしょうか...?

> なるほど...それで「投げ売り」が始まった...!
> 米国以外の各国市場では,NYダウの下げに連鎖して下げている!

「暴落」が明白な市場で「買い向かう」事は,それこそが狂気の沙汰です
からねぇ。。。

> 連鎖反応はいつ止まるのですか?


市場が「下げ止まり」を予測した時です。。。それには,材料が必要です。


> 先日のG7,およびG20での決定は,「下げ止まり」の材料になるでしょ
> うか?...決定内容が不充分との批判的な意見も多い様ですが?

結論は週明けの相場が示すでしょうが,私は楽観的な意見です...
今回のパニックは,進行も対応も早かっただけに,回復も意外に早いので
はないか,と期待しているのですがね...実は...
現下の「パニック」は早晩解消するものとして,問題は実体経済への影響
度合いの方ですよ,むしろ。
「脳血栓」と同じで,回復が早ければ早い程,各機能への障害は少なく
て済みます...実体経済への影響が深刻化するのは,金融機関が企
業に対して「貸し渋り」や「貸し剥がし」を行う事が主たる原因ですから。

> 資産価値の下落で企業のバランスシートが悪化する結果として,企業
> の投資が落ち込む事もあるのではないですか?

確かに実体経済への影響を軽度に抑えるためには,景気対策も必要で
しょうね。心理的な「冷え込み」も心配です。

> 米国では雇用低迷や消費不振が顕在化している様子で,7―9月期
> から景気後退に入った様です。住宅価格の低下も続いています。

米国景気の回復についての問題は,何よりもまず,米国の住宅価格が
下げ止まる事が必要だと思います。
これが続く以上は,政府がどれだけ買い取っても,不良債権が次々に生
まれて行く訳ですから,限が無い。


> 今回の金融危機の契機は,正しくそのサブプライムローン問題,もしく
> は米国の住宅市場で発生したバブル崩壊が発端ですものね。
> しかし,単なる住宅バブルが此れほど大規模なパニックの原因になる
> とは驚きです!

今回のパニックについては,「金融業界が作った大量破壊兵器」と呼ばれ
ている「クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)」の存在も無視できません。

> 何ですか?それは?

金融機関の「貸し倒れ」を保険する金融商品ですよ。
よく知られるとおり,サブプライムローンでは,貸し倒れのリスクを分散する
ローンの証券化が行われていました。
さらに,極めつけとして,このCDSの発明によって,米国の投資銀行は,
サブプライム層への住宅ローン融資の様な,一見して無謀にも思えるローン
の融資も,躊躇なく,どんどん実行する事ができた訳です。

> なるほど,「貸し手」にリスクは無かった訳ですね...


正確に言うと,「リスクは無いつもり」でした...
しかし,住宅価格が下落に転じてみると,あちこちで同時に「焦げ付き」が
発生して,リスクは分散されていない事が明らかになった!
CDSにしても,基本的には生命保険と同様,加入者が同時に死亡する
事は想定していないために,「債務不履行」があちこちで同時多発する
事態には対処できない仕組みでした。。。
例のAIGは,このCDSを多く扱っていた保険会社だったので,その破綻の
影響範囲が非常に心配された訳です。


> 米政府がリーマンを見捨てて,AIGを救った理由は,CDSの爆発を恐
> れた事にある訳ですね!
> やはり,単なる住宅バブルと呼ぶよりは,そこに2重,3重のレバレッジ
> を働かせる仕掛けが組み込まれていた訳ですねぇ。。。

今,学生時代に読んでいたキンドルバーガーの金融恐慌史を読んでいる
のですが,今回のバブルの過程で気がついたことが1点あるんです。。。


> 何か今回のサブプライムローンバブルで特徴的な事柄があるんですか?

いえ...むしろその逆で,今回の米国発のサブプライムローンバブルも,
過去における数多くの金融バブルとほとんど同じ事柄が繰り返されている
事を知るのみなのですが,ここで未だ未解明の事柄に気がついたのです。

> 何です?それは?


キンドルバーガーは,過去の歴史において,必ずバブルの発生と成長には
それを裏支えする資金供給源があった事を示しています。
そこで,今回の米国での住宅バブルの発生と成長過程を,S&P ケース・
シラー住宅価格指数のグラフで見てみると,その時期が日本のゼロ金利
政策の時期と重なる事が分かりました!


> おおっ!なるほど...
> 米国の住宅価格は1997年頃から上昇の兆しを見せていますねぇ...
> 1999年2月から始まったゼロ金利政策が,2000年8月に一時解除され,
> その後,2001年2月末から2006年7月まで,この政策が続けられました。


そう,そしてその2006年7月頃から,米国の住宅価格が下落に転じた事
が分かります。


> そうすると,米国の住宅金融機関は,ゼロ金利の日本から資金を調
> 達して,住宅ローンの証券化やCDSなどの金融技術を駆使しつつ,
> 価格上昇の兆候を見せていた住宅市場において住宅取得熱を煽り,
> サブプライム層に至るまで隈なく住宅ローンを貸し込んで行って
> 大儲けした。。。と云う「筋書き」になりますか!今回の米国バブルは!


そう,そして日本のゼロ金利解除とともに,熱が冷めて,住宅価格が下落
に転じた事でサブプライムローン問題が浮上し,急速に金融機関の不良
債権が膨らんで行った事から世界金融不安が発生しました...
さらに,リーマンショックに至って危機的な様相を呈した金融市場は,米下
院での金融安定化法案否決のショックで,とうとうパニックに発展し,現下
の世界金融危機を招来した...これが全貌です,今回の。


> よく分かりました!Bro !
> それでは,この後の処術は,歴史の示すところに学べば良い訳ですね!


概ね...そんな処です...希望的観測ではね!



ブログ意見集 by Good↑or Bad↓ 世界同時株安に歯止め


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