> 欧州ソブリン危機の再燃と並行して,米JPモルガンが巨額の損失を公表し
> た事で,金融界が再び慌ただしい動きですね,Bro!
> 日経などでも特集記事を掲載しています。概略はBroの視方と同様ですが。
▼焦点:米JPモルガンの多額損失、自ら生んだ金融商品市場に問題
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE84E02U20120515?sp=true
▼ギリシャ 資金流出加速 預金710億円減、株2割安
http://www.nikkei.com/news/special/side/article/g=96958A969381959FE3E4E2E29C8DE3E4E2E7E0E2E3E09790E0E2E2E2;q=9694E3E1E3E2E0E2E3E3E6EBE2E4;p=9694E3E6E2E1E0E2E3E2E7EAE0EB;o=9694E3E6E2E1E0E2E3E2E7EAE0EA
先だって(15日),初の独仏首脳会談の声明で,「ギリシヤのユーロ残留を希望」
とのメッセージを発表したばかりなのですけどね。
逆に市場は,ギリシヤのユーロ離脱を確信したかの様な動きを示しています。
> 米JPモルガンの多額損失の原因は,前々回の記事で話題にしていたCDS
> (クレジット・デフォルト・スワップ)にあるみたいですね?
そもそもCDSについては,4年前のリーマン・ショックの際に,その欠陥が
明らかになっていたはずなのです!
金融工学の専門家は,近視眼的で頭悪いのです。
そもそも「確率論の本質」を理解していないか,もしくは悪用している!
タイムマシンの作り方をもっと研究しないと…。
> …よく分らないのですが,例の「バタフライ効果」と何か関係あるの?
と言うより,結局自分のトランプのカードを相手に曝してしまったために,相
手が出すはずだったカードの確率が変わってしまっただけですよ。
自分が負けるリスクが高くなった事に気が付いて,慌てて資産価値の評価額を
再計算してみたら,多額の損失が発生している事に気付いたと云う経緯らしい。
> 何ですか,それ…?
> 確率って,そんな簡単にコロコロ変わるものなのですか?
変りますよ。
東北で発生した大地震の影響で,原子力発電の安全性に対するリスク評価が変
化した様にね。
地震発生以前より,原子力発電は「危険なもの」に変質してしまった。
> でも,原子力発電所自体は「地震の発生」とは関係なく,以前から稼働して
> いた訳じゃないですか?
> それが,急に「危険なもの」に変化したりするの??
「安全性」は「もの」ではなく,我々の主観に属する概念ですからね。
まったく事前情報を持たない人には,「明日の降水確率50%」としか言えないで
しょ。気象観測の専門家ならば,より客観的に確からしく予測可能ですが。
> でも「天候」は,我々の「主観」ではなく「客観的実在」ですよね?
神様の視点で観る様な「客観的実在」は,我々には確認できません。
せいぜい,大勢の人々が「個々の主観で認識できる対象の共有」を通じて,「概
念の客観化」が可能なだけです。
> そんな曖昧な事なら,「原子力発電の安全性」はどうなるの?
> 心配性の人々が充分納得できる,「安全基準」などは示せるの?
自動車の運転は,事故の発生確率がゼロだから許可されるものでは無いでしょ。
飲酒や薬物を使用している人には,自動車の運転は許されません。
平常なドライバーなら,事故が発生しない様に自動車をコントロールする事が
できるはずなので許可される訳です。
同様に,原子力発電に対しても,事故発生を未然に防止できる様にコントロール
可能か否かが重要なのです。
> でも,一旦原発が事故を起こせば,その影響は甚大ですよ!
> 「絶対安全」と言い切れるまでは,再稼働は困難でしょ?
では,電力の供給を火力発電に依存している現状が,それほど安全なのですか?
中東の紛争で,原油の輸入が途絶えた場合に,電力供給はどうなるのでしょう?
原油価格の暴騰の可能性は,原発事故の発生確率より遥かに高いのではないで
すか?
> う~ん…そう言えば,貿易依存度の高い日本の安全保障も危ういと云えば,
> 危うい…。
日本が第二次大戦に参戦を決意したのは,米国からの石油の輸入が途絶えた事
が最終的な理由です。
そもそも,リーマン・ショック以来,この国際金融市場でさえも危険極まりな
い現状ですよね?
国際金融市場のシステムは,一体誰が運転手で,誰がその安全性に責任を以て
コントロールできるのですか?
国際金融市場のメルトダウンは,原子炉と同様,いやそれ以上に甚大な損害を
世界中にバラ撒く事は,事前に分っている事でしょう?
そのリスクを,あなたはどう評価しますか?
> う~ん…!
【過去の関連記事】
◇コンプガチャ・ショック~ネトゲに嵌ってる場合じゃなかったウォール街
http://blog.goo.ne.jp/ayakikki/e/fed6cf2149692a5f9fa78c8bf23c8fbb
◇分散コンピュータシステムとしての世界金融市場
http://blog.goo.ne.jp/ayakikki/e/a75dd4b95f915739f0bfc92c5b1d93df
◇サルコジ仏大統領敗北とマルクスの予見
http://blog.goo.ne.jp/ayakikki/e/921883396a456b464e4945fab8ae1747