理想国家日本の条件 さんより転載です。
ウクライナ戦争の責任はアメリカにある!――アメリカとフランウクライナ戦争の責任はアメリカにある!――アメリカとフランスの研究者が 遠藤誉
アメリカの国際政治学者で元軍人のジョン・ミアシャイマー氏とフランスの歴史学者エマニュエル・トッド氏が「ウクライナ戦争の責任はアメリカにある」と発表。筆者の「バイデンが起こさせた戦争だ」という見解と一致する。認識を共有する研究者が現れたのは、実にありがたい。
◆『文藝春秋』5月号がエマニュエル・トッド氏を単独取材
月刊誌『文藝春秋』5月号が、エマニュエル・トッド氏を単独取材している。見出しが「日本核武装のすすめ」なので、見落としてしまうが、実はトッド氏は「ウクライナ戦争の責任はアメリカにある!」と主張している。
冒頭で、彼は以下のように述べている。
――まず申し上げたいのは、ロシアの侵攻が始まって以来、自分の見解を公けにするのは、これが初めてだということです。自国フランスでは、取材をすべて断りました。メディアが冷静な議論を許さない状況にあるからです。
(『文藝春秋』p.95より引用)
この冒頭の文章を読んで、深い感動を覚えた。
その通りだ。
いま世の中は、「知性」でものごとを考えることを許さず、「感情」で発信することしか認められない。まるで戦時中、大本営発表に逆らう者は非国民と言わんばかりだ。
しかし、このようなことをメディアが続けていると、本当に大本営が招いた結果と同じものを日本にもたらす。真に日本国民の為を思い、日本国を憂うならば、勇気を出して、戦争が起きた背景にある真相を直視しなければならない。
そうしないと、次にやられるのは日本になるからだ。
トッド氏の主張の概要は以下のようになる。
●感情に流される中、勇敢にも真実を語った者がいる。それが元米空軍軍人で、現在シカゴ大学の教授をしている国際政治学者ジョン・ミアシャイマーだ。彼は「いま起きている戦争の責任はアメリカとNATOにある」と主張している。
●この戦争は「ロシアとウクライナの戦争」ではなく、「ロシアとアメリカ&NATOの戦争」だ。アメリカは自国民の死者を出さないために、ウクライナ人を「人間の盾」にしている。
●プーチンは何度もNATOと話し合いを持とうとしたが、NATOが相手にしなかった。プーチンがこれ以上、領土拡大を目論んでいるとは思えない。ロシアはすでに広大な自国の領土を抱えており、その保全だけで手一杯だ。
●バイデン政権のヌーランド国務次官を「断固たるロシア嫌いのネオコン」として特記している(拙著『ウクライナ戦争における中国の対ロシア戦略』の第五章、p.159~p.160にかけて、オバマ政権時代、バイデン元副大統領とヌーランドがどのようにして背後で動いていたかを詳述した)。
●アフガニスタン、イラク、シリア、ウクライナと、米国は常に戦争や軍事介入を繰り返してきた。戦争はもはや米国の文化やビジネスの一部になっている(拙著『ウクライナ戦争における中国の対ロシア戦略』の「おわりに」――戦争で得をするのは誰か?に書いた内容と完全に一致する)。
何というありがたいことだろう。
日本で筆者1人が主張しても、ただバッシングの対象となるだけで、非常に数少ない知性人しか
理解してくれない。しかし、こうしてフランスの学者が声を上げてくれると、日本は
ようやく真実に目覚め始める。月刊誌『文藝春秋』の勇気を讃えたい
以下続き https://news.yahoo.co.jp/byline/endohomare/20220413-00291294