桃色に染まる夕焼けのとき
列車に飛び乗ろう
この線路は続いている
あの街に
焦げたチーズの香りとコーヒーの香りがする路地裏
猫が丸くなって 犬が水溜りをよける
煙草の煙もぶつからない 都会
もう帰らなくちゃ と焦る駅のホーム
貨物の荷台に飛び乗ってでも 帰りたい日があった
一駅ごとに 人が少なくなっていく
窓に映る 自分の顔 リセットする
車窓から見る他人の家 街 通り
そこを歩けば
あの玄関に入れば
幸せが待っているんだろうか
同じ時間
あの街で経過するも この家の中で過ぎるも 同じ
密度が違う
ここであのときの自分を思い出し
ここにあのときの自分をそっくり 置いてみよう
今が一番だってことが分る
光る爪 オレンジのルージュ まっすぐな髪
何も無い 今が
幸せなのかもしれない
とりあえず 連れて行って 桃色トレイン 夢の中へ。