たそかれの散策

都会から田舎に移って4年経ち、周りの農地、寺、古代の雰囲気に興味を持つようになり、ランダムに書いてみようかと思う。

里山考 <百名山一筆書きにみる奥山と里山を考えてみる>

2018-05-14 | 心のやすらぎ・豊かさ

180514 里山考 <百名山一筆書きにみる奥山と里山を考えてみる>

 

わが家のバラの木の一つ、昨年植えた中の一本で、昨年は一輪なんとか咲いてくれました。それが今朝見ると(しばらく前からどんどん増えていたのに驚いてはいたのですが)、もう20輪以上が大きく咲いているのです。黄色いバラです。花はそれぞれ特徴があって華やかであったり、小粒で花蓮であったりして、どれもいいです。でもバラはやはり華やかですね。

 

以前、カナダ・ビクトリア市で行われているガーデンツアーに参加したことがありますが、それぞれの個性的な地形に個性的な家を配置し、その周囲に見事な花園を展開させているのです。それを一般に一定の日、解放するのですね。私も友人と一緒にあちこちを回りましたが、とてもすてきな花園、イングリッシュガーデンが多かったように思います。

 

でもやはり日本人でしょうか、野に咲く花がなんともいえません。それらは長い年月かけて営々と続けてきた農作業などによって生まれたものなんでしょう。

 

田中陽希のグレートトラバースを見た後、体をクーリングするのに、続く番組「里山」はとてもいいのです。さすがNHKと思います。

 

里山とは、おそらく30年近く前に、本格的に関わるようになったような記憶です。当時、各地はバブル景気でゴルフ場開発が全国展開し、地域の里山が壊されていく状況でした。そんな中、各地で次々と里山保全運動が起こったり、ゴルフ場反対運動が起こったりしていました。私も友人が反対運動のリーダーだったことから、毎晩のように相談を受け、アドバイスの当時はファックスでのやりとりだったように思います。

 

他方で、里山保全活動にも関わるようになり、泊まり込みの炭焼きに参加したりしていましたが、仕事が忙しくてとても郊外の里山まで出かける時間がとれず、途中からは名前だけの会員になってしまいました。それでも彼らの里山保全運動は開発計画に対し、生態系保全を測りながら適切な里山管理を対案として提示して、協議会形式で民主的かつオープンな議論で、開発調整を図っていたかと思います。

 

90年代にアメリカで制度化し普及したHabitat Conservation Planningは、わが国ではなかなか日の目をみませんでしたが、それと代わるような地域固有の取り組みが各地で行われてきたと思うのです。

 

90年代初頭、いや半ばくらいまでは、里山といっても行政サイドは法制度がなかったこともありまともに取り合わないようなところも少なくなかったと思います。

 

その意味では、奥山(ま、陽希さんが次々と踏破するようなアンタッチャブルな山ですね)もまた長く開発からは縁がなかったですが、スーパー林道など道路開発、リゾート開発が進捗し、陽希さんが登るような頂は別ですが、奥山も相当開発されてしまうようになりました。

 

潮目が変わったのはいつ頃でしょう。それは保全活動の成果もあったかもしれませんが、どちらかというと開発エネルギーなり、景気後退による需要減の力が大きかったように思えます。その意味では、里山保全の法制度は、残念ながら実効的なものがないに等しいでしょう。

 

他方で、里山を意識し、大事にする心を持つ人が増えてきたように思えるのです。だいたいNHKの番組で「里山」と題したものが連続で放映されたり、いつくか特集が組まれたりすること自体、多くの人の共感を得ていることの証ではないでしょうか。

 

地域の人がなんでもない里山の生態系景観が、多くの人に心の癒しをもたらすことは最近ではよく知られたことでしょう。ゴルフ場の整備された芝生や樹林には、自然生態系との共生とはかなり異質のもので、これで自然を満喫できていると感じるゴルファーの方たちとは見方が違うでしょうけど。

 

昨日のブログでリスクを話題にしたとき、なんのためにテーマにしたの書いているうち忘れてしまい、書き終わってからふいと気づいてしまう、このブログですが、今日もそんな感じになっています。昨日はほんとは北朝鮮を含むとてつもなく巨大なリスクに対して、感度が低くなっている、あるいは敏感になりすぎている、そういう観点を掘り下げようと思ったのですが、これは別の機会に回します(といっていつになることやら)。

 

で、今日この里山を取り上げたのは、まだ思い出せないのですが、維新の前後にわが国を訪れた異邦人たちが驚愕した、日本人が心豊かでやさしく幸せを満喫する姿は、一体どこからくるのかという点でした。満足できる回答はありませんが、里山と農産物を直接生産する場である農地を一体的に取り扱い、仕事と遊びが混在するような、言い換えれば、仕事を楽しみながらできるような働き方ができたのは、里山と農地とそして共生する生態系が織りなす世界ではなかったのかと思うのです。

 

NHK里山シリーズは、そういう現在も大切に生かされ続けている里山を見事に描写して、そこに生きる人たちや多様な生物の息づかいを見せてくれています。

 

都会で暮らす人は、クモやヘビ、蛾やハチなどいろいろな生物が登場すると、怖いと思うかもしれません。しかし、それこそ豊かな生態系を形成する仲間であり、重要な構成員です。無農薬の田んぼに入れば、蜘蛛の巣だらけです。ちょっと見上げればトンボが舞い踊っています。草刈りしているとマムシやシマヘビ、ジムグリなどと遭遇します。ハチもぶんぶんやってきますし、ま、生き物天国ですね。

 

そういった仲間たちがいるから豊かな生態系が形成できるわけで、これからも賢いおつきあいをして、日本らしい里山文化、村社会を残していければと思うのです。

 

さてテーマの目的は・・・?ま、今日はこの辺でおしまい。また明日。

 


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