170526 古道復活と農の道 <はたごんぼの歌 CDに Chojiさん・・>を読んで
昨夜はなぜかめずらしく眠気が襲ってこず、といって本を読むほどの気力もなかったため、映画の音声を録音しているのを聞いていると、30分もしないうちに眠ってしまいました。そして今朝も暗闇に目覚めるのはいつもと同じです。あまり疲れるほど仕事をしていないためか、気苦労がないためか、いやいや老化の兆候か、わかりませんが、この状態につきあうしかありません。
今日も和歌山まで往復したので、何かと忙しく、気がつくと5時を回っていて、さて何か書こうかと新聞記事やメールニュースを見ながら、大阪市営地下鉄の話題が大きくでていたので、一旦このテーマでいろいろ頭をひねっていたのですが、疲れが出てどうも論者の議論を詰め切れず、軽いネタにしようと方向転換、上記の見出しとなりました。
これがきまって書き始めたらもう6時30分です。ドライブで疲れていることもあり、毎日記者・松野和生氏が橋本市西畑のはたごんぼと、シンガー・ソングライター、Choji(チョージ)さんの話題を継続的に取り上げている記事を引用して、お茶を濁すというと折角丁寧に取材した松野氏に申し訳ないですので、拝借させていただくことにします。
まず、「はたごんぼ」といってもほとんどの人は知らないと思いますので、<あがらのまち自慢農産物直売所「くにぎ広場」(橋本市) いち押しの味、はたごんぼ /和歌山>に写真がありますので、これを見ていただきたい。
また、<はたごんぼ長~く、香りよし “幻のゴボウ”収穫本格化 橋本・西畑地区特産 /和歌山>によれば、<はたごんぼは、江戸時代から地元で栽培されていた伝統野菜。大きなものは太さ10センチ前後、長さ1メートル以上もあり、軟らかく香りもいいのが特長だ。>とのことです。
で、私も2度ばかり食していますが、最初に食べたときは、はたごんぼを混ぜたご飯だった記憶で、まずまずの味といった程度で、それほどの感慨はなかったのです。昨年秋、二度目に食べたときはこれはなかなかのできと思ったほどおいしく感じました。幕の内風に、はたんごんぼをコロッケとかいろいろな作品に仕上げていて、ご飯もいい味で、これはいいと思いました。手作り農家料理としてこれはいけると思った次第です。
で、このはたごんぼは、単に伝統野菜の復活にとどまらないのです。<はたごんぼ国史跡「黒河道」通り金剛峯寺に奉納 くにぎ広場組合メンバーら30人 高野 /和歌山>にありますとおり、
<橋本市西畑地区で栽培される伝統野菜で、幻のゴボウと呼ばれる「はたごんぼ」が、高野町の高野山真言宗総本山金剛峯寺に奉納された。
かつて山里の人々が徒歩で同寺に出向き、農産物などを収めた「雑事(ぞうじ)のぼり」の再現行事として昨年に続いて実施。はたごんぼを栽培する農事組合法人くにぎ広場・農産物直売交流施設組合のメンバーや県、市職員ら約30人が、高野山へ通じる七つの参詣道の一つで、今年10月、国史跡に指定された「黒河道(くろこみち)」を通って届けた。>
高野七口街道の一つであり、国史跡に指定された「黒河道(くろこみち)」に新たな息吹を与え、金剛峯寺に奉納する伝統行事、「雑事(ぞうじ)のぼり」を復活するという高い目標を抱いたものでした。
この行事に、シンガー・ソングライター、Choji(チョージ)さんが協力してきていたようでして、今度は歌を作り、CDまで出したというのです。<はたごんぼの歌CDに Chojiさんアルバム収録 橋本 /和歌山>では、<橋本市特産の大ぶりのゴボウ「はたごんぼ」をテーマに昨年、新曲を作ったシンガーソングライターのChoji(チョージ)さん(41)が、CDアルバム「風と土」を発売した。自ら現地で体験したゴボウ栽培や収穫を通した思いを歌詞に込めた「収穫祭~はたごんぼの歌~」を収めている。>とのこと。
「風と土」っていいタイトルですね。聞いてみたくなりました。<Chojiさんは横浜市出身。高野町筒香地区で荒れ田の再生に取り組むなど全国各地を訪ね、その土地に住む人々の暮らしや自然の風景を歌っている。>とのことですが、この「筒香」という名前で、横浜ベイスターズの筒香選手を思い出してしまいました。彼は西畑地区の少し東方にある恋野地区に実家があるそうですが、もしかして出所がこの筒香地区だったりしてなんて想像してしまいました。彼がなにか深い信念を抱いて野球に取り組む姿をNHK番組で見ましたが、それは高野山の宗教的背景があるのではなんて飛躍的発想になってしまいました。
それはともかく、いろいろ書きましたが、この黒河道を少し取り上げたかったのです。<高野七口街道 黒河道>でそのルートが示されていますし、google earthの3Dを見るとよくわかるのですが、かなり起伏のある山道を通ります。一旦上って、下り、丹生川上流にある玉川渓谷にでてこれを渡った後、どんどん上っていくきついコースです。そこには我が家からよく見える、雪池山、楊柳山の頂上付近まで上っていくわけですから、これは厳しいです。でも値打ちのある山歩きになるでしょう。
こういう活動があるからこそ、<雑事のぼり背負子でよいしょ はたごんぼ、高野山に奉納 徒歩7時間かけ 橋本 /和歌山>にあるとおり、<今年10月、世界遺産に追加登録された「黒河道(くろこみち)」を通り、約7時間40分かけて金剛峯寺に運んで吉井恵貫総務部長に託した。>とされるように、世界遺産に追加登録されることにもなるのだと思うのです。それは<「はたごんぼ」を栽培する農事組合法人くにぎ広場・農産物直売交流施設組合(岡本進組合長)>といった新たな組織作りで時間をかけて取り組んできた成果ではないかと思うのです。
その意味で、地域には隠れたお宝はいまも埋もれた状態にあるかもしれません。人の気持ち、仲間でやり抜く意思、協力が地域の再生になりうるいい見本をつくりだしてくれたと思いますし、松野記者も丁寧に継続的な取材をされていて、地元の一人としてうれしい限りです。
だいぶ体調がよくなってきたので、黒河道に挑戦してみようかと思うのですが、実際はどうなることやら。
松野記者の記事はまだまだありますが、今日のところはこの辺で終わりにしたいと思います。
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