バリ島 KAZUYAママの今日の閃き

誰かが言った。
人生における3大言語。
「頼らない」
「期待しない」
「あてにしない」

バリの火葬 その3

2005-08-14 11:46:38 | Weblog
3年ぶりに帰国をして、まだ日本の思い出が覚めきれないその朝、突然電話がなった。実家の3男嫁から「どこどこの誰さんが亡くなった。9時からよ。」「あぁ~~~。」
今週の私の計画は全て台無しだぁ~。「男は6時半だから弟に伝えてね。」
既に6時、ダンナに早く仕度をするよう急がすのだが、ダンナは全く行くなし・・・
(ちなみに自宅から実家までバイクで30分)
いつもそうなのだ。あなたはいいよね。影薄いし・・・私は日本人というだけで、
目立ってしまって・・・欠席すると後ろ指さされるから、渋々出かけるのである。
そ~んな具合に、葬式の時はいつもブルーなのだ。
しかもその日は月曜日、バリ人だって最近はお勤めされている人が多いので、欠席者が
わんさか。少人数でお供え物を決った数だけ作るのだから大忙し。
はじめは、井戸端会議的に楽しそうにおしゃべりしていた人たちも、段々疲れてきて
無口になっていた。私は、朝早く家を出たもので、朝食もしないまま作業をして、
お昼前にはお腹が空いてたまらなかった。
喪主が「食事をどうぞ・・・」と、声をかけてきたので、1番に歩き出した。
ビュッフェ式セルフサービス。お皿を受け取り、さぁ~ご飯を・・・と、
手を伸ばしたとたん、後からきたおばちゃん軍団に押されて列からはみ出し、ご飯もおかずも届かなくなってしまったのである。それを見ていた人がホラホラって
取ってくれたのだが、満足のいかない量だった。
でもこの後、お茶の時間がある。我慢しよう!!
さて、お茶の時間、「お茶出し手伝って。」と言われ、また私???
皆様にコーヒー、お菓子を配り終わり、やれやれ、じゃ~私も
「えっ?お菓子が足りない???」なんて今日はついてないんだろう?
この日は結局、夜の7時半までかかり、疲れたというより、空腹に耐えられなかった。私だけでなく、他のおばちゃんたちも疲れ果てて無言・・・
葬式は、他の儀式と違って、前もって準備が出来ないので、限られた時間内で
作業をするため本当に大変なのである。おしゃべり好きのおばちゃんたちも
ついつい無口になってしまう。いいんだか悪いんだか・・・
そして、火葬の日を迎える。この日。長男嫁と久しぶりに会話をした。
会話と言っても、長男嫁が「どうしよう・・・」と、深刻だ。
まぁ~当然のように「どうしたの?」と聞くと、待ってました!!かのように
「誰さんが逮捕されて・・・」その誰さんとは、同じバンジャール(集会所)の
おばさんで、彼女のボスである。そのボスはミニマーケットを経営しており
長男嫁はそこの従業員。灯油の無断販売をしていて警察に捕まったらしい・・・
バリ新聞にも載ったらしく、でも私は、彼女から聞くまで全く知らなかったのである。長男嫁は他の人から聞かれたら何て答えよう???って、心配しているのだ。
「聞かれても知らない振りしてたらいいよ。」と、アドバイス。
「そうだね。」って、意外と素直な長男嫁。
さて、火葬の時間、バリの火葬は時間がかかる。完全に焼けてしまうまで、2
~3時間はかかる。この待ち時間が暇で暇で仕方がない。
その間おばちゃんたちは?というと、おしゃべりに花が咲くのである。
余計なことまで目に入り、お節介を焼く。
「あんたのクバヤ(民族衣装の上着)いいね~~~。何処で買ったのよ。でも、
オッパイが小さすぎ、パットでも入れたらどうなのよ!!」大きなお世話である。
「あんたこそ太りすぎ、どうやったら太れるの?」って、言ってやりたいが
勇気がない・・・
「どこどこのダンナと、どこどこの奥さん、怪しいらしいよ。」とか、
全くどこからそんなデマが飛び出すのか?感心してしまう。
あっちでもこっちでも、おばちゃんたちが必死に真剣に語り合っているのである。
で、長男嫁が目に入った。口を尖らせ、目をギラギラさせ、みんなの注目を浴びながら、何かを語っているではありませんか。
そうか~~~。さっき私に言ったことのようだ。本当に呆れてしまう。
バリに噂話禁止令が出来れば、きっと彼女が1番に捕まるだろう・・・
そんな条例が出来ることを私は期待する。