今時のバリ人 完結の完結

　あっ！！このまま最終回なしで終わるところでした・・・。

さて、姪っ子のトレーニングは完全に終了しました。
なのに、うちに荷物を置きっぱなし、使用していたベッドのシーツや
掛け布団もそのまま。

　　　　　最後の始末まで、私が教えることないよね！？

　　　　　　トレーニング終了、2週間が経った。

　バリヒンズーには、鉄の日がある。
鉄から出来ている道具に感謝をする日、昔は、儀式に使うクリスや
料理に使う包丁、畑や田んぼで使う道具を奉ったのだろう。
現在は、バイクや車や電化製品も仲間入りをする。
うちももちろん、車やバイクにお供え物を捧げる。

田舎からたくさんのお供え物を持って、親戚が来てくれた。
そして、その中にドサクサまぎれに姪っ子もいたのだ。

どんな顔で、私と会おうというのだろうか？？？

「トレーニング期間、本当にお世話になりました。」

　　　　　　　　とか、

「最後は何も言わずに、帰っちゃってごめんなさい。」

　　　　　　　　とか、

　　　　　　いつ言うの？　

儀式が終わった。みんなでご飯を食べた。
寛ぎの時間、姪っ子の言葉をみんなが期待をした。

　　　　　　言わない！？

もう夜の10時、しびれを切らした。
みんなが席を立った瞬間、姪っ子が２階に上がっていった。

タンスの中の自分の荷物、ベッドの上にあった自分の荷物をかき集め
玄関を出た。

　　　　　　ちょっと、待て・・・・。

　　　　　　私の怒りが頂点に達した。

　　　　　　ふざけるのも程ほどに・・・。

何を言ったか！？覚えてない、覚えているのは、一言

　　　　　「今から、私をおばさんと呼ぶな！！」

　　　　　「縁を切る」

　　　　　　　　周りの人間が震えあがった。

でも、姪っ子は「へへ～～ん」とした顔をして、車に乗り込んだのだ。
もちろん、一言も謝ることなく・・・。

その後、私は悔しくて泣いた。

数分後、私の娘がこう言った。

「タンスの中に、りんごの芯が（乾燥した）まだあるよ！！」

　　　　　　　　　なぬぅ～～～～！？

そう、姪っ子は最後の最後に、私にゴミを捨てさせたのでした。

　　　　　　　　　ジャンジャン！！


　　　　　　　

今時のバリ人 完結 その１

　気分はモヤモヤ・・・姪っ子を見るたびに頭に血が上る感じだ！！

　数日後、滞納していた学費を払ったと聞いた。
姪っ子は新しいカバンを持っていた。どう考えても、指輪を売って
現金に換えたとしか思えない。

　実家に帰っても、長男夫婦の顔を見ることが出来ない。

　こんなんで、いいのだろうか？でも、あと半月の辛抱だ。

　そして、トレーニング終了1週間前。

姪っ子は休暇の前日、いつものように実家へ帰った。
いつもなら翌日の夜に戻って来るのだが、一日たっても二日たっても
戻って来なかった。

　まさか！！あのまま帰っちゃったのかな？

タンスの中を見ても服はそのままだった。
「ん？黒い物体」よく見ると、りんごの芯がカラカラに乾燥していた。
りんごを食べて、芯はそのままタンスの引き出しに入れたのだろう。
ゴミ箱はすぐ横にあるのに・・・。

　トレーニングが終了するという日の朝、電話が鳴った。

　「あっ、カメラある？」いきなり姪っ子の声。
　「何が？」と私。
　「カメラ貸して！！」姪っ子
　「仕事で使うから貸せない。」私
　「・・・・。」

私はすっかり、姪っ子が謝罪に電話してきたかと思ったので、
途中で腹が立ち、意地悪な態度をとってしまった。

　そして、姪っ子のトレーニングは終了したのだ。
　私たちになんの一言もなく・・・。