にわとりのにわ a hen's little garden

歌うたい時々クラリネット吹きの日高由貴のblog。
ちいさなこころのにわの風景をすこしずつ書きとめていきたいです。

ある一日

2014年06月02日 | 日々のこと
昨日の午前中は、アートステージ567さんに
Ikuo さんのアクセサリー展へ。

作品の美しさもさることながら、
ひとりのひとの人生から見える歴史に
いつも心をひかれます。

70年代のフランスと、Ikuo さんの個人史が
交差するところ。
http://mode-jp.com/ikuo_w/

アートステージ567さんでは、素敵な絵描きさんの
ナカガワ暢さんが、美味しい紅茶を淹れてくれました。

午後は、4年間お世話になった場所の最後のお手伝いに。

ここで学んだこと、出逢ったひとたちは
人生の宝物です。

「アジア人」はいかにしてクラッシック音楽家になったのか?―人種・ジェンダー・文化資本

2014年03月09日 | 日々のこと

コインランドリーで洗濯物が乾くのを待つあいだに、読書。

先日ある方にご紹介していただいた

吉原真里さんの

『「アジア人」はいかにしてクラッシック音楽家になったのか?―人種・ジェンダー・文化資本』
を読み始めました。

まだ最初のほうだけですが、とても面白く、刺激的な本です。
吉原さんの個人的な音楽の体験と、学問的な分析が、どちらかに偏ることなく、見事に噛み合っていると思う。

――文化批評を専門としてきて、学者と研究対象の関係についてもいろいろと論じてきたものの、自分の研究と音楽に向き合うと、学者としての分析的思考と、音楽をやる人間としての個人的な体験に、どのように折り合いをつけていいものか、途方に暮れてしまった。
そういったわけで、私にとってこの研究は、さまざまな格闘に満ちたものだった。(―「はじめに」より)

同じようなことに疑問を持って、考えて、格闘したひとがここにもいたんだな、とすこし前を歩いていくひとの背中を、またひとつ見つけた思い。

15年以上考えてきたことを形にするための、道しるべになりそうです。

古本で買ったのですが、前に読んだ人がちいさな字でいろいろと書き込みをしているのも、なんだか同朋という感じで、嬉しい。

@マクドナルド

2014年03月08日 | 日々のこと
マクドナルドのクーポン券をいただいたのでアップルパイとカフェラテで休憩中。

隣の高校生のカップルが空間図形の宿題を一緒に解いてて、微笑ましいです。

高校時代からずいぶん時間はたったけど、こどもみたいな楽しい大人たちに囲まれて幸せだよと高校生のわたしに教えてあげたい。




Ninja

2014年03月05日 | 日々のこと

先日、ある送別会で京都の忍者屋敷に行ってきました。
アトラクションもあり、メニューも面白いものが多くて、楽しかったです♪
ちいさなこどもから大人まで、海外からのお客様にも喜ばれそう。

個人的には、荒川静香さん似のクールビューティーな友人が、手裏剣などのグッズに目を輝かせ、刀を手になりきっていたのが面白くてツボでした。
くノ一、似合いすぎです(笑)

ちなみにわたくしは、たった3時間ほどの滞在時間中に3度も電灯に頭をぶつけ、お手洗いから部屋に戻る道で迷いまくり・・・くノ一の適性ゼロぶりを発揮しておりましたです(TT。)

毎日のパン

2014年03月04日 | 日々のこと

京都の老舗のベーカリー、進々堂さんでパンを買ったら、いしいしんじさんの短編小説のブックレットが無料で配られていたのでもらって帰りました。

100周年の記念品なのだそうです。

HPをみてみると、大正2年に進々堂を創業した続木斉(つづきひとし)は内村鑑三の門下生で、聖書と近代思想を学んだと書いてありました。

日本人として初めてパリにパンの勉強のために留学した人物でもあるそうです。

全然知りませんでした。

ケーキも好きですが、焼きたてのパンの香りや、なんとなく堅実な佇まいがとても好きです。

そういえば、いしいしんじさんの物語はパンに似ている。

ケーキより控えめで、贅沢というよりは、ささやかな日常のなかの幸福感を描いているところ。

結末がハッピーエンドではなくても、読者を絶望させないあたたかさがある気がします

シンデレラと、やさしい靴

2014年02月05日 | 日々のこと
先週末からひさしぶりにひどい風邪をひいて、寝込んでいました。

ずっとまえから行きたかったセッションやライブも断腸の想いであきらめ、
ほんとうはやらなければならないことがたくさんあったのですが、のばせるものはすべてのばし、ひたすらこんこんと眠り続けました。
自分でもびっくりするぐらい、何時間も意識がなくなるぐらい、昏睡状態でした。
おかげさまで、ずいぶん回復しました。

そんな夢現のなかでであった素敵な言葉。

「シンデレラのガラスの靴は、
シンデレラの足にしか合いません。
そして、世の中に山ほどある靴のひとつひとつが
『自分に合うかどうか』は、
履いてみなければわからないのです。
『みんなと同じようにやったけれど、
みんなと同じにならなかった』のであれば、
それはあなたの靴ではなかったことになります。
でも、だからといって、
『自分の靴が存在しない』ということにはなりません。
シンデレラの義姉たちは、
自分の足の踵や指を切り落として、
シンデレラのガラスの靴を履こうとしましたが、
『みんなのように幸せになるために、努力を重ねる』
というのは、それに似たことなのかもしれません。
シンデレラの靴は、シンデレラが履くしかありません。
そして、私たちは、
私たち自身の靴を、自分の足で探しにゆけるのです。」

―石井ゆかり『愛する力』

・・・そうそう。

不安になると、みんなと同じようにやってもできないことが、自分がダメな証に思えてしまうけど、そうじゃないんだなと思って、しみじみ嬉しくなりました。

みんな同じようにできてるように見えても、ほんとはひとりひとり違うはず。
ガラスの靴じゃないかもしれないけれど、自分の足にぴったりな靴も、
きっとこの世界のどこかにはあると思う。

追伸;・・・ちなみにいきなり現実の靴のお話ですが、「やさしい靴工房 Bell&Sofa」という靴屋さんの靴、やわらかくて足に馴染むものが多くておすすめです。
ぺたんこ靴も多いので、妊婦さんやママにも優しそうです。
交換も、一回は無料です。

In the wee small hours of the morning

2014年01月26日 | 日々のこと





尊敬するピアニスト、Phillip StrangeさんのIn the Wee Small Hours Of The Morning.

夜明け前に誰かを想うひとに語りかける、切ない曲。

透徹した美しい音と世界観に、いつも感動します。

フィリップさんとは、2月20日(木)、4月16日(水)に祇園のCANDYさんで共演させていただく予定です。

とても楽しみにしています。

くわしくはスケジュールをご覧下さい。


ジャズの天使

2014年01月22日 | 日々のこと


Near Billie Holiday's apartment.-NY.Harlem. Feb.2011.

ここ数日、ずっとある歌を聴いていて、あまりの深みと尊さに思わず涙が出そうになっています。

18歳のときに初めてジャズに出逢って、わけもわからないまま歌い始めたころ。

たくさんの、憧れてやまない歌手たちの歌声は、
「上手い/下手」という物差しをはるかに超えて、たった一声で空気を変えてしまうほど揺るぎない力を持ち、そのひとの人生が深く刻まれているように思えました。

自分の声が浅はかで薄っぺらく思えて、表現したいことには程遠くて、いつになればすこしでも近づけるのか、まったく見えなくて、悩んで悩んで苦しんでいたとき。

引っ込み思案で、臆病で、いつも自信がなくて、ほかの人の才能や華やかさを羨んでばかりいる自分の性格そのものが、ジャズヴォーカルというものとはかけ離れたものなのかもしれない、と思っていました。

「いまのあなたにはあなたにしか歌えない歌がある。
あなたは色気がないと悩むけれど、
わたしからすれば、10代のなにも知らないあなたの無垢な歌ほど色気のあるものはないのよ。もうそんな歌はいまのわたしには歌いたくても歌えないのよ。
いましか歌えない歌を大切にしなさい。」

と言ってくださったのは、当時教わっていた先生でした。

つい最近、ある場所で14年ぶりに再会した先生は、あいかわらず凛として美しく、憧れの方のままでした。

3年前、アルバイト先のホテルに、偶然Sheila Jordanさんという伝説的なジャズ歌手が泊まりにこられ、そのときに、死ぬまでに一度はいきたいと思っていたニューヨークに行くのは「いまだ」と思い、一週間お休みをいただいて、一番航空券の安い2月に、シーラさんに会いにニューヨークに行きました。

シーラさんにそのときのお話をすると、「Jazz Angel(ジャズの天使)の仕業ね」とおっしゃっていましたが、いままでにであった先輩たち、先生、素晴らしいミュージシャンの方々、友達、みんなとの出逢いは、ほんとうにJazz Angelの贈り物かもしれない、と思います。

再会

2014年01月07日 | 日々のこと

たまたまはいったあるお店で、大学時代の恩師にばったり遭遇しました。

直接の指導教官ではなかったけれど、受講していた教育哲学の講義で、目をきらきらさせながら、はずかしそうに早口で話されていた姿を思い出します。

「大学院時代、一度失いかけた学問への情熱を、実習にいった幼稚園で園児たちと遊ぶ中で取り戻した」とご著書のあとがきに書いておられました。

当時、内容は難しくて半分ぐらいしか分からなかったけれど、「ああこの先生はほんとうに学問が好きなんだな」ということを感じていて、先生の授業を聴くのが好きでした。

遅々とした歩みを続けるわたしに、「ある種の不器用さは、才能でもあるから、がんばって」と励ましてくださったのを思い出します。

10年以上ぶりにお会いしましたが、覚えていてくださり、
ひさしぶりに見る先生の目は、やっぱりあのころのまま、きらきらしていらっしゃいました。

嬉しい再会でした。