青木深 『めぐりあうものたちの群像-戦後日本の米軍基地と音楽 1945-1958 』 大月書店、2013年。
帰国したら読もうと思い、渡米前に買っておいた本を読み始めました。
その分厚さにずっしりとした年月の重みを感じます。
調査に7年、執筆に3年、刊行までに4年かかったそうです。
まだ読み始めたばかりなのですが、地に足のついた、丁寧に綴られた文章にひきこまれています。
何事にも、スピードと効率、目に見える結果を速くたくさん出すことが求められる風潮の中で、こんなふうに時間をかけてようやく形になる研究もあるのだと、示してくださっているようで、励まされます。
「経験された個々の具体的時間/瞬間」へのこだわり。
「未来のための現在」ではなくて、直線的な時間意識の「間隙」としての個別具体的な生きられた瞬間。
それらが、青木さんの五感を通して、どんなふうに綴られていくのか、読み進めるのが楽しみです。
http://www.otsukishoten.co.jp/book/b107196.html