…………………………(風来坊のまま 2)………
朝日新聞夕刊の内容を抜粋すると……。
中堅ゼネコンを三月に退職した福本悟美さんはこのほど建設現場でのエピソ
ードをまとめたエッセー「建設現場の風来坊」を自費出版した。
現場の親方や若い作業員との交流、工期に合わせるための工夫や安全管理など、
所長ならではの苦労話が詰まっている。
「『土建屋』とか、《こわいおっさんがいる》という建設現場のイメージを何と
か払しょくしたい」というのが、昨年から執筆に取りかかった動機。休憩時間
や作業終了後、一人ワープロをたたき、四カ月間で書き上げた。
エッセーには若い作業員を指導しながらミリ単位で鉄骨を組み上げていく様
子や「鍛冶工」などの専門とのやり取り、建設現場での豪快な焼き肉大会など
が紹介されている。
「建設工事の現場が、仕事熱心で優しい人々の集まりである事を知ってほしい」
きつい仕事というイメージを持つ若者に読んでほしい……。
「現場には家族を養うために汗水流して働く若者が多い。彼らへの応援歌のつ
もりです」・・・云々。
*************************************************************
マスコミの力が大きい事を感じましたね。
私への連絡電話番号が記載されていたので、問い合わせがその晩から届いて来ました。
「ヤチヨ市の角井裕子と申しますが・・・《子守唄》《風来坊》両方送って下さい」
と最初に女性からの電話が飛び込んで来た時には全く何の話なのか分からず、千葉県の八千代市に友人はいないし、間違い電話かと一瞬思ったのである。
「朝日新聞の夕刊に出ていましたから……」
「エッ?(私はまだ夕刊を目にしていない)」
「失礼ですが、建築関係のお仕事を誰かなさっていますか?」
「主人がM建設を退職になっていまして……」
(丁度私と同じ年代の現場所長でいらして、現在の置かれている境遇も同じようなのだろう)と勝手に想像して、先ずは郵送する準備に取り掛かった。
一方的に名前と送り先を言う人が多いのであるが、全国からの地名及び姓名を電話によって漢字に表すのは困難な作業になったし、本の代金振込み先の説明も簡素化する事態が生じた。
電話をして頂いた人に申し込み用紙的なものをFAXする事を先ず伝えて、それを返送して頂くようにしたが10分に一度は電話が鳴っている。
その忙しい最中でも私の話好きは止まらずに、読みたい動機を尋ねていたら、
「息子が今度ゼネコンに就職が決まったけど建築の事が親には全くわからないから……」
と仙台市の田村親哉様から聞かされて、10分以上も建設現場の楽しさを話たものだった。
夕刊が発行されて半年以上も過ぎた頃になっても、
「朝日新聞の夕刊で見たので本を捜していますが……本を送ってくださいませんか?」
と何としても読みたいので…という電話の声には嬉しいよりも感激させて頂いている。
とまれ、話をしていると《建設現場の子守唄》までも読んで頂けるとは全く予想もしていなかったので、手元に残っている《子守唄》は増刷の手配をする事になったのは嬉しい悲鳴であるが、増刷用の軍資金の調達には女房の機嫌のイイ時を待つしかなかろう。
もともと儲けようという魂胆がさらさら無いままに《建設現場の子守唄》を三刷りまで出版したのだから、売れた代金が手元に回収されていそうなものの、原価監理は出来ていない。
「自費出版は道楽だ」
と忠告を頂いたのが思い出されるが、ここで負けてはいられない。
小さな情報を目にした人に読んでもらうためには、今回も銭・金を言わずに初志貫徹である。
だが、『建設現場の風来坊』のダンボールの山積みをこれから崩すのに思案している中で、更に《子守唄》まで山が加わるのであるから、売り込む手段よりも置場所の確保に頭を悩ますハメになった。
しかし、話はここで終わらないのである。
今回もこの《建設現場の玉手箱》の山が出来る事を思えば、何の為に本を書いているのか自分でも理解出来ないところが、自分で恐ろしいのである。
一方、第三弾で終結する内容にはならないであろうから、起承転結の四部作にしようと、まだ第三弾が出来てもいないのに・・・思っているのだ。
(続く)
朝日新聞夕刊の内容を抜粋すると……。
中堅ゼネコンを三月に退職した福本悟美さんはこのほど建設現場でのエピソ
ードをまとめたエッセー「建設現場の風来坊」を自費出版した。
現場の親方や若い作業員との交流、工期に合わせるための工夫や安全管理など、
所長ならではの苦労話が詰まっている。
「『土建屋』とか、《こわいおっさんがいる》という建設現場のイメージを何と
か払しょくしたい」というのが、昨年から執筆に取りかかった動機。休憩時間
や作業終了後、一人ワープロをたたき、四カ月間で書き上げた。
エッセーには若い作業員を指導しながらミリ単位で鉄骨を組み上げていく様
子や「鍛冶工」などの専門とのやり取り、建設現場での豪快な焼き肉大会など
が紹介されている。
「建設工事の現場が、仕事熱心で優しい人々の集まりである事を知ってほしい」
きつい仕事というイメージを持つ若者に読んでほしい……。
「現場には家族を養うために汗水流して働く若者が多い。彼らへの応援歌のつ
もりです」・・・云々。
*************************************************************
マスコミの力が大きい事を感じましたね。
私への連絡電話番号が記載されていたので、問い合わせがその晩から届いて来ました。
「ヤチヨ市の角井裕子と申しますが・・・《子守唄》《風来坊》両方送って下さい」
と最初に女性からの電話が飛び込んで来た時には全く何の話なのか分からず、千葉県の八千代市に友人はいないし、間違い電話かと一瞬思ったのである。
「朝日新聞の夕刊に出ていましたから……」
「エッ?(私はまだ夕刊を目にしていない)」
「失礼ですが、建築関係のお仕事を誰かなさっていますか?」
「主人がM建設を退職になっていまして……」
(丁度私と同じ年代の現場所長でいらして、現在の置かれている境遇も同じようなのだろう)と勝手に想像して、先ずは郵送する準備に取り掛かった。
一方的に名前と送り先を言う人が多いのであるが、全国からの地名及び姓名を電話によって漢字に表すのは困難な作業になったし、本の代金振込み先の説明も簡素化する事態が生じた。
電話をして頂いた人に申し込み用紙的なものをFAXする事を先ず伝えて、それを返送して頂くようにしたが10分に一度は電話が鳴っている。
その忙しい最中でも私の話好きは止まらずに、読みたい動機を尋ねていたら、
「息子が今度ゼネコンに就職が決まったけど建築の事が親には全くわからないから……」
と仙台市の田村親哉様から聞かされて、10分以上も建設現場の楽しさを話たものだった。
夕刊が発行されて半年以上も過ぎた頃になっても、
「朝日新聞の夕刊で見たので本を捜していますが……本を送ってくださいませんか?」
と何としても読みたいので…という電話の声には嬉しいよりも感激させて頂いている。
とまれ、話をしていると《建設現場の子守唄》までも読んで頂けるとは全く予想もしていなかったので、手元に残っている《子守唄》は増刷の手配をする事になったのは嬉しい悲鳴であるが、増刷用の軍資金の調達には女房の機嫌のイイ時を待つしかなかろう。
もともと儲けようという魂胆がさらさら無いままに《建設現場の子守唄》を三刷りまで出版したのだから、売れた代金が手元に回収されていそうなものの、原価監理は出来ていない。
「自費出版は道楽だ」
と忠告を頂いたのが思い出されるが、ここで負けてはいられない。
小さな情報を目にした人に読んでもらうためには、今回も銭・金を言わずに初志貫徹である。
だが、『建設現場の風来坊』のダンボールの山積みをこれから崩すのに思案している中で、更に《子守唄》まで山が加わるのであるから、売り込む手段よりも置場所の確保に頭を悩ますハメになった。
しかし、話はここで終わらないのである。
今回もこの《建設現場の玉手箱》の山が出来る事を思えば、何の為に本を書いているのか自分でも理解出来ないところが、自分で恐ろしいのである。
一方、第三弾で終結する内容にはならないであろうから、起承転結の四部作にしようと、まだ第三弾が出来てもいないのに・・・思っているのだ。
(続く)