………………………(CADで作図 2)……………
近年、現場のわかる人(施工図経験者)にチェックを依頼する業務(会社?)が現れている。
普通、出来上がった図面は現場に納入して、若手現場監督が図面内容をチェックして、修正・訂正を加味し、作図者が再度修正して納品しなければ、満足な施工図には仕上がらないものだ。
今回、CADで書いてあるその図面をチェックして欲しいと頼まれた時、
「図面屋さんの手書き図をCAD化(昔風に言えばトレース)したものですか?」
「いや、図面は若手スタッフが書いているから…チェックだけを……」
(何と?パソコンでそれらしく書いてあるだけの事なのだ)
と我ながら物足りない施工図を見て、呆れ果てたものである。
パソコンの並んでいる部屋の中で机を与えられて、さて周囲の若者を見ると、設計図と向き合っている時間があまりにも少ないようである。
(さすがにパソコンだから…)
と感心したが、そう長くは持たず、頭が爆発してしまった。
どうやら外国で作図させて、あたかも(日本で作図している)とゼネコンを騙している。
どの国に外注して作図させても構わないが、日本製だと偽って作図を請負って、中国市場の超安価な世界に発注し、建築技術に係わりなく商売として建築業界を混乱させている。
施工図作図は本来、現場員の重要な仕事なのであるが、職員不足や工期の問題から、ある程度は外部発注せざるを得ないのである中を、現場応援ではなくて、安かろう悪かろうで一枚幾らの儲けでゼネコンに《施工図》を納品している事に対して、私は技術屋として許せない。
「チェック以前の問題だろうが!建築用語(単語)が間違っている!直せ!」
叱られた担当者の顔色に反省は一向にない。
それより、どこが間違っているのかさえ分からなく、眼もうつろなのである。
「CADなのに何でこんな事が違うの……」
理由をよく聞けば、
「私が作図したのではありません、中国で作図させていますので……」
中国であろうとなかろうと、施工図をゼネコンに納品するのに、明らかに間違った図面では建築屋としての図面価値も信用も全くない。
一例で言えば、日本のブロックは20㌢×40㌢なのに、柱から柱の間を等分した35㌢のブロック割り付け図があった。
設計図からデータをそのまま複写してから作図したようである。
「35㌢のブロックで、おかしいとは思わなかったのかね?」
等間隔で割り付けてあるから、半端が無くてピッタリ納まっていて、漫画的な絵であった。
情けないと言えばそれまでだが、この図面で建設現場に納品しているという厚顔無恥な図面会社にいれば、建築屋として今までのプライドが許さないから、
「得るモノは何も無くて、無くするモノばかりだから」
と言い、早々に紹介された《施工図チェック》の仕事とは縁を切った。
しかし、まだこの会社はゼネコン所長さん達から出入り禁止を食らいながらも、(安い図面ならいい)と言う二流現場を対象にして、施工図屋として存続しているようだ。
『安かろう悪かろう』
からスタートした図面から、決して建物が良くなる筈がない。
構造計算をどうこうする能力がないだけまだマシとは言えるが、所詮、ゼネコンを騙して低品質の施工図で稼いでいるのだから、そのツケは建物(施主)が背負う事になるのである。
途中まで書いていれば後はゼネコンが何とかするから……では施工図にならないのである。
施工図ミスに気が付けば、現場に行ってデータを修正すべきであるが、それもせず(出来ず)知らぬ顔で新たな現場へと営業を行い施工図を作図するのだから、また同じ繰り返しでしょうね。
少しでも現場期間中のミスを減らすには一番初めが施工図面であると言う事だ。
設計図⇒出来上がったらこうなるよ・・・と言うだけの基本図面。
施工図⇒このように創るのだぞと手順・寸法・詳細を職人に伝える為の工事実施図面。
「設計図」と「施工図」の違いの意味が分からない《施工図屋さん》がいて、建設現場を混乱させていると言う話である。
《続く》
近年、現場のわかる人(施工図経験者)にチェックを依頼する業務(会社?)が現れている。
普通、出来上がった図面は現場に納入して、若手現場監督が図面内容をチェックして、修正・訂正を加味し、作図者が再度修正して納品しなければ、満足な施工図には仕上がらないものだ。
今回、CADで書いてあるその図面をチェックして欲しいと頼まれた時、
「図面屋さんの手書き図をCAD化(昔風に言えばトレース)したものですか?」
「いや、図面は若手スタッフが書いているから…チェックだけを……」
(何と?パソコンでそれらしく書いてあるだけの事なのだ)
と我ながら物足りない施工図を見て、呆れ果てたものである。
パソコンの並んでいる部屋の中で机を与えられて、さて周囲の若者を見ると、設計図と向き合っている時間があまりにも少ないようである。
(さすがにパソコンだから…)
と感心したが、そう長くは持たず、頭が爆発してしまった。
どうやら外国で作図させて、あたかも(日本で作図している)とゼネコンを騙している。
どの国に外注して作図させても構わないが、日本製だと偽って作図を請負って、中国市場の超安価な世界に発注し、建築技術に係わりなく商売として建築業界を混乱させている。
施工図作図は本来、現場員の重要な仕事なのであるが、職員不足や工期の問題から、ある程度は外部発注せざるを得ないのである中を、現場応援ではなくて、安かろう悪かろうで一枚幾らの儲けでゼネコンに《施工図》を納品している事に対して、私は技術屋として許せない。
「チェック以前の問題だろうが!建築用語(単語)が間違っている!直せ!」
叱られた担当者の顔色に反省は一向にない。
それより、どこが間違っているのかさえ分からなく、眼もうつろなのである。
「CADなのに何でこんな事が違うの……」
理由をよく聞けば、
「私が作図したのではありません、中国で作図させていますので……」
中国であろうとなかろうと、施工図をゼネコンに納品するのに、明らかに間違った図面では建築屋としての図面価値も信用も全くない。
一例で言えば、日本のブロックは20㌢×40㌢なのに、柱から柱の間を等分した35㌢のブロック割り付け図があった。
設計図からデータをそのまま複写してから作図したようである。
「35㌢のブロックで、おかしいとは思わなかったのかね?」
等間隔で割り付けてあるから、半端が無くてピッタリ納まっていて、漫画的な絵であった。
情けないと言えばそれまでだが、この図面で建設現場に納品しているという厚顔無恥な図面会社にいれば、建築屋として今までのプライドが許さないから、
「得るモノは何も無くて、無くするモノばかりだから」
と言い、早々に紹介された《施工図チェック》の仕事とは縁を切った。
しかし、まだこの会社はゼネコン所長さん達から出入り禁止を食らいながらも、(安い図面ならいい)と言う二流現場を対象にして、施工図屋として存続しているようだ。
『安かろう悪かろう』
からスタートした図面から、決して建物が良くなる筈がない。
構造計算をどうこうする能力がないだけまだマシとは言えるが、所詮、ゼネコンを騙して低品質の施工図で稼いでいるのだから、そのツケは建物(施主)が背負う事になるのである。
途中まで書いていれば後はゼネコンが何とかするから……では施工図にならないのである。
施工図ミスに気が付けば、現場に行ってデータを修正すべきであるが、それもせず(出来ず)知らぬ顔で新たな現場へと営業を行い施工図を作図するのだから、また同じ繰り返しでしょうね。
少しでも現場期間中のミスを減らすには一番初めが施工図面であると言う事だ。
設計図⇒出来上がったらこうなるよ・・・と言うだけの基本図面。
施工図⇒このように創るのだぞと手順・寸法・詳細を職人に伝える為の工事実施図面。
「設計図」と「施工図」の違いの意味が分からない《施工図屋さん》がいて、建設現場を混乱させていると言う話である。
《続く》