安全大会講演(1)からの続き。(2)(3)のUPです。
……………(安全講演 2)…………(2009.10.30再up)
「会社の為にやっているのか、決まりだからやっているのか」
という所から、本音で話をしますよ。
皆さん、安全の反対は・・・危険ですね。
危ない作業を見た時に皆さん、何と言いますか?
当然、
「止めろよ、危ないよ!」
と作業中止の言葉をかけますね。
では、安全な作業をしている場合は「止めろよ」とは言わず、
「頑張れよ・問題はない?」
と良いコミュニケーションですよね。
では、安全~危険へ移る途中の時はどう言いますか?
皆さんがよく言う、
「気をつけろよ」
の連発なンですよ、無責任じゃあないの?監督としてそれでイイの?
危ないならば仕事を止めさせるのに、気をつけて作業させるから、事故が起きるんだよ、気をつけながら作業させて安全監理ですか?
「気をつけるように」
とは言葉で言えば簡単だけれども、危ないエリアに職人さんを入れていて、ただ無事故を祈っているのが現場じゃあないの?
こんな虫のイイ話を今まで、神様が聞いてくれましたか?
安全と危険の中間で作業をさせるのは、それはもう安全ではないンだよ。
信号で言えば安全は青。
危険は赤。
注意進行は黄色。
信号でも判断に迷う《黄色で突っ込む》から交差点で事故になるのと、現場で気をつけながら作業させて、事故が起きるのと何ら違いはない。
黄色なら交差点の手前で停止すれば事故がない、この簡単な事を、現場で何故出来ないの?応用出来ないモノじゃあないでしょ。
現場監理をする人は、現場は安全か危険かでなく、
「安全か、安全でないか」
で安全を判断するのが私の安全監理なのです。難しくはないンです。
危険という文字を使うのは、もう安全から飛び越えてしまっているのです。
危険を防止するために細かな決まりがあるけれども、そのような決まりや、法令をここで教育する気は私にはありません。
安全を確保したいのならば、安全の範疇に居ればいいだけの事で、
「安全か、安全でないか」
をモノサシにしたらどうですか?
災害事例とか危険予知からの安全教育という方法もありますね。
「高所作業とは地上から何㍍以上をいうのですか?」
と安全教育で習っても、現場では無災害竣工の決め手にはならないのです。
ハッキリ言って、今までの安全大会での講師の話が、役に立ちましたか?
去年来られた講師の話を、覚えていますか、実践していますか?
確かに机の上で安全と、労基署から注意を受けないための安全規則を学ぶのなら、ゼネコンの労務安全部長さんを講師に呼んで勉強してください。
安全値を頭に詰め込み、学問的に優等生らしい監督になれるでしょう。
私は、現場で事故を起こさせない監理の本音を話すから、どの会場で話をしても、若手は真剣に聞いてくれていて、安全になると確信して話をしてますよ。
《安全講演3へ 続く》
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…………………………(安全講演 3)…………(2009.11.13 再up)
あるゼネコンの安全大会で、〇×をつける安全テストの問題に、
「90㌢掘削した所に昇降階段と手摺は必要である」
が書いてあった。
今、〇×の答えは分かってるよね?
参加者に配ったこのテストが何を意味しているのか、不愉快になったよ。
必要であろうと無かろうと、誰が手摺を設置するのか主語がないでしょ。
大工が手摺を付けるのかい?
鉄筋屋さんが手摺の高さを気にするから数値をテストしているのかい?
そう聞きたかったのです。
これが安全大会の行事としての安全教育ならば、情けないのよ。
私はこの問題の答えに〇を付けたのだが、採点者は×を正解としたのが
もっと気に入らないのだ。
「1㍍以上から昇降階段と手摺を付けること、90㌢では取付不要で×」
法規上必要ないから取り付けなくてもいい、が正解だってサ。
「馬鹿じゃないの?安全担当者は!」と思ったよ。
高さが何㌢だろうと、大股開いて昇り降りさせて、現場が安全かい?
飛び降りた、滑ったの事故が絶対に無いと言い切れるのかい?
「あんたが不要と言ったから付けなかった、だから事故になった」
と怪我をした人から言われたら、何と答えるのかこの人は…。
「階段があれば絶対に起きなかった事故」
と後から反省するのなら、最初から付けておけばイイじゃん、それが
安全監理の基本じゃん。
安全衛生規則の正しい法令数値を知っているから、何だと言うの?
事故すりゃあ労災報告書を書くのは誰なのか、分かってるの?
気をつけて作業をさせなくても、安全か安全でないかで判断すれば、
規則がどうのと思う前に階段や手摺をつける事、これが私の安全監理なン
です。
難しいですか?
テストで満点取っても、翌日現場で事故してりゃ何の意味もないでしょう。
(ここらで、若手マンの目が輝いて来て、私も熱を帯びるのが分かる)
それから、安全書類についても言わせてもらうよ。
安全点検書類を増やして監理させているが、書けば安全になると思って
いる人は、どれだけいますか?
書類で現場が安全になるのなら、幾らでも書類を増やせばいいのです。
書類を作っても、毎日記入しても、職人さんからサインをもらっても
事故は無くなる事はない。
マンネリになっている安全日誌からは、一寸先の事故は見破られないのです。
危険予知活動も現場で重要な安全活動であるのだが、私にしてみれば、
「安全か安全でないか」
で点検しているので、危険を予知しながら作業させていない。
毎朝、危険を感じながら職人に作業させて、事故があれば
「あれほど気をつけるように言っていたのに…」
と監理不備を隠して、労基署に言い逃れる証拠みたいな書類があれば、
現場はいつも安全作業をさせている…つまり錯覚なのですよね?
毎朝、私ね一日千人以上いる現場で、竣工前の3ヶ月を安全担当で配属さ
れた時に、
《安全講演4へ 続く》