「大空の大航海時代」――果てしない大空を舞台に繰り広げられる船乗りたちの冒険物語――主人公・ヴァイスとアイカは、一人前の空賊として大空を自由に駆け巡ることに想いを馳せる見習いの船乗り。義賊と呼ばれる青の空賊「ダイン一家」の一員としてアルバトロス号に乗り込み、腕を磨く。ある日、敵国・バルア帝国の軍艦に戦いを挑み、囚われていた謎の少女を救う。裏表紙より。
セガサターンのRPGのノベライズ。
ゲームキューブ移植版の「レジェンド」をクリア済み。
あの爽快冒険活劇がどう料理されているのか!?
プロローグ 船の揺りかごヴァイスとアイカ、10歳くらい?
世界中の秘宝、世界中の冒険、世界中の神秘、世界中の脅威、世界中の・・・・・・夢。
どこまでも、どこまでも、どこまでも、どこまでも、どこまでも。
未来を信じる子供は純粋ですなぁ。
ククク・・・・・・だから・・・・・・だからこそ期待っ・・・・・・!
知れ・・・・・・現実っ・・・・・・!(下衆)
第一章 空賊大強襲!民間人を襲うのが『黒の空賊』。
今や青の空賊は、自由な空の守り手として人々からも認められ、船乗りギルドにも加盟している、立派な職業の一つである。
そしてその一員たるヴァイスにとって、この肩書きは次のものと同じだった。
「大空の義賊」
誇りを持って、今日まで甲板掃除をがんばってきた。
誇りのために、今日は気張って留守番である。
そういう『黒の空賊』だけを狙うのが『青の空賊』。
「ワンピースの読み切り版」にも同じ設定があったな確か。
今日の「ダイン一家」の獲物は「バルア帝国」の軍艦。
見習いのヴァイスとアイカは殴り込みに参加しないでお留守番。
・・・・・・のはずが、『軍艦には似つかわしくない』『お姫様』のような少女を連れて
軍艦から脱出しようとしている連中を発見し・・・・・・
ヴァイスとアイカの目が合った。俺達はツーカーだな。
二人同時にニヤッと笑う。
言葉はなくとも、互いに何を考えているのか、手に取るようにわかっている。
「もうじっとしてられないんだ!」空賊・ヴァイス&アイカ、初陣ッ!
「お叱りは後でね!」
誰もあの薄物の娘を助けないなら、自分たちが助けてやろうじゃないか!
それが青の空賊の心意気ッ!
自信に溢れた2人は華麗に少女を救い出・・・・・・せなーい\(^o^)/
「私に構わず、行ってください!」これで逃げたら『青の空賊』失格だぜ!
鋭く、そして透き通るような声だ。
こんな状況、こんな娘に、こんな声で、こんなことを言われたら、ヴァイスの空賊魂は、熱く燃え上がらずにはいられない。
・・・・・・『こんな~』の言い回しをなんだか純粋に読めないことに絶望。
危ういところまで追い詰められたものの、ダインたちの救援が間に合い、
ヴァイスとアイカはどうにか謎の少女・ファイナを救い出したのであります。
初老の空賊は、シッシッシと歯の抜けた口で笑う。こういうのいいなぁ。
「所詮、最初の留守番をじっと耐えた空賊など、このアルバトロスには一人もいやしませんて」
「その通り。だがヤツらにそれを教えるのは、まだ早いからな」
「わかってますわい」
ダインと初老の空賊は、イタズラっぽい笑みを浮かべて顔を見合わせた。
ファミリーな感じだ。
第二章 バルア帝国大逆襲!wktkが止まらないヴァイスでありました。
ファイナが、冒険への扉を開く鍵かもしれない。
ヴァイスの胸は、相棒アイカと共に飛び込む、冒険の予感に打ち震えている。
けれどもそれが、どんな冒険であるかは、想像できない。
そりゃそうだ、想像できる冒険なんて、冒険なんかじゃありゃしない。
ヴァイスとアイカは、恋人関係ではない。こんなに「相棒」って呼び方が似合う若い男女も珍しい。
少なくとも、二人がそう意識したことはない。
けれども二人が年頃になるにつけ、ダイン夫妻はこう思わずにはいられなかった。10代後半でそんな状態・・・・・・!?
・・・・・・一緒くたに、しておき過ぎたのかもしれない。
「異性より冒険」「冒険が恋人」みたいなのが行き過ぎてる感あり。
なんだかどうでもいいような、いらん心配と大きなお世話という気がしなくはない。けれども空賊島の年長者たちは、みんな二人の親のつもりでいる。まさにファーミリィー。
親というものは、いらん心配と、大きなお世話をするものだ。
そんな平和な空賊島に大事件発生。
ヴァイスとアイカが出かけている間に、バルア帝国の艦隊が島を襲撃したのです!
ヴァイスとアイカが出かけていたことは、幸運だった。おかしら、超有能。
とりあえず一艘の小船があり、採取したばかりの大きな月煌石もある。
そしてダインは、並の空賊の頭でもない。
でも・・・・・・『そのダインが今はいない』。
ヴァイスはニッコリ笑って、おフクロさんの肩を抱く。奪われたなら取り返せ!
「心配すんなって。俺とアイカで全員取り戻すさ。ファイナも含めてね。
だからおフクロは、俺たちを信じて待っててくれればいい」
ヴァイス&アイカ、出撃!
・・・・・・ヴァイスの『おフクロさん』がえらくおばちゃんくさい件はスルーで。
第三章 ドラクマ大船長登場!吹き飛ばされて\(^o^)/
「ウッソー!」
周辺の雲を渦巻かせながら、巨大な魚が現れる。
その鼻先の小船など、大魚の前では木の葉のようだ。
もうちょっとだけ続くんじゃ。
「ワシは長年、ヤツを追って追って、追いまくった。そしてやっとこの空域で追いつめて、後ひと息というところで、オマエたちが船に転がり込んできたのだ。船よりはるかにデカい巨大鯨『モービス』を追う男・ドラクマ登場。
放っておけば、また甲板から転がり出してしまうと、つい情けを出したのが悪かった。ヤツはその間に、逃げおったのだ。
まったく、オマエらなど放っておけばよかったわい」
なんだか恩着せがましい言い方になっちゃってるなぁ。
「オ、オマエらが勝手に飛び込んできただけなんだから勘違いしないでよねっ!」
って感じじゃなかったっけ?
ドラクマの船でどうにか船乗り島までは辿り着いたヴァイス&アイカ。
まずは船乗りギルドで情報収集だ!
「先日バルア軍に襲撃されたダイン一家のヴァイスとアイカ。軍に連れ去られた仲間たちを奪回すべく、バルアへ渡る手段を求めている。そうでしょう?」情報収集能力パネェ!
これなら今後の役に立つ情報を買えそうな予感!
でも2人は文無しなんだなー・・・・・・
「ねえギルドのおじさん、仕事を紹介してもらうにも、お金がいるの?」(。´・ω・)?
「その場合、人を捜している方からすでに戴いておりますので、さらに御代を戴くことはありませんが、お二人に限りましては、まずこれを使うという手があります」
と、主はカウンターの上に小袋を置いた。
「情報料です。さきほどバルア軍とダイン一家についての情報を売りに来た方が、半分はあなたがたの取り分だと、置いていったのですよ」おっさん、『ちゃっかり』しとるで・・・・・・!
いや、「ガキどもがどうするにしてもギルドには行くだろ」って考えて、かな!
2人には「自分たちの状況がネタになる」なんて思いつきそうにないし。
その情報料で新たなネタを仕入れ、ドラクマと取引したヴァイス&アイカ。
バルア帝国に潜入した2人は、仲間たちを、ファイナを救うことができるのか!?
続きは買ってね!
結論だけ言うと、まさに『大冒険のプロローグ』で終わる。
そして残念ながらノベライズの続きは存在しない。
『あとがき』によると『最初から読みきり』らしいんだけど・・・・・・
でも評判がよければ、続編が出るかもしれません。出ませんでした(´・ω・)
悪くはないんだけど、ゲームの爽快感には届いていない、かなぁ?
ゲームのヴァイスが漢前過ぎるとも言えるんだけど。
「若さ故の無理無茶」と「確かな実力に裏打ちされた自信」を併せ持つイケメンだから・・・・・・
結論:ゲームを買おう。
ゲームキューブはこれと「バテンカイトス(Ⅱ)」があれば十分だよ!