今日の108円

1日1冊108円・・・・・・最近そうでもない。

猫を背負って町を出ろ! 大槻ケンヂ 2001年7月25日 角川書店

2015-04-20 07:26:43 | 108円
「ヘンテコな位置から物事を見ると、表層のウラにあるキテレツなものが見えてくる」と、自ら拠って立つところを明確に表明するオーケン。そのヘンテコな目で、UFOや宇宙人、超能力など世間を跋扈するアヤシイものたちを、笑いをとるだけかと油断させつつ、その本質に鋭く突っ込む、息を吞むかのような鮮やかな技。オーケンの才気がそこかしこに満ち溢れ、読む人すべての世界観に激震を呼び起こす驚愕のエッセイ!
裏表紙より。
1996年5月「エッセイ SR311」を改題、加筆・訂正した文庫。
『よくわかんねータイトルだよなー』と『つくづく想い』改題し、その結果『これもちっとも意味わかんないよねー?』『ま、いいか』。これだけで、どんな本だかなんとなーく御理解頂けるかと。


第一章 青春の蹉跌

いかにしてやるか、だ!

 いやしかし、悩める若人にしてみれば、理路整然と生き方をレクチャーされるより、「空手をやれ」「本を読め」と、とりあえず没頭する何かを与えられる方が心も落ち着くものかもしれない。何かに打ち込んでいれば、悩む暇はなくなり、悩み事の最良の解決手段である時間の経過を主観的に促進させてくれるわけだから。
大山倍達(空手家)「君ィ、極真空手をやりなさい!」
北方謙三(小説家)「死にたくなったら読書百冊。うち二冊は太宰治。だが太宰は続けて読むなよ」
人生相談に対する回答が明確な人たちを挙げての考察。
「君ィ、極真空手をやりなさい!」の連発はギャグに思えてくるけど、これはこれでアリなのかもと思わされる(変な)勢いが確かにある。

餓狼伝2

「大槻ごめん、今日オレ、ソロの終わりのきっかけをまちがった。歌、入りにくかっただろう」
くっそwwwS君に直接謝れ!www

いかにして見つけるのか

 社会という「集団」に抗うための術が、なぜ族やチーマーという同じ「集団」でなければならないのか?
『彼らの一人一人が嫌いかといえばそんなこともない』『むしろ好きだ』としつつ、そういう連中は『大嫌い』でその理由を語る。
「根は悪い奴らじゃない」って言い方を聞く度にモヤってた理由がハッキリした。言ってることとやってることが矛盾してる点なんだな。

第三章 くるみパンノート

おたくもつらいのよ

 おたく型の生き方は、けして悪いことをしているわけではない。でも、現実逃避によって形成された人格であるために、避けて通れぬ現実に出会った時、モロさがはっきりと出てしまうという決定的な欠点がある。
ギクリ。
逆に考えるんだ、欠点がはっきりしているなら対策も立てやすいと考えるんだ。

九ちゃん、大丈夫か!?

「かなわぬ夢もある、がんばっても駄目な人もいる」というのがこの世の真実ではないのか?
「いつか叶う」なんてのは「(運が良くて)叶った人の理屈」でしかない。「それでもダメだったよ・・・」って現実はそこら中にある。
「夢」を「目標」・・・いや「予定」まで落とし込むことなく、「希望」で片づけるのが嫌いなんだな俺は。所詮他人事感が半端ねぇから。
どうしても他人の「夢」に口出しするなら、せめて考えてからにして頂けないです?

第五章 超常現象ノート

火星の恋人

 いいぞ、一途だ!純愛だ!
これは酷いオチ。

宇宙人とユーミン

 他にも、宇宙人遭遇芸能人の話はたくさんある。それが真実の体験かどうかは別として、一体なぜ多くの芸能人が宇宙人を「見て」しまうのだろう?
 いくつかの仮説が考えられる。
これは面白い考察。
特に『芸能人は心の弱さから神秘的な力や存在に加護を求める』説が鋭い。宗教に頼る人にも通ずると思う。



最初はノリが高田純次先生の本に似てると思いながら読んでたけど、読み終わってみると大槻ケンヂ先生の本だったなぁと。
これが20代の時の文章・・・だと・・・。

P.S.街を歩いていたら、偶然ロバとすれ違いました。面白いので一緒に撮った写真をお送ります。うふふ。

室井佑月氏の解説より。くっそwww最後の最後にwww
勇将の下に弱卒無し(上下関係じゃないけど)、面白い本は解説まで面白い。

一般人名語録 永六輔 1993年11月15日 講談社

2015-04-19 07:24:42 | 108円
またまた日本全国一億二千万人が創った名言・箴言・格言・警句。すごいものです!一般人が生みだす言葉の力強さと皮肉とスゴ味は。たとえば「今日も無事、小便できる幸福よ」――。本当にじっくり読んでみて下さい。何か痛快な気持ちになって、日本と自分の置かれた状況が見えてきませんか。どうぞ御愛読を。
元の本は1990年。
先日の本と違って、『発言者の年令、肩書、職業が一切無い』。1つだけ「昭和天皇の発言を引用した発言」を入れちゃったらしいけど、『その一言以外は生きている会話からいただいたもの」。つまりリアルにパブリックピーポーがスピークしたワード。
20年前からメモしてきたもので3冊目の名語録ということは、90年の7年前からの分、昭和末期~そして平成へ・・・な一般人の発言と考えるのが妥当、かな。

「本音で生きろなんて言うけど、建前で生きるのもカッコいいよ」

「宗教のために戦うなんて、そんなものは宗教じゃありません。もし戦うなら、自分と戦うことが信仰。そして人を愛することが宗教です」

「柔らかく、ねばり強い地金と、もろいけど硬い鋼を組み合わせてあるから日本の刃物はよく切れるんです」

「オレは年をとったという不安もあるよ、でも年をとってないんじゃないかという不安もあるねェ」

「日本人は良いものより、有名なものが好きなのです」

「宗教は信じることです。哲学は疑うことです」

「老人に生きがいを!無理言っちゃいけないよ。生きがいがなくなった人を老人て言うんだよ!」

「農家に嫁が来ないんじゃない。お前に嫁が来ないんだ!」

「ブスの方ってうらやましいわ。年をとっても落差がないでしょう。その点、美しいと言われて、それから年をとるのって、とても残酷よ」

「履歴書なんて終了札の入ったパチンコ台と同じだよ。この台は前によく出たよと知らせるだけで、これからも出るとは書いてない」



著者の解説が一切無いのに俺がウダウダ書くのは野暮ってもんだろう。
こういう「名言」が197ページ。1ページに4-5個かな。ちょいちょい『前川しんすけサンの面白い漫画』が入るのと、大きな文字で1個だけのページもあるから平均3個で計算してみても、載せも載せたりその数591個。「××個のルール」的な本どころか雑学本すら超えるお得感ですナ。
文庫版へのあとがき

 発言者の年令、肩書、職業が一切無いことが、「うまい」とも「ずるい」とも言われた。
俺は解説をしなかったことの方が「うまい」とも「ずるい」とも思った。
前の2冊だけでなく、こういう本の最新版も欲しいと思えた本。

何かに関する誰かの解説の賛否を考えるより、何かに関する賛否を考える方が楽しい気がする。

不思議の国のアリス ルイス・キャロル 矢川澄子(訳) 金子國義(絵) 1994年2月25日 新潮社

2015-04-18 07:37:24 | その他小説
ある昼下がりのこと、チョッキを着た白ウサギを追いかけて大きな穴にとぶこむとそこには……。アリスがたどる奇妙で不思議な冒険の物語は、作者キャロルが幼い三姉妹と出かけたピクニックで、次女のアリス・リデルにせがまれて即興的に作ったお話でした。1865年にイギリスで刊行されて以来、世界中で親しまれている傑作ファンタジーを金子國義のカラー挿画でお届けするオリジナル版。
裏表紙より。
タイトルとウサギを追っかけることしか知らなかったから買ってみた。
この本の元は1991年2月だから24年前の訳。

1 ウサギ穴をおりると

<ワタシヲオノミ>だなんて、けっこうなはなしだけれど、そこはお利口さんのアリスのこと、さっそくとびついたりはしなかった。「だめだめ、まず<毒>って書いてないかどうか、よくたしかめなくっちゃ」なにしろアリスは、ひとから教わったちょっとした規則を守らなかったばっかりに、やけどしたりけものに食われたり、そのほかろくでもない目にあった子供たちの話をあれこれ読んだことがあってね。たとえばまっかに焼けた火かき棒をにぎったりすればやけどする、とか、ナイフで指をうんと深く切れば血が出る、とかいったようなことで、びんに<毒>とあるのにかまわず中身をのめば、おそかれ早かれひどい目にあうことだって、アリスはけっしてわすれてはいなかった。
チョッキを着た白ウサギを追っかける
→落ちる
→広間で謎のびんを発見(←今ココ)
アリスは賢い子。結局飲むけど。次の行で。

6 ブタとコショウ

「そりゃ、あんたがどこへ行きたいかによるわな」とネコのこたえだ。
「どこだっていいんですけど――」
「そんなら、どの道だってかまわんだろ」
「――どっかへ行きつけさえすればね」アリスがいいそえると、ネコはネコで、
「あ、そりゃ行きつけらあ。ちゃんと歩きつづけて行きさえすりゃあね」
訊いた相手が悪かったと、ただプンスカはできない気分。

7 め茶く茶会
かけてることに気付くのに時間がかかった・・・ちょ、ちょっと今日睡眠短かったしぃ!
ちなみに、どんな茶会だったかは、
「まあ、もっとお茶をのんで」とウカレウサギがしきりにアリスにすすめる。
 アリスは思わず口をとがらせ、「まだひとつものんでないのに、もっとだなんて、むりよ」
「ひとつものんでないのに、それ以上のむなってわけにもいかないやね」帽子屋がいいだした、「もっとのめってのならば、お安いご用じゃないか」
まぁこんな感じ。(#^ω^)

11 だれがパイをとった?
 アリスは、白ウサギがリストをごそごそやっているのを見守りながら、つぎの証人ってだれなのか、わくわくしちゃってね。「――だってまだ、ろくな証拠もでてないじゃないの」そうつぶやいたほどだ。だからまあ、白ウサギがれいの甲高い声をはりあげて、「アリス!」って名前をよみあげたときのオドロキようを、思ってもみてごらんって。
そして物語は感動のフィナーレへ・・・。



一貫して「め茶く茶な話」なのに、なぜか不快感は無い。むしろ温かくて、安心を感じるとは・・・。
兔穴と少女

 緊張のきわみにあるアリス。その健気さ、いたいたしさのようなものは、黙っていても少女の立居振舞のどこかににじみでて、その面ざしに微妙な陰翳を与えてくれることでしょう。それが余人の目に美しく映るかどうかは軽々に判断ができませんけれど、少くともわたしにとっての少女アリスとは、そのような孤独な存在の代名詞であり、またその孤独のゆえにこそ、性別を問わずおなじような痛みを裡に秘めた人々の永遠の友人であってくれるであろうと、ひそかに信じつづけてもいるのです。
訳者解説より。
ああ・・・。
流石に訳しただけある。ルイス・キャロル自身のリメイク作品について『作者は何をとち狂ったか』なんて書いてるのも、作品を読み込んだからこその言葉か。

「名作は伊達じゃない!」ことを感じさせられる本。



最近賞賛より批判の方が多い気がする・・・否、多い。だけど、批判した本は全ページ灰にするべきってことじゃない。そういうのはたまにしかない。
賞賛(=同意)できることは、大体「もう読んだことある」んだよな。ネタが被ってる。新しい本は次々世に出てくるけど、結局大事なことは不変なんだろう。

今考えるべき問題は、本の選び方が不偏と言えるかどうか、かナ。その辺意識してるつもりではいるけど、俺が選ぶ以上は俺がみえる本しかみえないし。
つまり今度ブックオフに行く時はサイコロを持っていくべきである・・・否、サイコロを持っていかなければならないのである!

「職員室」の心の病 大原健士郎 2002年8月20日 講談社

2015-04-17 07:54:34 | 心理
問題山積の現代の教育現場。教師の精神障害の多発もさることながら、わいせつ行為、窃盗、暴行、殺人などさまざまな病理が露呈しはじめた。問題を起こす前に、教師自身、そして生徒や親、周りの人たちが「心の病気」に気づき、適切な治療が行われていたら……。
本書は実際の教師たちの臨床例を多数取り上げ、隠された精神性疾患の病理を明かし、併せて適切な治療法と対応策を詳細に解説。
この一冊で、教師や親の不安を解消!!
裏表紙より。
1997年7月『「職員室」の心の病』と1999年9月『学校の先生のための心の診察室』の2冊を再編集加筆し、書き下ろしも加えた文庫。
お得感が半端無いですねぇ。しかし2冊分+書き下ろしで259ページなら、元の2冊はペラかったか無駄が多かったのでは・・・つまり、この本もあまり期待できないのではと考えてしまうんですよ。ボクの悪い癖。
なお杞憂だった模様。


第一章 医師が手こずる患者は「先生」

教師に向く性格像を分析してみると

 理想的な教師の性格は循環気質、分裂気質、それに次に出てくるてんかん気質を少しずつ持っている性格ということになろうが、ただ、教師は生活が安定しており、身分も保障されるから生涯の職業に選んだという教師のなかには、教師としてあまりふさわしくない人がいることは事実である。
医者でも役人でもそうだろうけど、世のため人のため必死で働いたら結果的に生活が安定して身分も保障される・・・いや、されたんだろう。
そういう結果だけ見て、過程(というか前提)を見てない人間が残念な教師になる。残念な教師が増えれば教師という職業の世間的価値が下がる。保護者が教師を軽く見ていれば当然子どももそれに倣う。かくして子どものコントロールはますます困難になる・・・/(^o^)\

「素晴らしい教師とされる人」は「それだけのことをした人=非凡人」な訳で、そういう人に憧れて(目指して)教師になったなら「教師だって人間なんだ=凡人でも許されるべき」的な言い訳・開き直りは出来ないはずなんだよな。必死でやっても無理だったなら、著者が再三言う通り潔く教師を辞めるべきだ。

担任をやめたがる教師たち
 一九九九年四月六日、七日のジャーナリズムは、小学教師の三十五パーセントが学級担任をやめたいと思ったことがあると、大々的に報じていた。
以下その情報の概要。内容的に、学級崩壊だのモンペだのが騒がれ始めた時期かしらん。
 この新聞記事を読んでいるうちに、私は「なーんだ、この程度の資料なのか」とちょっとがっかりした。
へぇ?
 まずこの数字は、現在そう思っているというのではなく、これまでに考えたことがあるという数字である。もしそうだとすると、これくらいの数字になったからといって驚くことはない。
 私はかねがね、教師は「大変だ、大変だ」と言って騒ぐが、そうだからといって辞職する人はほとんどいないと思っていた。もし、日教組の資料で「教師をやめる人が多くなった」ということなら、私の考えちがいを訂正しなければと考えたが、やはりそうではないようである。
 現代は教師に限らず、どの職種でも大変な時代である。転職を余儀なくされたり、うつ病になったり、自殺をする人も少なくない。
 この資料は、教師だけを対象にしたものだが、科学性を持たせるためには、他の職種(地方公務員、銀行員、中小企業の社員など)にも同じような調査をして、比較検討してみるとおもしろいだろう。
他の職種の方がやめたい率が高ければ、全体で見れば教師は易しめの職種であるという結論に至るのは確か。
でも「皆が(も)大変だからあなたは大変ではない」という理屈は好きじゃない。「脚を骨折する方が腕を骨折するより大変である」が真だとしても、「だから腕の骨折は大変ではない」は成り立たない。

 おもしろいことに、「死にたい」という気持ちと「自殺をする」ということは、必ずしも結びつかない。
 人間は折にふれて絶望し、死を考える。悲嘆のどん底で「いっそのこと死んでしまいたい」「こんな世の中に生まれてこなければよかった」などと考えるのは、異常とはいえない。たいていの人が、そう考えるからである。しかし、自殺を決行するとなると正常とはいえない。
ヤツは“踏み越え”ちまったのさ・・・。
 シカゴのうつ病の権威クレイネス博士は、おもしろいことを言っている。
「自殺を考えたことのない人は教養のない人である」
 話を元にもどせば、学級担任をやめたいと思うことは、別に異常ではない。たいていの教師は、折にふれてそう思うだろう。
やめたいと思う分にはイインダヨか。
「やめたいけど(生活が安定してるから)やめたくない」とグダるのは最低。そういう患者の例も出てるけど、これは酷いと思わされる。

第二章 「まじめ人間」だからこそ陥りやすい心の病
神経症には「愛の鞭」が必要

 患者にしてみれば「とてもよい先生で優しい」といっても、治らなければよい医師ではない。「恐い先生だ、きびしすぎる」といっても、病気が早くよくなれば、よい先生なのである。
医師も教師も、その辺の加減・塩梅の見極め方がどこかで伝わらなかったんじゃないかと思う。
・・・どこだ?

「赤面すまい」と思えば思うほど赤面してしまう

 対人恐怖は、人間を恐れているのではない。人間関係がうまく結べるかどうかを悩んでいるのである。
 これと似たような症状を示す病気に、統合失調症(精神分裂病)という精神病がある。この病気では人間嫌いが症状の一つになる。彼らは孤独を好み、わずらわしい人間関係を避けてひっそりと生活する。友人も少なく、結婚にも関心が薄い人が多い。
ふむふむ、俺は0だから当てはまらないな。(きりっ)


第三章 理性よりも感情が勝ってしまう「感情病」

ケース3・新婚旅行中に自殺未遂を起こし、離婚した女性教師
過去の恋愛歴を隠して結婚したものの、旦那が良い人であるが故に耐えきれず・・・という話。
「過去の過ち=悪」であり「隠す=旦那を騙す=悪」である。故に「私は謝罪しなければならない」。
論理的にはおかしくない。有罪か無罪かで言えば有罪。
でも量刑判断が感情の問題になっている・・・ってことかな。
たぶんコレは「死刑にするほどではない」と思う人の方が多い、と俺も思う。だからうつ病の治療を受けることになったんだろうし。



時間の都合でここまで。
読み応えがある本。決してペラくない本を圧縮したに違いない。



メモ
折り目付けた部分を書きだしてから感想を書き入れることにするべし

心にズドン!と響く「運命」の言葉 ひすいこたろう 2009年2月20日 三笠書房

2015-04-16 07:47:05 | 心理
「僕はこの言葉で人生が変わりました!」(ひすいこたろう)
――何度でも読み返したい、最高の名言


成功する人は、成功する前に、「成功する言葉」と
幸せになる人は、幸せになる前に、
「幸せになる言葉」と必ず出会っています。

本書は、天才コピーライターが、人生に大きな影響を与える言葉に、
心温まるエピソードを加えた“新しい”名言集。

1ページ毎に、「生まれ変わる感覚」を実感してください!
前袖より。
『人生が変わりました!』『天才コピーライター』『心温まるエピソード』『“新しい”』
うさんくせぇー!!どこの通信販売だよ。俺が短気なら放り投げてるぞ、まったく。

はじめに――今日、あたなは「新しい自分」と出会います!

 魂がふるえる「新しい言葉」と出会うときこそ、「新しいあなた」と出会うとき。体に水が必要なように、心には名言がいる。あなたのハートをノックアウトする名言が!
『新しい』がキーワードなのはわかったけど、『あなたのハートをノックアウト』は(5年前の本にしても)言い回しが古くないか・・・ああ、そもそも名言とは「過去の発言」だからこれでいいのか。これで、いいのだ。

著者自身「そういう言葉の力」で難局を乗り切ったことを例に挙げてからの~
 たったひとつの名言を知っているだけで、人生がまったく変わってしまう。
 だから、そんな、ひと言を届けたかった。
 あなたに「新しい目」をもたらす、人生を一瞬で変える「運命」の言葉を!
ジャジャジャジャーン。
 この本は、名言の余韻を味わっていだたけるように、縁結びの神様、出雲大社から10分のところに暮らす画家の日野さおりさんに、かわいいイラストを添えていただいています。
ふむふむ。
 あなたといまこの瞬間、一生のご縁を結びました。
な…にィィーーーイ!?
あなた(=読者)と(著者は)いまこの(=「この本は画家がイラストを描いている」という情報が提示された)瞬間、一生のご縁を結びました。
なん・・・え?何?何が起こった?
「本の構造についての情報」と「読者と著者の縁」、論理的な繋がりが全く無い。それでいて『結びました。』って言い切られちゃった。
そんな押し付けのご縁なんざ即刻断ち切るッ!散れ!真神煉獄刹!

6
確信を持て、いや、確信があるように振る舞え。
そうすれば次第に
本物の確信が生まれてくる。

byヴィンセント・ヴァン・ゴッホ

エジソンのつぶやき
天才とは1%のインスピレーションと99%の努力である。
あ、ゴッホの言葉の解説を始めるんじゃないんだ・・・まぁそれはともかく、このエジソンの言葉が「ただ努力すればおk」って話ではないのは有名な話。
「エジソンは、電球が“絶対できる”って信じていたと思うねん。この“絶対できる”ちゅう確信が、1%のインスピレーションなんとちゃんかな」
著者の知人の解釈からの~
 1%のインスピレーションって、
「絶対に自分はできる!」
 その確信なんだと思います。
著者の解説。おお、ゴッホの言葉に戻った・・・うーん。
「ゴッホの言葉」の解説に「エジソンの言葉」を使うなら、そもそも「6 天才とは~」にすればいいんじゃないか?それに、この書き方だと「ゴッホの言葉の解説」と思わない人もいるような気もする。
内容自体は納得なんだけど、なんだかモヤる。

16
2人、3人に嫌われても、
あと地球には60億人いるよ。

by「佐賀のがばいばあちゃん」

みんなに好かれなくたって、大丈夫!

 たったひとりでいい。
 応援してくれる人がいる限り、何度でも立ち上がろう。
では「立ち上がれなかった人」は周りに誰もいなかったのか?
否、もっとも近くにいる奴が敵になったのである・・・テメぇだ!(どーん)

25
絶対に、絶対に、
絶対に
あきらめるな。

byウィンストン・チャーチル

100回やってダメでも、101回目がある!

 生きているかぎり、希望を抱くのです。そのとき、夢は必ず、あなたについてきます。
希望なんて言葉、チャラチャラ口にすんな!俺はその言葉が1番嫌いなんだ!



39
不幸はね、
貯まったら幸せと
交換できるんだよ。

byある小学生の詩

ピンチはチャンス!
 -1×-1=+1。マイナスとマイナスをかけあわせると、プラスになります。
うん、そうだね。
マイナス100×マイナス100=プラス10000!

 マイナスが大きいほどプラスも大きくなります。
 困難が大きいほど、遠くへ羽ばたけるということです。
うん、そうだね。
 そしてマイナス(-)が続いたらどうなると思いますか?
そのうちマイナス無量大数になるんじゃないですかね。
なお著者の考えとしては
 そうです。
 ご覧のように一直線になります。
 これが幸せへの道です。

 The road to Happiness.
「幸せへの道は直線である」と言いたかったらしい。
「マイナスは幸せに必要である」「マイナスは直線である」「よって幸せへの道は直線である」・・・「マイナスが続けば必ずプラスになる」って前提がおかしいからなぁ。
そもそも、何故この『不幸はね、~』の解説でこういう流れになったのかがわからない。
言ってることは「(不幸があっても乗り越えればいつか幸せになれるから)諦めんなよ!」でしかない。なんで算数始まったん?


ネタ元はマンガのキャラから著名な画家、科学者などの偉人まで幅広い。
選出された「名言」は、確かに「名言」だと納得できるものが多い。
だけど・・・著者の解説が論理的に残念な感じ。
解説の中で1番納得できたのが、上記の「著者の知人の言葉」なのはどうなのか。

全体的に「プラス思考でいこうぜ!」ってことを言いたい本だと思った。つまり根っからの悲観論者だる俺には合わない・・・うーん、違うな。「プラス思考を勧めているけど悲観論者を変えるほどの力は無い本」が正しい評価。これだ。(きりっ)