かりなの巣

代々飼っていた犬と同じ様に、かりなは庭で飼う番犬として貰った犬だ。
前に書いた通り、色々な事情で室内犬になった。

かりなは部屋で何をしてるかと言うと、何もしない。
テーブルの下（かりなの巣と呼んでいる）に潜って、ただひたすら、大人しく眠っている。
存在を忘れる位だ。


誰か訪ねて来たら、人が気付いた後から、かりなが気付いて慌てて吠える。
職務怠慢だ。
食べ物を持ってくると、必ずテーブルの下から出て来て、横にお座りし、おねだりする。
タダ飯喰いだ。
無視していると、食べ物をガン見し、ダラダラダラとヨダレを垂らす。
マーライオンだ（言い過ぎ）
そして終いには、キャンキャンと鳴いて、アピール。
その声はキンキンと響いて、テレビの音が聞こえない。
あげないといつまでも鳴き続ける。
ヨダレと騒音のダブルパンチだ。
躾がなってないと言われればそれまでだが、あの食い意地だけは頂けない。
そして、食べ物が無くなると、また巣に戻って寝る。
あー、私はかりなになりたい。

雷

ザーッと雨が降り出した。
突然、ゴロゴロ（野口ゴロゴロ…古い）
朝から雷。
まだ、ケージから出していないかりなが、暴れ出す。
鳴きながらケージをかじる。
そのせいで口元が歪んだ（母説）
放っておくと、歯茎、肉球、血だらけという大惨事になる。
臆病なかりなは、昔から雷が天敵だ。
慌ててベッドから這い出し、かりなをケージから出す。
怯えて暴れるかりなを必死で抑える。
捕まえていないと、かりなが避難先にしているパソコン台の下に潜ってしまうからだ。パソコン台の下はコードだらけで危険だ。

姉が大雨で雷が鳴る中、会社に出掛けて行った。

雷が鳴り響く中、濡れもせず安全な家の中で、怯えるおバカ犬と引きこもりは、密かにバトルを繰り広げるのであった。



世界一可愛い猫ここみちゃんが、ビビってる癖にすました顔で、廊下を歩いて行った。ここみの避難先、姉の部屋へ行くつもりだ。
かりなと違って賢くて可愛い。

何？

夜のお散歩中、いつものコースを歩いていた。
すると、いきなりかりながビクッとして踵を返す。
リードを引く私は、くりびつてんぎょういたおどろ…
が、
私には何も見えないし感じない。それにかりなはうんちをしてない(これ大事)
嫌がるかりなを引っ張って、先に進む。

少し、ドキドキはしたけど、かりなも何もなかったかの様に歩き出した。
無事、うんちをさせて、生還。

何が見えるのか判らないが、夜のお散歩の時はやめて欲しい。

離さんか飼い主

最近、かりなはお散歩に行く前や後に、庭で穴を掘りたがる。
何があるのか、一心不乱に掘る。
きっと、引きこもりになった飼い主様の為に
「ここ掘れワンワン」
正直飼い主掘ったれば、大判小判がザックザックザックザク…
そうすると、隣の意地悪爺さんが、かりなを借りにきて、何だかんだあり、かりなは灰になってしまう。

かりなが灰になると困るので、止めさせるべきか？
それとも、その灰で枯れ木に花を咲かせて、お殿様に戴くご褒美と、前に掘った大判小判との二重取りをするべきか？
この際、かりなより、銭か？

長い間、引きこもってるからか、おかしなけ皮算用を始める飼い主さんでしたぁ。
なんのこっちゃ

夏が来た！

シュワシュワシュワ…
いきなりクマゼミの鳴き声。
否応なく夏が来た。
気が付けば夏休みも、もうすぐそこに。
私にとっては憂鬱な夏。
人の幸せは毒。不幸は蜜の味。
胃が痛い。

かりなのお散歩中、蝉が羽化していた。
かりなが覗き込む。
しかし…
片方の羽は縮んだまま。
多分、この蝉は大空を飛ぶ事は無い。
諸行無常。
蝉をそのままに、かりなを引っ張りお散歩の続き。
あー、なんか悲しい