かりなのお散歩途中の家の、玄関からおばあさんが出て来るのが見えた。
びっくりさせてはいけないので、門の少し手前で待っていた。
(子供、老人、車、バイク、トラック…お散歩中は色々と気を使うのだ)
すると門扉を開けて出てきたおばあさんが、待っているかりなを見て
「きれいな目!」
と、一言。
滅多に褒めらないかりなは、気を良くした様で、スキップをしながら帰ったのであった(そんな風に見えた
)
キラッキラのかりなさん
★おまけの話★
11月29日「ももじの精」の回の続き。
修学旅行でバカな事をした夜に、幽霊が出た。
ホテルの事は余りよく覚えてないのだけど、古く、建て増しがしてあり、なんだかどんよりとして見えた(いい加減
)
私のグループが泊まる部屋に幽霊が出たのだが、私はと言えば、違う部屋を渡り歩いていてそこにはいなかったので、怖い思いはしなくて済んだ。
だからこのお話の幽霊が出たところは聞いた話だ(注・昔の話なので正確さに欠けます)
ここから聞いた話…
他の部屋のグループと2グループ10人位で丸く輪になりトランプをしていた。
部屋はぎゅうぎゅうだったと思う。
きっと、ギャーギャーかしましく騒いでいたのだろう。
その内のひとり、ベランダが見える所に座っていたN子がワナワナと震えながらベランダを指差す。
それと同時に
「入れて…」
と言う弱々しい声がベランダから聞こえた。
その途端、全員パニックになり、おやつとトランプが舞う中、入口のドアの前の襖から我先に逃げようと殺到、全員が挟まり詰まって動けなくなったらしい(後に、幽霊の怖さより挟まって動けなくなった方が笑い話となった)
その様子を見て、幽霊もさぞかし驚いた事だろう。
私が部屋へ戻ると、泣き崩れる子や、先生に事情を話す子、友達に抱きつき震える子、野次馬、部屋を片付ける仲居さんで、そりゃあもう大騒ぎしていた。
倒れた襖と部屋中散らばったおかしとトランプが、その時のパニックの様子を伺えた。
話を聞くと、青い人影を見た子、声だけを聞いた子、なんだかわからないけど同調して逃げ出した子がいた。
幽霊はきっと、楽しそうな子達を見て、仲間に入れて欲しかったのだろう。
本当に幽霊が出たのか?何かの見間違い聞き間違いか?どっちか解らないけど、修羅場にいなくて良かったぁ。
と、ひとり私は胸を撫で下ろしていた。
すると、片付けをしていた仲居さんが私にボソッと言った。
「出るのはあっちの部屋なのに…」
本当に出るんかい!それが1番怖いわ‼️
その夜は、眠れないと騒ぐ子達を先生が慰め、しばらく騒いでいたのに、すぐに寝静まる健康な高校生達なのでした。