湖のほとりから。

花と空と心模様を写真と詩と文に託して。

クチナシの花の姿を

2018-06-12 14:45:08 | ポエム
その白さ
襟足にも似て

ふと
見上げる君の
後れ毛を思い出す


その白さ
雨だれに濡れた

ふと
うつむく君の
か細い声を思い出す


助けてくださいと
そう聞こえたような気がして


思わずクチナシの花に
傘を差しかけた


この手は
もう君のものではないのか


この手は
もう君に許されないものか







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桜色の薔薇

2018-06-12 09:03:38 | ポエム
花開く
花びらが次第に開いて行く


艶めかしくもあり
可愛らしくもある


おもむろに
手を出せば
棘にやられる


ツンツンとしているわけでなく
棘があるから健気でしょ?
我が身は自分で守るものだって
強い女のフリをする


その棘にあなたはおののくの?


もしかして
その棘に尻尾を巻いて逃げて行く?


薔薇を摘みたい人は
棘が鋭いことに気づいて
薔薇を知ろうとする


『よく見てよ』
って薔薇が
さらに凛と立とうとするでしょう


その棘が
どこにあって
どこに触れたらいいか


『優しく扱ってよ』って
試されているのよ
薔薇に。


そして
信頼された者は
薔薇の方から
花びらを委ねられるんだよ



桜色の薔薇


美しいものほど棘を持つ


棘の痛みを乗り越えてまでも
手に入れたい者の心を
どれほど本気なのか
見ているだけなの


あなたが
手にしてくれるまで、ずっと








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