自宅でゆっくり食事をすることか出来ないでいる。
食べている側から母の片付けろのような目の合図があるのだ。
食べ初めて5分で合図が来るので、私はあわてて食べて片付ける。
作った夕食を味わう暇もなく片付ける。
いつの間にかそんな風になってしまった。
いつまでもゆっくり食べていることは嫌なようだ。
いわゆる飲んべえがいつまでもだらだらと呑んでいるのが気に入らない飲み屋のおばちゃんよろしく、片付けを迫られる。
私はお預けを食らった猫のごとくしょげている。
時には冷めきった夕食を食べる。
冷えたご飯とおかずを食べる。
朝は朝でうっかり母とキッチンで出くわしたら朝食を食べ損ねることさえもあるのだ。
昼は昼で一緒に食べないと怒るのだ。
したがって家に居るときは母の目の前で昼食を食べる。
美味しいご飯も美味しくはないのだ。
ましてや散歩は禁止になり、ウォーキングも禁止になり、門限が5時ではどこにも行かれない。
自宅でゆっくり食べ物を味わうと言うことをしたことがないのだ。
旦那と外出しても食べ終わればさっさと帰るのだ。
和むことがないのだ。
どこかで誰かと和みたい。
ゆっくりマスクを外して会話をしてみたい。
マスクの隙間から食事をして、マスクの隙間から飲み物を飲むのだ。
嘆かわしいとはこのこどたと思うのだ。