アマンドを出て本人と楽屋口から劇場内に入った。
客席は満員だった。
折り畳みの椅子まで出されていた。
私と本人は折り畳みの椅子に前後で座った。
いや本人と隣の席だったかも知れない?
やがてミュージカルが始まった。
始まって少しして回りの人達に本人があの有名な芸能人だと気づかれた。
本人と私は席を立ち、一番後ろのガラス張の席に移動した。
私は終始緊張していた。
途中から本人が私にもブログラムを渡してくれた。
劇場で繰り広がれるミュージカルより私は隣に憧れの本人がいることで緊張していた。
終わって事務所などに挨拶をして劇場を出た。
靴屋で本人が私にサンダルを買ってくれた。
そのサンダルは真っ黒くなったが、今でも私の手元にあるのだ。
その後オカダヤで主の内縁の夫の背広のボタンを探すも見つからず、タクシーに乗って帰ってきた。
タクシー内では私は終始緊張していた。
会話も出来なかった。
その時本人が着ていた服はおそらく主の服だと思われます。
何しろ本人は莫大な借金を抱えて着の身着のままでしたからね。