ちいちゃんのひとりごと

ちいちゃんのひとりごとを勝手気ままに書いています。

ある日の出来事

2023年10月06日 | 日記
それは私がそこで働きだして数日たった時だった。
主の計らいと本人の計らいで新宿の劇場に本人の後輩の舞台を見に行くことになったのだ。
自宅から紙袋一つできた私は着て行く服が無かった。
ましてや痩せて履いていたジーパンはぶかぶかだった。
ベルトを持っていなかったので梱包用のビニールひもでベルト代わりにした。
本人とマンションを出た。
本人が表の通りでタクシーを拾う。
本人と私はタクシーに乗り込んだ。
私は緊張していた。
離れて座った。
会話らしい会話は無かった。
ただ主の内縁の夫から頼まれた背広の取れたボタンと同じものを買ってくるように言われていたので、帰りに新宿のオカダヤに寄るように話したことは覚えている。
私が緊張しているうちに新宿の劇場に着いた。
本人と私は楽屋口から挨拶をして劇場の楽屋に行った。
本人の後輩の楽屋に行ったのだ。
途中で有名なミュージカル俳優にも会う。
本人は知り合いなので挨拶を交わす。
後輩は私と同じ年齢だった。
本人が後輩をかわいがるのはわかるが、後輩が私と同じ年齢だと言うことに私は嫉妬を覚えていた。
終始私は緊張していた。
本人が楽屋で後輩に挨拶を済ませると事務所に寄り、その後、劇場横のアマンドに行った。
私は終始緊張していた。
アマンドでは向かい合って座った。
たしかカツサンドとサラダとカフェオレのアイスだったと思うが頼んでくれて二人の前に運ばれてきた。
私はめちゃくちゃ緊張して思うように喉に通らなかった。
何しろ向かいの席に憧れの本人がいるのだ。
途中本人が気を利かせて事務所に行ってくると席を立ったが、目の前の食べ物も飲み物も私の喉には通らなかった。


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