夜中にお風呂に入った。
湯船で来月特養に入る母のことを思って泣いた。
本当は自宅で最後まで看とるつもりだった。
もはや自宅での介護も無理になり入院させた。
病院はコロナ影響で面会は10分だった。
毎回は無理なので数回行った。
行ったはいいがわずか10分ではたいした会話も出来ずに帰ってきた。
私の名前を間違えたり、妹だと言ったりもした。
自分が産んだ息子の名前も時折忘れていた。
自分が結婚した亭主の名前も時折忘れていた。
亡くなった祖父がまだ生きていると言ったりもした。
会話は時折とんちんかんだったが、以前より痩せた体は車椅子に乗せられても元気そうだった。
幻聴も幻覚もせん妄も薬のおかげで無いようです。
湯船で泣いた!
親孝行をきちんとしなかった自分を責めた。
母には謝りたかった。
たった一人の実母なのに、良く嘘をついて芸能人のコンサートやライブや公演に行った。
行くと言えば怒られるからだ。
子供の頃から私が芸能人を好きなのは心の支えだった。
友達らしい友達もいず、学校ではいじめの対象だった私は芸能人に心の拠り所を求めていたのだ。
あと数日したら母は特養に入るのだ。
最後に詫びたかった。
不甲斐ない娘だったことを詫びたかった。