『スカボロー・フェア』 サイモンとガーファンクル
”Scarborough Fair” Simon & Garfunkel 【YOUTUBEより】
1967年制作のマイク・ニコルズ監督によるアメリカ映画『卒業』の挿入歌です。
原曲はイングランドの民謡で、伝承されてきた物語や寓意を内容とした一種のマザーグース的な歌です。
スカボローはイングランド・ノース・ヨークシャーのリゾート地の名前で、タイトルの”Scarborough Fair”は古くから
続いているスカボローのマーケットのことです。
『スカボロー・フェアー』の寓話の由来は”Elfin Knight”(エルフィン・ナイト)であるといわれていて、中世の戦争で
死んでしまった騎士が悪霊となってスカボローに残した恋人を偲び、スカボローの市に向かう旅人に無理難題な
伝言を頼もうとします。旅人は悪霊から逃れるために魔よけのおまじないの言葉”Parsley, sage, rosemary and thyme”
とハーブの名前を繰り返し唱えて悪霊を退散をしようとしますが悪霊の無理難題は続きます。
この曲の歌詞はそんな悪霊と旅人との掛け合いになっています。
スカボローの市へ行くのかい?
”パセリ、セージ、ローズマリーにタイム” (南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏)
そこに住むある人によろしく言ってくれ、
彼女はかつて私の恋人だったから。
おまじないの”Parsley, sage, rosemary and thyme”のリフレインがとても効果的ですね。
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