クロムの備忘録的ダイアリー

定年後の日々の楽しみや関心事、具体的には写真、カメラ、観る将あるいは投資の話題などを綴っていきます。

三国志展

2019年07月14日 11時24分12秒 | 写真
先日は都内に出たついでに東博の三国志展を見学しました。
カメラマンにとって良かったのは展示物がほぼ全て撮影可能だったことです。
見学者は平日雨天の割には盛況で、根強い人気があるようです。
海外の方も来ており、中には中国人の母親が息子に熱心に説明してるのも見受けられました。




展示はいくつものコーナにわかれており、各展示コーナーの冒頭には親しみやすさを演出するためか、
横山光輝「三国志」の原画とNHK「人形劇三国志」の川本喜八郎作の人形が飾られていました。
一口に三国志展といっても内容は幅広く、興味の持てる部分のみ重点的に見ることにしました。


写真の青銅像は明時代の関羽像で、神格的誇張表現が見られない像だそうです。




興味深かったのは2008、9年に曹操の墓が見つかりました。
曹操は墓を質素にせよ、と遺言したそうですが金銀財宝などもなく遺言は忠実に実行された模様だそうです。
もっとも盗掘にあったので断定はできないそうですが、素焼きの焼き物なのが発掘されたことからほぼ間違いないようです。


もうひとつ曹操の魏と日本との関係では、三角縁神獣鏡があります。
卑弥呼が魏の皇帝から下賜された銅鏡は三角縁神獣鏡であるという仮説が有り、いまでもこの鏡は
国内産が魏産か学者の見解は分かれているそうです。
今展には三角縁神獣鏡に酷似した魏の方格規矩鳥文鏡(No.78)が出品されていましたが、両者には若干の違いがあります。
その一つが銘文の違いです。
三角縁神獣鏡(日本) 「銅出徐州」 原料の銅は徐州産の意味
方格規矩鳥文鏡(魏) 「同出余州」 銅出徐州を省略したもの。銅鏡では画数省略はよくあること
注:他にも細かい違いがあります。

ともあれ普段目にする機会のない中国の一級文物(国宝)が多数出品されているので貴重な見学となりました。