キラウエア噴火 民家35軒を飲み込んだ溶岩流 火口湖に異変「長期化のおそれ」
キラウエア火山からの溶岩流の噴出が続く米ハワイ島では7日、南東部のレイラニ地区で新たな亀裂が見つかり、溶岩噴出孔は12個に増えた。これまでに35軒の住宅が飲み込まれた周辺地区は、一面の焦土と化した。一方、山頂火口の溶岩湖では溶岩量が急速に減少を続けており、1週間で溶岩レベルが220メートル下がった。
米地質調査所(USGS)によると、レイラニ地区で延伸を続ける溶岩流の距離は、6日時点で3キロを超えた。最大マグニチュード(M)6.9の地震が発生した5日以来、M2〜3クラスの火山性地震が断続的に続いている。
山頂のハレマウマウ火口の溶岩湖では先月下旬、溶岩量が急増して、火口縁からあふれ出す「オーバーフロー」現象が観測されたが、先月30日以降、急速に減少し、この1週間で火口縁から220メートル下まで溶岩レベルが下がった。
火口湖の溶岩レベルが下がるにつれて、火口を囲む壁が振動し、周辺火口から大量の火山ガスや火山灰が放出されているという。米海洋大気庁(NOAA)の気象衛星スオミNPPは今月3日、ハワイ上空に広がる二酸化硫黄を大量に含む噴煙をとらえた。二酸化硫黄はひとの目には見えないが、大気中の水蒸気と化学反応を起こすと、酸性雨を降らせ、大気汚染や健康への被害を引き起こす有害物質だ。
USGSのハワイ火山観測所(HVO)は、「噴火活動は強まっており、これからも断続的に続くおそれがある。現在の活動は、南東部レイラニ地区に集中しているが、噴火活動が長引くと、他の地域も危険にさらされる可能性がある」と警告している。
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