眞ちゃんち

クラリネット奏者 橋本眞介Blog

広島の高校生対象の吹奏楽クリニック

2010年05月30日 | Weblog
朝からエリザベト音楽大学で毎年この時期に行われている広島県の高校生を対象とした吹奏楽クリニック。
クラリネットの生徒は僕のクラスで16人。夕方まで基礎を中心にレッスン。

楽器経験年数が3,4年とやってきた割には
まだ吹き始めの頃のペーペーのコシのない薄いリードを鳴らしている生徒がチラホラ。
その生徒たちはしっかりとしたリードをつけて太い音を出している他校の生徒の音を聴いて
自分の音の弱さが確認できただけでも今日来た意味がある。
そして全員そうだがもっといいマウスピースを選ぶべき。
いいリードを見つけるにはまず、いいマウスピースが必要だ。
もちろんいいリードでなければいいマウスピースにもあたらないでしょうが。
この辺りは「卵が先か 鶏が先か」的論争にまではいかないでしょう。
マウスピースもリードと同じく消耗品。
リードをセットする度、さわる度にマウスピースは変形します。
毎日3年も使えば音色が薄れてきます。

それでも物(楽器)としての優先順位で行くと
1:いいマウスピース、2:いいリード、3:いい楽器本体…。
プロのクラリネット奏者間でよく会話されることは
「なんのマウスピース使ってんの?」というくらい結構みんな気になってます。

最後に僕から高校生への質問してみた「君たちはなんでクラリネットを選んだのか?」
生徒は「本当は派手なソロを持つアルトサックスがやりたかったけど…ジャンケンで負けて…」
「私もかっこいいサックスが希望でしたが定員オーバーだったのでしょうがなく…」
「トランペット志望でしたが無理やり…」
などの声の中「バスクラの刻みがやりたくて…」という生徒も。
もちろん「最初からクラリネットに魅力があったから」という答えも。

「吹奏楽の中でのサックスはポップスなどのソロでは華々しくカッコよく見える。
しかし吹奏楽のオリジナル曲やオケの編曲物の中でクラリネットパートの重要なポジションは
もしかしたらサックスの人達は逆に君らを羨ましく思ってるかもよっ」
てな話をしたら満足げな顔しており、今では皆すっかりクラリネットに夢中に見えます。
もちろんどのパートも重要であり、魅力のある楽器ばかりですが。

そんな生徒たち、すでに3,4年楽器を経験してきて
この感受性豊かな時期に得た技術と経験は一生忘れないでしょう。
大人になっても吹奏楽でも、オケでも、アンサンブルでも、どんな形であれ
クラリネットと一緒にいる生活を送ってほしいと思う。

そして、刻んでみたいと言っていたそのバスクラ希望の彼女、
中学3年に念願叶ってバスクラを1年間ほど吹くことができたが
高校生になって学校にバスクラがなく今は並クラをやってますと。
で、彼女は昨日終わった後に
「マウスピースのいいものを購入しようと思います」とメールしてきました。ガンバレー!!