リード調整と5月本番の自主練習。
昼過ぎから教授会。
昨日のオーディションの講評を聞きに木管金管の学生達が研究室にゾロゾロとやって来た。
学生達は真剣にオーディションに立ち向かい、今何が自分に足らないのか、何で上手くいかなかったか、自分の音はどうだったか、真剣に私のアドバイスに耳を傾けてくれる。
真剣に聞いてくれる生徒に、上手くいかなかった所に嘘はつけない。本当の事を述べ改善策をアドバイスする。時に悔し泣きする者もいる。
もちろん良い所をさらに伸ばすよう褒め称える事もある。時に嬉し泣きする者もいる。
今の学生ってどうなんだろうと考えることがある。
楽器を持って部屋で黙々とさらうことだけが練習と思うのだろうか。
もちろんそれがさらうということだが。
私の学生時代は大学にやたら人が多かった。
練習しようにもレッスン室は殆ど空いてなく良くて廊下、昼休みはロビー、おまけに17時〜20時(練習のゴールデンタイム)に私のような貧乏学生は大学近くの中華料理屋でほぼ毎日バイト、ヘトヘトになりながらももう一度大学へ戻り閉門までの1時間を効率よくさらうしかなかった。
夜10時に寝て朝の5時半起き、大学は6時から開くので6時から9時まで朝練することも日課になったこともある。でもそれは楽器を吹く時間であった。
夜は6畳一間のボロ下宿で音が出せない環境にあり、譜面と向き合い、譜面を良く読む練習とそこから生まれる表現(ファンタジー)を想像した。
譜面をしっかり頭に入れる事は必要。楽器を練習するくらい同じ時間のイメージトレーニングやアナリーゼが要る。(よくピアノの人が宙か天を仰ぎ両指がバタバタしている光景を見ますね。)
寝る前に本番を想定したイメージトレーニングが始まり、全然寝れない時もあった。
特にドビュッシーには悩まされた。
でもそれが辛いとか苦労と思ったことは全くなく、音楽の力の方が何十倍も勝り、常に喜びがあった。
今の学生もおそらく同じような気持ちで音楽に真剣に向き合いもがいているに違いない。
そうやって頑張った学生達とこうやって試験やオーディションの後に1人1人と話をするのがとても良い時間で大好きだ。