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午前中レッスン、昼過ぎから吹奏楽授業。
曲は櫛田鐡之助の元禄、西村朗の秘技Ⅳと小長谷宗一の祝典序曲。
小長谷さんの祝典序曲は28年前(1995年)に名古屋音楽大学創立30周年を記念して書かれた曲で、音源がないのでいずれ録音をしてみようと思う。
元禄も秘技も昨日、今日くらいに生徒に楽譜が配られたと思うが今日のリハーサルはどのパートも良くさらってくれて、いいリハーサルになった。
秘技Ⅳ
ひたひたと始まり、次第に速度をあげて高まって、最後は虚空に炸裂消滅する幻想のマーチ。
深い森の闇の向こうから、魔物の集団のような行進が近づいてくる。その群れにあっという間に包み込まれ、引きずられ、あおられるように自分も行進に加わる。
行進は全体がひとつの生き物のようにうねり、線状や点状に様態を変えつつ諧謔し、興奮し、狂乱し、叫びわめいて最後は疾走状態となり、ついには中空に炸裂するように消滅する。秘儀の祈祷が呼び起こす一種悪魔払い的な交響幻想行進。打楽器群の行進リズムに乗って、旋律的あるいは点描的なユニゾンが展開される。東洋風な旋法が現れ、一部ではバリ島のケチャ風なユニゾンも奏される。
前作、秘儀III〈旋回舞踊のためのヘテロフォニー〉が3拍子の舞踊曲であったのに対し、このIVは2拍子のマーチ。両曲は姉妹作である。IIIと同様に各楽器の使用音域も演奏が容易な範囲にとどめている。
(西村 朗)