近鉄学園前駅すぐの西部公民館。短歌講座の講師として伺いました。市内でも利用数がとても多い西部公民館。「大人の学舎」という講座はシリーズで、ユニークなのが、「班」を作られ、その班が活動の単位となるところ。今回の短歌講座も、班で短歌を発表するなど、講座が進めやすくよいなと思いました。
プロデュースする奈良町にぎわいの家では、「はじめての短歌」ということで、歌人でヤママユ編集委員の喜夛隆子先生に教えていただいています。そのサポートをしながら、全く初めての方でも、ゲーム感覚で楽しんで自分の言葉を作っていかれる…。31文字という形がある、これこそが一番の武器で、そのリズムにはめようと、言葉を考えるのですね。
今回の参加者は80人、ということで、まずは、声を出しました。これはいつものことなので、私自身もリラックス。外郎売の一部も読みました。後で、大きな声で名歌を読むための発声…になるはずが、皆さんが作った歌の紹介で時間いっぱいとなり、声を出して調べを楽しむところまではいかずでした。
まず、短歌ゲームとして、既知の歌の一つ言葉を抜いて、皆さんに自由に入れてもらいました。
師の前登志夫の歌も。
□□□とはやさしきことば立枯の木にふりつもる雪のしづけさ
すると、皆さん、いろいろ考えて下さるんですね。地名が二つ上がり、なるほどと思いました。「室生」「大和」というものです。「むろう」…確かに優しいですね。前先生の元歌は…。
見舞ふとはやさしきことば立枯の木にふりつもる雪のしづけさ
ところで、元歌と同じ言葉が出た歌もありました。
うっすらと脂肪をつけてゆくように貯金を増やす一年だった(田中櫂)
この歌は「脂肪」を抜いて皆さんに言葉を入れてもらったのですが、「コロン」なんていう面白い言葉も出て、下の句のイメージがそれで随分変わるので楽しかったです。「脂肪」には、太るイメージと共に、現代社会の、余分で過剰なものにまみれる感覚もあれます。こうした言葉の裏にあるものの背景を、直感的に捉えらて「脂肪」と答えられたのかも!
後半は、上の句に続けて下の句を詠んでもらいました。初めての方ぱかりで、ちょっと難しいかなと思いましたが、なんの、皆さん、どんどん黒板に書いてくださいました。実はこれは難しいよね、と思ったのですが、前先生の、
青空のふかき一日ことばみな忘れてしまひ青草を刈る(前登志夫)
下の句を消して、自由に皆さんに作ってといいながら、これは皆さん、作らないだろうと思っていました。ところが、
青空のふかき一日ことばみな空に帰りて心やすけし
と出たのでびっくり!上の句の空に呼応してそのまま詠んだと言えますが、言葉の本質をさらっと詠んでおられ、感心しました。
前先生のことも紹介させてもらいながら話しましたら、なんと、「奥様はお元気ですか?」という受講生の方が。同じ大学の同窓ということで、更にびっくり!こういう出会いは本当に嬉しく…。
さて、この講座を企画。進行してくれた公民館の若い職員さん、ありがとうございました。ここまでも既に、班で講座を経験されてきた参加者の皆さんですが、そのグルーブが楽しく、学びを進めていかれるように、明るくはきはきと、テンポよいお声かけで進めてくれました。それを見ながら、こうした職員さんの努力が、お互いの顔を知り、つながりを保ち、地域を育て覇気を与えていくのだな、と感じました。公民館、頑張ってますね!それと…これからも皆さんが、短歌、ちょっと気になるなあ、と思って下さっていますように。
プロデュースする奈良町にぎわいの家では、「はじめての短歌」ということで、歌人でヤママユ編集委員の喜夛隆子先生に教えていただいています。そのサポートをしながら、全く初めての方でも、ゲーム感覚で楽しんで自分の言葉を作っていかれる…。31文字という形がある、これこそが一番の武器で、そのリズムにはめようと、言葉を考えるのですね。
今回の参加者は80人、ということで、まずは、声を出しました。これはいつものことなので、私自身もリラックス。外郎売の一部も読みました。後で、大きな声で名歌を読むための発声…になるはずが、皆さんが作った歌の紹介で時間いっぱいとなり、声を出して調べを楽しむところまではいかずでした。
まず、短歌ゲームとして、既知の歌の一つ言葉を抜いて、皆さんに自由に入れてもらいました。
師の前登志夫の歌も。
□□□とはやさしきことば立枯の木にふりつもる雪のしづけさ
すると、皆さん、いろいろ考えて下さるんですね。地名が二つ上がり、なるほどと思いました。「室生」「大和」というものです。「むろう」…確かに優しいですね。前先生の元歌は…。
見舞ふとはやさしきことば立枯の木にふりつもる雪のしづけさ
ところで、元歌と同じ言葉が出た歌もありました。
うっすらと脂肪をつけてゆくように貯金を増やす一年だった(田中櫂)
この歌は「脂肪」を抜いて皆さんに言葉を入れてもらったのですが、「コロン」なんていう面白い言葉も出て、下の句のイメージがそれで随分変わるので楽しかったです。「脂肪」には、太るイメージと共に、現代社会の、余分で過剰なものにまみれる感覚もあれます。こうした言葉の裏にあるものの背景を、直感的に捉えらて「脂肪」と答えられたのかも!
後半は、上の句に続けて下の句を詠んでもらいました。初めての方ぱかりで、ちょっと難しいかなと思いましたが、なんの、皆さん、どんどん黒板に書いてくださいました。実はこれは難しいよね、と思ったのですが、前先生の、
青空のふかき一日ことばみな忘れてしまひ青草を刈る(前登志夫)
下の句を消して、自由に皆さんに作ってといいながら、これは皆さん、作らないだろうと思っていました。ところが、
青空のふかき一日ことばみな空に帰りて心やすけし
と出たのでびっくり!上の句の空に呼応してそのまま詠んだと言えますが、言葉の本質をさらっと詠んでおられ、感心しました。
前先生のことも紹介させてもらいながら話しましたら、なんと、「奥様はお元気ですか?」という受講生の方が。同じ大学の同窓ということで、更にびっくり!こういう出会いは本当に嬉しく…。
さて、この講座を企画。進行してくれた公民館の若い職員さん、ありがとうございました。ここまでも既に、班で講座を経験されてきた参加者の皆さんですが、そのグルーブが楽しく、学びを進めていかれるように、明るくはきはきと、テンポよいお声かけで進めてくれました。それを見ながら、こうした職員さんの努力が、お互いの顔を知り、つながりを保ち、地域を育て覇気を与えていくのだな、と感じました。公民館、頑張ってますね!それと…これからも皆さんが、短歌、ちょっと気になるなあ、と思って下さっていますように。