日々のできごと。生物準備室より

理科教育、生物教育に関して考えたことをぼちぼち更新。たまに授業実践報告をします。

当たり前を疑ってみる(No.2)

2019-01-24 20:57:41 | 最近読んだ本

ヒトがいまあるのはウイルスのおかげ! ―役に立つウイルス・かわいいウイルス・創造主のウイルス

クリエーター情報なし
さくら舎

インフルエンザウイルスが流行するこの季節。
勤務校も例外ではなく、学級閉鎖も。

インフルエンザウイルスに限らず,
ウイルスには良いイメージがありません。

「ウイルスは病原体」
「ウイルスは小さい」
「ウイルスは生物ではない」などなど。


そんな前提となる認識に対し、
ホントにそうなの・・・?と疑問を持つきっかけとなる一冊です。

 

どんな対象・分野でも、
当たり前と思っていることを、一度、疑ってみる。

その気づきから前進する。

進んだ先はそれぞれかも知れませんが、
まずは疑う、からスタートすることは共通するのですね、多分、
物事が進むときには。

 

帯にある「ウイルスを知ると世界の見方が変わる!」は、
ウイルスの見方を知るとの方がフィット感あり。
見方、大事です。


1年のはじまりはWHYから(No.1)

2019-01-06 22:32:20 | 最近読んだ本
WHYから始めよ! ―インスパイア型リーダーはここが違う
クリエーター情報なし
日本経済新聞出版社


大雑把に読んで終えていた一冊。
気になるところだけを記録します。

第2章 飴とムチ

Pp21.L4
人間の行動に影響を及ぼす方法は、ふたつしかない。

操作(マニピュレイト)するか、鼓舞(インスパイア)するか、だ。

L21
ビジネスから政治まで、あるいはセールスからマーケティングまで、どんな世界でも操作がはこびっている。なかでもよく見られる例を紹介しよう。価格を下げる。プロモーションをおこなう。恐怖心を利用する。周囲と同じ行動をとるよう仲間集団から圧力をかける。上向志向のメッセージを送る。あるいは、あなたが行動を変えればイノベーションが起こると訴える。(略)操作にすっかり依存してしまうのだ。無理もない。操作には効果があるのだから。

 

 

 

人間の行動に影響を及ぼす私たちの職務。

“操作”と“鼓舞”にあたる振る舞いを、どれだけ意識しているのだろうか?
とふと疑問に感じました。
“操作”することこそ教員の本務、と本気で取り組んでいる方々、沢山いらっしゃるような気がしてなりません。

 

 

第3章 ゴールデンサークル

 

P60,L5
はたしてWHATで自分を定義してきた多くの企業や産業は、長きにわたって生き残っているだろうか?あまりにも長いあいだ同じ手法をとってくると、新たなテクノロジーに対抗したり、新たなものの見方を獲得するのが、ますますつらい任務となる。

 

 

 

 

 

現場にいると、山のようなWHATリストが降ってきます。出処はいろいろです。
HOWまで細かく指定され工夫の余地もないことも多々あります。
さらに、個人レベルでWHATを定義して苦しむことも。
「○○科は××だから~」や
「校種が違うから」
「偏差値が違うから」等、
バージョンは多数あり。
結局、視座をどこに置くかで見え方が変わってきます。
自分がどの位置で感じたり考えたりしているのか?
自由に動く余地があるのか?
自問自答です。

 

P64,L6-

(略)このように、私たちはどこに行こうが、価値観や信条を分ちあえる相手を信頼する。

 

 どこかに帰属していたいという願望は、非常に強力だ。だから私たちは、どこかの一員になるためなら苦労をいとわない。

 

 

 

今となってはありがたいことに、
自分自身の価値観や信条に相当するものに対して、
理解を示されないだけでなく、
問題ありとジャッジメントを受けるという経験があります。
経験不足や興味関心の方向性の相違いなど、
相手にも少なからず要因があったと、
今では分析できます。そして、分ちあえない時の不信感も痛いほど。

 

価値観、はいつごろから身につくのでしょうか?

 

仕事で接する中学生は、立派にそれぞれの価値観があります。

 

3兄妹の成長を思い返すと、
生まれてすぐの授乳時から、それぞれの主張があったように思います。
生まれた瞬間から、1個体のホモサピエンス。

 

尊重すべき存在。

 

第5章 明快さ、厳しい指針、一貫性

 P82,L4-

終始一貫したWHATには「本物であること」(オーセンティシティ)が求められる。「本物であること」「真正であること」を意味する「オーセンティシティ」は、企業や政治家がよくまき散らしている言葉だ。本物であることが大切ですと、だれもが熱く語っている。(略)本物であることは、成功の必須条件ではない。だが、永続する成功を望むなら、必須である、ここでもまた、もとをたどればWHYにたどりつく。自分が心から信じていることを言い、行動に移す。それがオーセンティシティだ。だが、自分のWHYがわかっていなければ、志や理念を言葉であらわすことなどできない。自分のWHYと行動が矛盾せず、終始一貫していなければ、本物にはなれない。WHY抜きで本物になろうとするのは無駄な努力だ。そんな真似をしても、結局、ニセモノで終わるのだから。

 

 

 

第6章 危機に瀕する信頼

 

P98,L3

 

会社が従業員を酷使すれば、それは次に、客にたいする従業員の態度にあらわれる。山頂から土石流が落ちてきて、ふもとに立っている人間がまともに一撃を食らうようなものだ。

 

 

 

P192,L8

 

勝ちたいという欲望は、本質的に悪いものではない。ところが得点だけが成功の基準になると、問題が生じる。そもそも、最初に動機としていたはずの自分のWHYを忘れ、得点稼ぎだけに夢中になってしまうからだ。

 

P124,L8

 

内部の人間が守られていると感じるからこそ、すばらしい組織が生まれる。企業文化を強く意識するからこそ、帰属意識が生まれ、それが安全ネットのような役割をはたす。上司や同僚が、そして組織全体が、自分のことを見守ってくれているとわかっているからこそ、社員は安心して出勤する。その結果、全体のために働こうとする意欲が生まれる。個人の決断、努力、行動が、組織全体に長期的な利益をもたらす。そしてまた、その利益を守るようになるのだ。

 

 

 

同型性。

 

どれだけ気づけるか。
どれだけ気づく人を増やせるか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第12章 WHATとWHYの乖離

 

P220 数値化できないWHY

 

 


真正の学習

2018-12-16 23:03:44 | ワークショップ・研修に関すること

現代アメリカにおける学力形成論の展開・石井英真(2011)東信堂 p183

 

この図、だよなぁ。

この図の①②の違い、だよなぁ、、、、。

知識発見型の①と、
知識構築型の②の教師の立ち位置の違い。

次期学習指導要領に関する資料や書籍を読んていると、
あくまでも①の域を越えていないところに物足りなさを感じます。

ただ自分自身の読解力が不足しているだけでしょうか、、、。

①で慣れ親しんだ場合、
それは教師であっても学習者であっても、ですが、
②の環境は心地よいものではなく、
受け入れにくいと思います。

だから敢えて前面に出ない?


科学者の時間ふりかえり(1)

2018-12-16 21:58:14 | 探究に関すること

本当は、、、
本当はその都度記録していくことが一番なのですが、
そうもいかない時間の流れ。
完全に記憶から消え去る前に、記録します。

夏休み明けの8月最終週、
中3理科(2分野)の授業は、天体分野からスタートしました。

導入で確認したことは、「理科」の授業とは何ぞや、から。


学習指導要領そのままです。
変わったことをしているんではないんだよ、
のアピールに伝わっていたかも知れません。
でも、不安にはさせたくない気持ち一心でした。
さらに、

科学的な見方・考え方の視点。
この時間に身に着けてほしい視点の提示。

勉強、いつ始まるのかな、と待つ学習者もいれば、
面倒そうに聞いていたり
妙にうなずきながら聞いていたりと、さまざまでした。

続けて、
「わかる」とは何か?
インプットしたものをアウトプットするまでに起こる「わかる」には
どんな側面があるのかを紹介しました。



よく見られる

「~について分かった」
「~について理解した」という記述は何を指すのか?

ウィギンスとマクタイが提唱する「理解の6側面」です。
学習者に提示することが最適かどうかは???ですが、
1学期と比べて、記述内容が具体的になったと思います。
意識して記述している場合に限りますが、、、、。


分かった事を具体的に書く、は結構難しいのです。
新たに事実を知ることは、単なる知識の習得。

この単元の最後に、
「使える」まで到達し、探究活動を実施するのがゴールだよ、
ここから、科学者の時間が始まりました。

教室での様子は・・・・
4クラスともリアクションがほとんどありませんでした。
聞き流しているような、
言われたことは淡々とこなせばいいと思っているのか
少なくとも、ワクワク感は全くなく、スタートしました。






科学者の時間ー天体分野ー(3)

2018-11-23 14:49:32 | 探究に関すること

天体望遠鏡で太陽を見てはならない理由を検証する女子班。

ブタの眼球にルーペで集めた光をあて、
どこが損傷するかを確認していました。

さて、どのような考察をするのでしょうか?



科学者の時間ー天体分野ー(2)

2018-11-21 22:04:43 | 探究に関すること

白夜について興味をもったboys班、
なにやらお制作。
生物実験室にあった、1年生使用済みのコケを用いて実験開始。

光が全くない状態
光が垂直に連続であたる状態
光が水平に近い角度で連続で当たる状態
+自然光で日夜も自然の状態

を設定した様子。

1日経過でこの結果。

うーん、色が全然違うねぇ
現在、実験継続中です。



他の惑星では、音の聞こえ方は違うのか?に挑んだboys班。
他の惑星の大気を再現しようとしたけれど、難しいことが判明。
そこで、
大気の組成が違えば音の聞こえ方は違うのか?
に問い立てを変更。


防犯ブザーに防水テープを巻き付けた自作装置で実験。
何故、水上置換かは謎でしたが、任せました。

聞こえ方、何だか違う・・・。
音が違うかどうか、周波数を測る、・・・どうやって?

実験途中で時間切れの班、多数。
まだまだ物足りない感じ。

あと何時間、できるんだっけ?

この質問が素直にうれしく感じた一瞬でした。



科学者の時間ー天体分野ー

2018-11-19 22:24:01 | 探究に関すること

中3理科天体分野、ついに科学者としての活動を開始しました。
1学期は生物分野でお稽古なしにスタートしたところ、
パニックゾーンで右往左往する状態。
そこで、反省(授業者の)を活かし、
8月末から始まった2学期では、
ミニレッスン&ミニレクチャーでお稽古のあと、スタートです。

まずは定番と言えば定番。天体の見え方を模型で確認。



なにやら骨組みも制作中

おおっと、クレーター付き月!!



突然、落下速度を計りだす・・・?


そして何といっても今日のブラボー


ミニ天体をいくつか作成して・・・

チリが漂う宇宙を水と絵の具で再現し、
天体を通過させたところ・・・・


おぉ!惑星の輪を再現。


さて、明日は何が起こるか、楽しみです。

 


このブログについて

2018-11-16 23:35:00 | このブログについて

実験助手として公立中学校に勤務していたころ、
ベテランの先生方の授業に自由に出入りしながら、
中学理科の面白さを発信したい!!
と思い始めたこのブログ。
最近、気になること・興味があることをベースにカテゴリーを変更してみました。

おこめプロジェクト
2015年あたりから、
おせんべいとおかきの食べ比べから始まり、
お団子と白玉団子の違いは?遺伝子の違いは?
と、とことんお米の違いにこだわってきました。
詳しくはこちら「イネの胚乳を題材とした突然変異のパターンを学ぶ実験教材の開発



自由研究ネタ
これまでで一番、アクセス数が多かったページです。
スカイツリー制作のページに、
自由研究のまとめサイトからリンクが貼られていたことが要因のようです。
今となっては、かわいかった長男との思い出のページでもあります。


学習評価に関すること
「評価」にもいろいろあるのねーをつれづれなるままに。
教職大学院在籍中に試みたランチタイム・ワークショップを紹介しています。
仕事よりも、子育てに大切なエッセンスを感じる「評価」。
がっつり向き合いたいなぁ、評価におけるの同型性について。


ワークショップ・研修に関すること
授業見学や参加した研修会の記録等。

探究に関すること
児童生徒の探究はもちろんのこと、
大人の探究の時間って楽しいし大切ですよねー。
発信を避けてきたところを、あえてカテゴリー化してみました。


生物教育に関すること・中学理科に関すること
授業実践の一コマを中心とした記録です。







 


学校組織で取り組む『探究』の指導デザインを考える研究会

2018-09-22 20:50:32 | 探究に関すること

ベネッセ主催の研修会に行ってきました。

気になったところだけメモです。


<全体を通して印象的だったお話>

 

探究活動における教員自らの問い立て:
Doingばかりに目が向いていないか
Beingに意識にはむいているのか
閉じた学びになっていないか。
全体性を失っていないか

 自分たちのbeingを耕すこと
常識の捕らわれをいかに手放せるか。

 

社会からの要請がある中で、
無意識にとわわれることがある。
その捕らわれを、玉ねぎの皮をはぐように剥ぐ必要がある。


学習者の視点で:

探究はまず、固定概念を壊す・・・自分を壊すことから始める。
自分の内面に気づくことから。

ある時をきっかけに、

他者ベースの発言から、自分ベースの発言に変容した。
自分はどんな気持ちか、自分はどうか。


授業(学級?)担当者が常日頃から開示している。
あ、自分はどうなのか?に。気づき、認識するようになる。

 

参考資料に、ピーター・センゲの「学習する組織」が挙げられていました。
講演の中では、メンタル・モデルのディシプリンと、
ダイアログで始まるチーム学習というディシプリンを意識して組まれているんだろうなぁ
という部分があり、あこがれ?を感じました。

学校そのものが「学習する組織」をめざしているんだろうな・・・・。

学習する組織――システム思考で未来を創造する
クリエーター情報なし

英治出版

 




<問いを生成するための技法・工夫>

〇小学生のような質問に対して、問いの細分化して検証可能なものまで落とし込む。その生徒とじっくり話して、何に興味があるのかを抽出していく。
〇覚えることが日々の学習スタイル、を脱記憶スタイルに変えるところから。
〇体験の中で自分の興味関心を見つける。
〇問いをひたすら出す時間をつくる。哲学対話で学ぶ。開始前の3月に教員研修を行う。

参加者からの質問でした。
この辺りは手法の話。
それでも話し手が前提としているものがそれぞれことなり、
それぞれ話して終わったという感じでした。

 

 

<面倒見の良さについて>

〇面倒見のよさって、これからは危険だなって、関わることで、承認をゲットしているのは、教員ではないのかな。探究になった場合は、必要の無いことは手放さなければならない事前の準備は必要なんだけど、生徒が自力で進むのを邪魔しているのはないのか?

 

〇面倒見の良さって何なのか?身につけさせたい学力が変わってきた。

以前は護送船団的に運んでいく。
これからはスタートは手助けするそして、我慢して見守る、

 

〇探究を始めた初期、ずっとついて教えてしまう流れができていた。
大学の先取りをする必要もないし、つもりもない。
先生たちに教えないでください、というと、
言われた先生は生徒に対して、
答えは先生の頭の中にあるけど、たどりつけるかな?という態度をとる。
生徒は、先生の答えにたどり着かなきゃいけないのか、と思ってしまう

「でも、誰も答えを知らないこと」にチャレンジすることで、
先生も知らない、先生も一緒に考えるっていうことが大切。
問題を再設定する能力って大事。

 

 

〇面倒をみる、失敗させない、を学校の売り。
いきなり変えるのはむり。
でも、問いかけの仕方は変えられるかな?と思った。
教員の問いかけ能力を磨くだけで変わるのではないかと。
そこを信じて、問いかけ、見て待っていたり、まなざしだったりが大事。

 

 

〇めんどうみの良さは、時代によって求められているものが変わっている。
彼らが求めているものは、失敗しない実験。
答えの提示がないと不満、

マインドを変えていく、その考え方に迫る指導は必要。
マインドが変わっていくために必要な校内での進め方。

 

〇何が足りなかった、生徒にも聞いた。探究が目的になっていた。
探究が目的で、プロセスを見ていなかった。
どうやったら、広められるのか
マインドとバリューを一致させないといけない。徐々に近づける。
担当者の自分らしさを担保しながら。

 

パネルディスカッションの司会者のコントロールから外れた途端、
パネラーから生の語りが得られたように感じました。

探究活動に必要な要素は、
・安心して学べる場づくり
・探究する力を育むためのプログラム作り
・適切なコンテンツ準備
・適切なアセスメント
だと思っています。
今日の研修会、は上2つに関して収穫があったと思います。
実践者の発言をは会を通して「授業者自らが探究を楽しむ」、

果たして、授業者は全員、探究活動を楽しんだことがある、
という仮説は、しっかり?棄却されるのでしょうか?

 


模型ってすごいよね、写真だって伝わります。

2018-09-16 23:00:01 | 中学理科2分野(生物)

某ミーティングの前に、
国立科学博物館の特別展に行ってきました。

http://www.kahaku.go.jp/exhibitions/ueno/special/2018/konchu/index.html

ちょうど2学期にはいってから、
中2理科「動物の分類」で無脊椎動物を分類しているところ。

 

これだけ大きいと、
「頭」「胸」「腹」が嫌ほど分かります。



足に節で「節足動物」
節が嫌ほどわかります。



見ているだけで痒くなりそうな、蚊。
口の形状と虫刺されの瞬間が、嫌ほどつたわります。
拡大すると、ザ・複眼で見つめられているようです。



模型っていいですね。
大きくしているから特徴が伝わりやすい、
本物ではないから動かなくて虫嫌い派には安心。





Gっだって、異様な輝きを放っていました。