日々のできごと。生物準備室より

理科教育、生物教育に関して考えたことをぼちぼち更新。たまに授業実践報告をします。

一条校に勤務しているから読んでみた

2018-08-14 11:23:57 | 最近読んだ本

深い学び
クリエーター情報なし
東洋館出版社


気になった部分だけ忘備録

p26 第1章 知識が「駆動」する
知識を4つのタイプに分類
①宣言的な知識につながるタイプ
②手続き的な知識につながるタイプ
③知識が場面とつながるタイプ
④知識が目的や価値、手応えとつながるタイプ

①~③はすんなり入るのですが、
④が入りません。
「望ましい態度」等、言葉だけが独り歩きしそうな感じです。



p72「駆動する知識」と「考えるための技法」

・具体的な技法と思考ツールの紹介
・現況の仕方(学習方略)の紹介、「探究モードへの変革」を意識することの大切さ

簡単な紹介なので、この部分を読んだだけでは内容不足ですが、
手法検索のきっかけ?にはなるページ?


P201 第3章 「深い学び」を具現する授業デザイン

3 「学び合い」が充実する教師力
子どもの学びを受け入れ、つなぐ姿勢
・見取るための尺度、いわゆる評価基準をもつこと
・時間軸で子どもの姿をつなぐこと
・空間軸で子どもの姿をつなぐこと


P208 1「振り返り」の重要性
3つの機能
①学習内容を確認する振り返り
②学習内容を現在や過去の学習内容と関係付けたり、一般化したりする振り返り
③学習内容を自らとつなげ自己変容を自覚する振り返り

この辺りを丁寧に実践しようと思ったら、
「チョーク・アンド・トーク」前提の授業時間割では、
正直、厳しい気がします。
工夫で何とかなる次元?



P222 第4章 「深い学び」を支えるチーム力
5つの教師力(捉える・解釈する・照合する・判断する・振る舞う)
授業研究の質的転換
子供を見取り、授業を描く

異動して4か月、
今はまだ、ここまで考えられない・・・。

 

 

 


科学の祭典 2018

2018-08-13 16:39:46 | 自由研究ネタ

中学校勤務時は育児休業中でも向かった科学の祭典。

今年は、何となく静岡駅前にある科学館「るくる」に行ったところ、偶然、体験することになりました。

ホント、偶然。


まずは岩石を攻めます。


小学生にはあまり人気がないのか、並ばずに体験。
小3には成分の説明が???とのこと。

気を取り直してエコーマイク


単純な作りですが、放送ごっこには最適です。
帰宅しても遊んでいます。

そして40分待ちの人気ブース


人工イクラ。
イクラなのに赤くないのが母としては不満。
小学生にはイクラっぽいより、カラフルな方が優先。

そして光ネタ。

単純な作りの割には割ときれい↓↓↓
重ねられた紙コップを回すと、虹の数が変わります。

 

そして定番、フレミングの左手の法則


日本武道館での科学の祭典より
コンパクト&涼しい&人が多くないので、
のんびりできました。
もしかして静岡の土地柄?

全てのブースで中学生や高校生が進行役。
顧問が脇でハラハラ見ているのが、少し面白い風景でした。



しなやかマインドセット、を受け入れた上で

2018-08-11 06:02:54 | 最近読んだ本

ここ数年、取り組んできた「評価」のシフトチェンジ。

 

振り返りながら読んで、

フィードバックに課題があること、

ミニレッスンが必要なこと、

そしてステークホルダーとの関わり方に工夫が必要なこと、

 

そして何と言っても、

授業者自身のマインドセットが大きく影響すること。

 

を確認しました。

 

そういえば、某自治体で、

学力調査の結果を教員評価に関連付ける発言が飛び出ました。

 

マインドセットを説明する際の例になりそう、、、、。

 

 

成績をハックする: 評価を学びにいかす10の方法

クリエーター情報なし
新評論

3日で終了しなくなった!!夏休み自由研究 2018 

2018-08-09 15:46:43 | 自由研究ネタ

昨年はクラブチームの練習&先輩の応援で、とにかく忙しかった娘たち。
今年度は余裕ができたようで、3日で自由研究を終わらせる必要がありません。

3年生の末っ子、
小学校の理科の時間に学んだ「実験の手順」に従って、自分で進めています。

発芽について調べ始めた末っ子に対し、
5年生の長女が、授業で習った発芽条件について語りだし、
それ、本当?と追加実験をする末っ子。

冷蔵庫で発芽を計画。

そんな末っ子に対して、
比べる実験が必要で、変えていいのは1つだけと長女がアドバイス。
学校で教わったようです。

冷蔵庫の中は光があって明るいから、暗くしないと、とのこと。
うーん、冷蔵庫の中って、いつも明るい?
扉を開閉するときにライトもONーOFFされていることを確認し、
冷蔵庫の中身を出し入れするたびに光が当たっても困るから、
アルミホイルをかぶせました。

さらに、
「発芽すると種の中のデンプンはなくなる」と長女。
デンプンが分からない末っ子に、長女は説明。

ここで、つい手を出してしまいました。
(でも、ここまで、よく、我慢したでしょ?)

ヨウ素液(イソジン)を長女に渡し、
ヨウ素ーデンプン反応を促しました。


これも長女は経験済みだったようで、
家にあった、コメと片栗粉と砂糖と食塩にヨウ素を一滴ずつ。
デンプンという栄養素が、
入っている食べ物とそうでない食べ物があることを学んだ末っ子でした。


末っ子が手順に従って進めようとしていること。
長女が対照実験の指摘をしていたこと。


どんな結果が出てくるか分からないけれど、
娘たちが教わったことを活かしているだけで、何か満足。

さて、長女よ。君はどうする?


先は長い。

2018-07-26 16:33:18 | 最近読んだ本

 作家の時間―「書く」ことが好きになる教え方・学び方(実践編) (シリーズ・ワークショップで学ぶ)

クリエーター情報なし
新評論


のびのびと学ぶための環境って何だろう。

3年前、化学基礎を担当した時の学習者はのびのびと、
そして生き生きとしているように見えた。
もちろん、
それ以前・以後に自分自身が関わった授業と
比較でしかない。

でも、
公開授業や個別に見学に来ていただいた先生方にも同様に映ったらしい。

  

何故、「のびのび」が可能だったのか?

誰からも、何の期待も要求もない授業を担当することをきっかけとして、
私自身のシフトチェンジが起こっていたことが一つ。
学習者のペースを優先させたことが、
「のびのび」を可能としたもう一つの要因だったと思う。

しかし、
体系化せず、学習内容を削ることでカバーしていたという
課題を残している。

 

 

「作家の時間」に求めたことは、

のびのびと学びに向かうためには?
自分自身を表現すること、表現を通して学習内容を深めるためには?
この2つの問いの手掛かりを得ること。

 

「作家の時間」では小学校での実践例が紹介されている。
小学校に比べたら、
中等教育では教科担当制で生徒との関係性が希薄、
発達段階も異なるうえ、
1年間で担当する生徒が200人以上になることも普通の状態。
そして基本的に私は「理科」の授業のみのお付き合い。
学習者にとっても、数多くいる教員の一人でしかない。

自分が置かれている状況とあまりにも異なるため、
ノウハウ本として読んだら最後だな、と思っていたのに、
意識しないとノウハウ本として読んでしまう習性が私にはあるみたい。
案の定、一回目の読書は「素敵な実践だけど、、、、、」で終了。

 

 

 

2回目はもう少しイメージを具体的に。
「のびのび」と「自分自身を表現」している、の間、を膨らませてみた。

 

創造的な活動をしている姿、
探究している姿、
そして他者の中で楽しんでいる姿。
浮かぶ姿は経過であって成果ではない 

あぁ、一つ目の「溝」発見。
経過を見たいのに成果に焦点を当てている。


継続して実施している単元ごとのパフォーマンス課題。
そのものは学習の方向性として不適切ではない。

でも、現状のようにパフォーマンス課題を仕上げることが
最重要課題なのか?と聞かれたら、
最重要ではないはず、と答える。

 

最重要とすることでのデメリット、
「焦らせる」「せかす」に大きく影響している。
とにかく時間がないから、失敗できる場になっていない。

 

経過に焦点を当てることを考えた時に必要となる
「カンファランス」や「ピア・カンファランス」、

この辺りは、学年・年齢を越えて通用しそう。

うーん、もう一回読みたい。




二つ目の溝は、

身につけさせたいコンピテンシーが何なのか
授業の中で具体的に提示できてないこと、
そして自分の中にある優先順位に疑問がふつふつ。


そもそも、コンピテンシー習得のためのお作法レッスンがないことは、
今更ながらどうなんだろう。

 

「丁寧さに欠けるかも、、、」
そんなことは薄々感じていたけれど、やはりレッスンは大事。
では、理科の時間に必要なミニ・レッスンは何なんだろう?




結局、
いかに自分の言葉がふわふわしていて具体性がないか、
そして遂行目標になっているのではないか、
という、突き刺さるような現実に気づいただけかも知れない。

 

先は長いな・・・。


まずは授業者から。ー自己調整学習ー

2018-07-22 09:37:04 | 最近読んだ本

学生を自己調整学習者に育てる:アクティブラー二ングのその先へ

北大路書房

 

私自身のレセプターが反応した部分だけをピックアップしました。
もし、3ヶ月後、半年後、1年後に読み直したらまた読み方も変わってくるはず。
その時にゼロから読まずに済むように読書記録を残します。

 

早速。

自己調整学習者とは?

 p1 L1〜  「自ら新しい知識を獲得、保持、検索できる、意図的、自律的、自己主導(self-directed)的な学習者を意味する。そうした学習者だけが、職業生活のなか拡大する知識とスキルに習熟し続け、仕事がなくなってしまったあとも新しい職業に適応できる。新しい職業に適応する必要性は社会で実際に生じている。」

 「一度身につけたら安泰の知識とスキル」なんてないんだよね、
を導入から確認。

何か大きな壁を我慢して苦労して乗り越えれば、
学ばずとも極楽な世界が待っている訳ではないのです。
刻々と変化する社会の中で、
生き生きと過ごし続けたいと思ったら、
自己調整学習に焦点を当てることは不可欠なのでしょう。

それでは、その自己調整学習の効果はというと、

 

p13.L161〜 「自己調整学習によって以下が高められることについて多くの証拠が蓄積されてきた。

1.授業や授業の単元における学生のパフォーマンス/達成度

2.学生の思考の量および深さ

3.自分の学習に対する意識的な集中

4.内省的で責任感をともなう専門意識(professionalism)」

といった抽象的な、、、、ふわっとした感じです。
この書籍以外で重要性を感じ、
でも、個別の事例に落とし込んできる訳ではなく、
見よう見まねの導入によって、

様々な問題?様々なつまずきが多数、起こっていました。

 

p13 L23〜 「自己調整学習において主要な役割を果たす1つの心理的な過程である自己評価と学習との関係を見てみよう。不正確な自己評価は自己調整の低さと関連するということは理解できる。しかし、不正確な自己評価はパフォーマンスの低さとも関連するのである。(略)学生に自分自身の成績基準を作らせるという解決法は効果がないということがわかっている。その方法では、解答の質を区別することや、彼らが予測した成績と教員やたの学生がつけた成績の一致度を高めることができなかった。唯一希望の光があるとすれば、成績が低い学生の自己評価は歪んでいるものの、その自己評価に対する自信は、より自己評価が正確な、成績が高い生徒に比べ低い、という結果が得られていることだろう。」

 

実際に自己評価を授業に導入した時感じたハードルとして、

・  評価=総括的評価のみ、と認識している同僚とのギャップ。

・  評価内容と基準が使用されず、同一の評価(全てA、全て普通など)の自己評価がなされる。

があります。後者はやはり、「成績が低い」とされる生徒に多いのではないか、という実感はありました。
本人のやる気の問題?と片付けてしまえば、それまでなのですが。



p14 L18 自己調整と自己効力感は互いを強めあうというバンデューラの知見を思い出そう。結果として、うまくいっている学習者は統制の所在を内的に位置づけ、学習の成否を自らの学習習慣や努力に帰属することができる。

 

やっぱりここで出てきたか、バンデューラ。

どんな場合に自己評価が機能しないのか?
ついつい、欲が出てしまい、これぐらいできるのではないか?という過剰な期待と、
足場かけもなしに課す課題。
これは自分自身の手抜きの傾向?粘り強さ不足?

期待と手抜きで、
学習者の自己効力感を奪っていく感じなのかも?

 

ヴィゴちゃんとバンデューラ。
意識して意識しようとしないと流れていくね、やっぱり。

 

 

P35. 第3章 読む、見る、聞くことの自己調整
L10 「生涯学習のより多くの部分が読むという行為に依存するため、読解力、効率性、持続性や記憶保持力を強化するために、学生たちを支援することが必要である。

P36 L5(動画や音声による反転授業について)「しかしながら、プラニングやモニタリング、学習の評価なしに、人は何でも見たり聞いたりすることができてしまう。そのため、いくつかの制約のなかで、読むことを高める自己調整学習の課題と同様のものを、聞いたり見たりする宿題に対しても適用すべきである。」

 

自分で読んで知識やスキルを得るよりも、
要点がまとまっているものを教えてもらって習得した方が、早い&楽。
自分で読む、見る、聞く、という力がなくても、
動画や音声によるコンテンツが充実していくだろう世界でこれから生きていく。
だから、自分で求めていかなくても良いのか。
時間はかかる&楽じゃない、は、当然、授業受け悪いし、、、。

それでも自分から求めることに価値があると考えるのならば、
覚悟して臨む活動なのでしょう。

制約は付き物なのです。

 

p81 第6章 試験と小テストによる自己調整学習

L1 小テスト(quizzes)や試験(exams)は、学生にとって学習経験となるようにすべきであり、それらは効果的に行うことができる。しかし、小テストや試験を単なる総括的評価として見なしている限りは、それは実現しないだろう。

 

このタイミングで読んで、一番ハッとさせられた章かも知れません。
定期考査なんて無くなってしまえば良い、

何となく、そんな気持ちでいたので。

もちろん、業務が面倒だからではなく、

テストに出るから勉強するという動機付けに嫌悪感があっただけです。

黙っていても実施の日程が組まれる定期考査を
前向きに活用しない手はないな、と思うようになりました。

 

 

その他、ほほぉと思ったところ。

 

p59 ミニッツ・ペーパー に書く具体的な内容例
いや〜、例示は必要だよね。

 


p66  真正で「曖昧な」問題
  問題解決の記録・・・問題解決でとった手順を詳細に記述すること。
  質の高い事例とPBL


2回目はもう少しじっくり読む。

 

 

p83.L29〜学生には、内的状態を表す動詞は使わないように助言しよう。例えば、「知る」「理解する」の代わりとして、「識別する」「同定する」「再生する」「説明する」「適応する」「解決する」「分析する」「比較や対比する」「関係付ける」「論じる」「評価する」「創造する」のような能動的な動詞を使うようにする。

 

p95 思考の手本を見せる

・・・だね。

 

P97 学習日記に書く内容例

いや〜、例示は必要だよね(その2)。

 

P147 負担になる?  

量をこなす負担感、授業で教えるべき内容の圧迫

>>授業の内容に焦点を当てている、だからノープロブレム。
そーなんです、でもね、そーもいかないのですよ。の部分。


P107 学生が先延ばしを克服できるように助ける

「ダイエットは明日から。」昔のCM
「明日やろうはバカヤロウ」院生室の入り口に貼られていた文言

を思い出しました。自分自身に重ねることが多い内容でした。

 


p150 始めること

L7 ここで、学生の自己調整学習を生み出す最良のプランを阻害し得る、あるいは、その可能性のあるコースの構成要素に関する問題の例をいくつか示そう。

L22 要するに、自己調整学習を思い切って取り入れようと考えている授業者は、自分がどのように教え、授業を行っているのか、学生の取り組みをどのように評価し、保証しているのかをしっかりと自覚しておく必要がある。

 

結局、TP必要だよね、にたどり着きました。

 

 

 


胚芽米も発芽する

2018-07-07 07:22:16 | おこめプロジェクト



市販の胚芽米を植えてみました。


一応、立体なんです。人体のペーパークラフト

2018-06-11 18:53:20 | 中学理科2分野(生物)


頂いたペーパークラフトを、
中学理科2年用に作り変えました。

動脈と動脈血の違いが伝わるでしょうか、、、、?

ザ・栄養生殖

2018-05-25 07:46:45 | 中学理科2分野(生物)




原点。

2018-05-12 23:09:22 | 探究に関すること

黒板に直書き、でも
活字で提示、でも良いのですが、
何となく、手書き&マグネットにしてみました。

初任の頃、
ノートにいちいち「課題」から「まとめ」までを書かせるのが嫌でした。
教科書に書いてあるし、写すだけだし、時間がかかるし、
だったら、印刷して配布してしまえばいい。
昨年度まで、ノートではなくプリントを挟むファイルのみで記録してきました。

ある中学校の理科の授業実践をお聞きした時、
探究の流れを大切にするために、すべて生徒が書いてから、
ようやく実験が始まる、
だから、なかなか実験の楽しさや面白さにたどり着かない、
そんな嘆きがありました。


写させても、読ませても、
内容を意識することとイコールではない、
に尽きるなぁ。
今更なのですが。

比較する・関連付ける・推論する等、探究の基となる力と、
全体を組み立てる力をどう育むか。

いきなり「全体を組み立てる」に取り組むって
やはり学習者にとって不安の方が大きい、たぶん。

今日の理科の教科書はとても丁寧。
実験結果はもちろんのこと、考察の仕方まで記載されている。
写させて暗記すれば併用問題集は解くことが出来る。


理科に重点を置いているわけでも、特別な予算があるわけではない。
展開授業ではなくMax40名に個別対応は限界がある。
保有する条件で何ができるのか。

コンテンツを叩き込むのでもなく、
体験と興味関心の追求に終始することなく、
探究する力を育む。

さて、何ができる?