日々のできごと。生物準備室より

理科教育、生物教育に関して考えたことをぼちぼち更新。たまに授業実践報告をします。

生命の誕生には「プレートテクトニクス」が関連

2014-08-10 16:57:29 | 最近読んだ本

 

 

生命誕生 地球史から読み解く新しい生命像 (講談社現代新書)

 

講談社

 

忘れないようにメモ:第2弾>

生命の発生と生物進化は、地球エントロピーの減少に応じた地球軽元素の秩序化によるもの。自然の法則に従えば、エントロピーは常に極大に向かって増大するのに、アミノ酸がペプチド、タンパク質とより組織化したのは、太古の地球が熱を放出して冷却され、地球全体のエントロピーが減少し、その分段々複雑化しなければならなかったから必然的であった。

「原始スープ」「太古の海は生命の母」は非合理的。化学進化が海洋で起こったという説は化学的に疑問が多い。40~38億年前、隕石の海洋衝突で生じた超高温の衝突後蒸気流が冷却する中で多種多量の“有機分子”が創成される「有機分子のビックバンが起こったと考えられる。その有機分子の中で粘土鉱物に吸着・沈着できる親和性の高い分子(=生物有機分子)となり堆積物中に埋没(分子が“自然選択”される)、“続成作用”により高分子化する。その後プレートテクトニクスにより海洋堆積層が移動し、含まれていた高分子は海水起源やマグマ起源の熱水に遭遇して加水分解の危機にさらされるが、“小胞”を形成して内部に退避した高分子だけがサバイバルできる。この小胞同士が融合し、生命が誕生となる。

 選択生物の教科書(東書)では4ページに相当する内容。教科書ではミラーの実験が載っているが、無機物から有機物が作られた過程が諸説あるのね~ということと、ヘッケルの系統樹にもある“モネラ”(=究極の祖先)を否定、生物の進化を化学進化から考えれば、「共通の祖先」の存在を信じること自体がオカシイのよ~という主張に、「へぇ」連打。

 結局、“小胞”に高分子が退避した後、小胞同士の関わりありに詳しい記述がなくモンモンモヤモヤは残ったまま。“モネラ”誕生後の生物の進化についての記述がこれを挙げるんだ・・・(ウマの蹄の進化やアーケンゾア等)と、冷えきっていないビールを飲んだ感じ。物理・化学・地学の知識を必要とする一冊で、私にはハードルが高く、途中で何度もウトウト。あまりよく分かっていないのだから、センター入試に知識問題が出題されることはないなと、自己完結。

いーのか!?これで。