日々のできごと。生物準備室より

理科教育、生物教育に関して考えたことをぼちぼち更新。たまに授業実践報告をします。

対立構造は終わりに近づいています、塾と学校の関係。

2017-10-21 08:59:28 | 最近読んだ本

みかづき

クリエーター情報なし
集英社

 

戦後まもなくから現在までの「塾」を巡る人々のフィクションです。
フィクションと言っても戦後の教育史はそのまま描かれており(多分)、
教員だった祖父や叔父たちの話、自分が児童・生徒だった頃や職に就いてからの経験と自然とリンクし、復習するような感覚が何となくありました。

舞台となる塾の所在が千葉県の第2学区あたり。
私立学校に勤務していた頃に塾周りに関わっていた地域でした。
塾は児童・生徒に学校を紹介してもらうための大切なお客様。
「粗品」を持参して営業に回るのですが、
個人塾の経営の厳しさは、訪問先でも、集計した資料からも感じていました。

また、公立中学校に勤務先を変更した後は、
定期テストや進学先を巡って、担任と塾が静かに対立している状況にも遭遇しました。
対立に意味がないことは明らかです。
ただ単に互いに批判していても建設的ではありません。

自治体によって差があると思いますが、
この本に書かれている状況より、連携はかなり進んでいると思います。



「今回のことでわかった。子どもっていうのは、顧客であって、顧客じゃない。だって、入退会を決めるのも、お金を払っているのも、彼らじゃなくて保護者だから。塾に通ってくる子どもたち自身は、いつも、どこまでも無力なんだよね。その点で他のビジネスとは絶対的にちがうって気づいたら、もう、今みたいな商売のやり方を続けていくのが怖くなっちゃって(p328)」


私自身は、塾に関わった経験はありません。
でも、私立学校で葛藤していたことに重なり、当時のことを思い出した部分です。
極端に表現すれば、子ども中心でも、教員中心でもなく、保護者中心。
教員である自分たちの生活が掛っているから仕方ない、
そんな思い込みで組織に対する理念を疑いもしませんでした。


塾との関係も、
お客様から、対立業者?、そして現在はwin-winに、
どんどん変化しているのかな、と思い、このタイトルで書き始めましたが、
ただ単に、自分の所属が変わったから感じたことなのか?
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