例えば、私が乗っている最新ロードバイクは第4世代のSupersix EVOですが、フレームは最下級グレードです。cannondaleは近年LAB71という最上位のカーボンフレームを開発しています。これまではHi-ModとStd-Modという2種類のカーボングレードでしたが、今は最上位にゼロカーボンを使用したLAB71があり、その下にHi-Modが位置することになったのですが、実際にプロが使用しているのはHi-Modグレードのバイクなのです。
LAB71にはまだ試乗経験がありませんので、評価は控えますが、Hi-Modには何度も試乗しています。Hi-Modは他社でいうHMカーボンのcannondaleの略称です。HMとはハイモジュラスの略称でPAN系の高弾性率タイプ炭素繊維のことです。PAN系炭素繊維はその弾性率により低弾性率炭素繊維(LM:引張弾性率:200GPa以下)、標準弾性率タイプ炭素繊維(HT:引張弾性率:200~280GPa)、中弾性率タイプ炭素繊維(IM:引張弾性率:280~350GPa)、超高弾性率タイプ炭素繊維(UHM:引張弾性率:600GPa以上)の5種類に大きく分類できます。
HMカーボンを独自の技術で部位ごとに厚さを替えた(バリスティックカーボン技術)のがcannondaleのHi-Modフレームです。Std-Modは中弾性率タイプ炭素繊維(IM:引張弾性率:280~350GPa)を使用しているようですがその詳細は不明です。どちらもバリスティックカーボン技術が使われているので、Hi-ModとStd-Modの違いはカーボン素材の違いによる重量と剛性の違いだけで、フレーム形状は全く同じです。これは最上位モデルのLAB71も同様です。
個人的にHi-ModのSupersix EVOは私には硬すぎる感じでしたので、費用面も考慮してStd-Modを選びましたが、乗り心地はむしろStd-Modの方が良いと感じるほどなのです。確かに重量は重たくなりますが、クライマーではないので、そこはさほど気にしていません。LOOKなどは部位によってカーボンの種類を替えているメーカーもあるほどです。しかもUHMの使用割合はごくわずかなのです。必ずしも弾性率の高いUHMカーボンが優れているとは言い切れないとLOOKという老舗のフレームビルダーが証明しているように思えます。
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