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自転車の経済学(4)

2013-01-22 06:26:56 | 自転車

 日本の道路は概ねセンター部が高く左右が低い構造になっています。そしてその端に雨水枡や排水溝が設けられているのです。またマンホールなどもほとんどが車道の両端に集中しているというのが実情なのです。排水のために道路は左傾斜していることで、路面のゴミは当然雨に流されて道路の左側端に集まることになるのです。法律では自転車はここを走れと定められている訳です。北国ではさらに融雪溝などが設置されることも少なくありません。704350061

 つまり、自転車が法律通りに車道を走行することで見えてくる社会問題もある訳です。ごく僅かではありますが、車道の中央や中央分離帯側を低くして、道路センターに排水溝を設けている道路があります。この道路だと、道路の左側に雨水枡のグレージングやゴミ溜りがないので、自転車は安心して車道の歩道側を走行することができるのです。自転車で車道を走っているとこうしたことが良く分ってくるのです。
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 つまり、「自転車は法律に従って車道を走ります。その代わり、もう少し自転車が車道を走り易い環境を作って下さい」と国や自治体に胸を張っていえるようになる訳です。7000万台もある自転車が車道を走行することになれば、きっと道路の構造そのものを変えるというニーズが生まれるはずです。ケインズ流に「公共投資で景気回復」と叫んでも、今の日本では新たな投資先がなかなか見つからないのが実情です。もし、この道路の構造改革が実現し自動車と自転車の共存が可能になれば、日本は世界有数のエコロジー大国になることができると信じています。世界的にも自転車レーンが普及する傾向にありますが、この際、一歩踏み込んで日本では自転車が安心して車道を走行できる道路の構造改革を目指して欲しいと願っているところです。Fddren_danmen

 現状の排水設備をそのまま利用するなら、排水溝を歩道の下に移動するという方法もあります。縁石にグレージングを取り付け、縁石の下へ排水することにすれば路側帯をそのまま自転車通行帯として活用することができるはずです。また、マンホールなども出来れば歩道へ作るようにすればさらにいいと思います。
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 GIANTの本社がある台湾では、幹線道路にはバイクが3台も並走できるバイクレーンが設けられているのです。ご覧の通りのラインとバイクのペイントだけの実にシンプルなものですが、これで十分だと私は思います。ブルーやグリーンでレーンを塗りつぶすことを考えれば費用は数分の1程度で済むはずなのです。スイスでも黄色のラインだけでバイクレーンを設けているのです。スイスや台湾のように国土の狭い国でのバイクレーンの確保の仕方はおおいに参考になると思います。Swiss01_2

 今年から所得税等の復興増税が始まり、5年間で19兆円という膨大な復興予算が組まれている。瓦礫処理が進まず、復興計画は大幅に遅れているようですが、この膨大な予算は被災地の再生に使われることが決まっています。再生は被災地を元の状態に戻すのみならず、バブル崩壊とリーマンショックで疲弊した日本経済を立て直す日本再生に繋げていかなければなりません。そのためには単に旧を復すだけではなく、一歩進んだ新しい街造りやインフラ整備を考えてゆく必要があります。新しい道路整備もそのひとつでしょう。その際に、自動車と自転車と歩行者が共に安全に効率よく利用できる"SHARE THE ROAD"化を推し進めてもらいたいと願って止みません。
 被災地には3.11以来、自転車メーカーから多くの自転車が寄付されています。ガソリンがなくても、多少路が荒れていても走ることができる自転車は被災者の脚として大いに役立ったはずです。道路が整備されガソリンスタンドが出来たからまた自動車に戻るというのではなく、災害に弱い自動車より災害にも強い自転車を見直す政策を考えてもらいたいと願って止みません。
 現在、さいたま県や栃木県など北関東では自転車振興に力を入れている自治体が増えつつあります。この輪を東北にまで繋げることができれば、一大エコロジー空間が東日本に広がる可能性があります。これからの時代は『エコロジー=エコノミー』の時代だと私には思えるのですが、いかがでしょう?

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